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うっかりまたワイングラスを買ってしまった話

もう10年くらい、お酒は飲むのをやめようと思いながら、ダラダラと毎日のように飲み続けている。いつか健康診断で止められるだろうと恐れながらビクビクしつつ、いつも年末に受診するのだけど、意外に引っかからないから不思議だ。肝臓より他のところに低評価がつく。それでまた安心して調子に乗って飲む、の繰り返し。きっとお酒をやめたら年間五十冊は多く本が読めるだろう。もっと日中の頭もスッキリしていることだろう。性格も良くなるかもしれない。会社で最近の若者と関わると、彼らのアルコール消費量の少なさとお行儀の良さに驚愕しつつ、「よし、明日から見習おう」と毎日思いながら10年が過ぎている。

先日、いつも家でワインを飲む時に愛用していたリーデルのシャルドネ用のワイングラスが割れてしまった。食洗機から食器棚に移そうとした時に、キッチンカウンターの角にあたり、ステムが折れるコンっという音がした。あ、と思ったら次の瞬間、グラス上部の丸い部分が床に落ちて砕け散る。

あいや。。。。

いつもの私だったら、サササと破片を片付けたらソッコーでアマゾンで同一のものを注文するパターンだ。子育てをしていると色々なものが壊れるのは日常茶飯事なので、いちいち反応していたら身が持たないと子供を産んで1年くらいで気がついた。ある時から、「壊れた→悲しむ→買い換える」の真ん中のステップはパスして「壊れた→買い換える」に短縮するようにした。そもそも壊れにくいものを買うようにもなったけど、たとえば食器を全てメラミン(給食で使ったあれ)に変えてしまったらそれはそれで私は気分が落ち込むので、どうしようもない部分(壊れやすさ)はもうお金で解決することにしてしまえ。

でもその日、10年やめようと思っていたお酒を飲むためのグラスが割れた時、「今回は買い足さないでおこう」と思いとどまった。それで、1週間くらいそのままにした。それからの数日は、最近流行りのクラフトビールを買って缶から飲んでいたので結局飲んでるのだけど、多少はアルコール消費量が減っていた気がする。多分。

なのにこの週末、作家ものの陶器やガラスを売るお店の前を通ったら、ついうっかり入りたくなってしまった。そして、能登半島で活動をする有永浩太さんのワイングラスを見つける。

左側は薄ピンクがかったシリーズ、右の四つが無色透明。丸っこくて可愛い
私は石川県推し。勝手にご縁を感じる

まるさが可愛すぎて抗えない。狭い店内で十分ほど迷ったのち、つい、背が低いものを一つ買ってしまった。いや、グラスはあっても飲まなければいいだけだし!一つしか買ってないから誰かと酒盛りなんてできないし!なんて自分に言いきかせながら。


容量が大きく、300ccくらい入るので帰宅後とりあえずビールを入れてみた。カワイイ。

やっぱり飲んでる。でもビールは水だって誰かが言ってた気がする

しかも、だ。

地球儀マークが付いているので(赤木さんが世界中に公開されているので)そのまま引用しても許していただけるかなと思いつつスクショを載せると、私の憧れの、輪島の漆作家の赤木さんが最近始められた能登半島の杣径(そまみち)というオーベルジュで、同じ有永さんのグラスを使っていると思しき写真にその夜Facebook上で行き当たってしまった。

右側のグラス、きっと同じ有永さんの作品と思われる

お揃い!!

これは赤木さん認定を受けたのと同じだから、センス良過ぎて使わざるを得ない(飲まざるを得ない)ということでいいですよね。

もはや誰になんのための言い訳をしているのかわからないけども、赤木さんとお揃いでワカメは光栄です。いつか杣径も行ってみたい!

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