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『通過者』ジャン=クリストフ・グランジュ

濃霧の夜のボルドーで、完全な記憶喪失の男が保護され、
同時に牡牛の頭部を被せられた全裸死体が発見される。

自分が殺人犯なのかと疑う精神科医の男と、
彼は無実と信じる女警部の二人が、
同じ謎を追いかけてそれぞれに暴走する……...

3連休の後半ほとんど使わされたけど後悔せず。

小さな文字で2段組、700ページ越えの大長編、
にも関わらず飽きることなく、むしろ読めば読むほどのめり込んでしまった。

いやー凄かった。

圧巻の読み応え。

フランスのサスペンスってこともあり、
読み始めてすぐピエール・ルメトールを思い出したが、
間違っていなかった。

『死のドレスを花婿に』と同じ和訳者だった!

「吉田恒雄」という和訳者の呼吸を忘れさせる日本語に脱帽。

重厚な読書だった。

年に数回ある小説熱がぶり返しつつある。

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