エイリアンのどこに恐れおののくのか 深読みエイリアンVol.2
▼まずは記念すべき1作目、1979年発表『エイリアン』。
イギリスの巨匠リドリー・スコット監督である。代表作には
『ブレードランナー』
『グラディエーター』
『ハンニバル』
『キングダム・オブ・ヘブン』
『ワールド・オブ・ライズズ』
などなど、錚々たるタイトルが並ぶ。
▼逃げ場のない空間で、
バケモノに人間がジワジワと追い詰められていくパニック、
恐怖を描いたSFホラーの原点だ。
外国人を意味する名詞「エイリアン(Alien)」が
「(攻撃的な)異星人」を意味する単語として
広く定着するきっかけともなった作品である。
▼今観てもまったく色褪せない脚本と演出は、さすが名作と言わざる得ない。
大きな功績の一つは、
重要なキャラとして登場人物にロボット(今でいうAI)を取り入れたことだと
私は考えている。
詳しいことはネタバレに関わるので書けないが、
その設定ひとつで、
ストーリーに途方もない奥行きを注入した。
エイリアンという作品がただのホラー映画、パニック映画で終わらせない複雑性、将来性などの無限の可能性を手に入れたと考えている。
今でこそAIの凄さを世間が認知しているが、1979年の時点で主要キャラとして物語に組み込んだあたり、その先見性には恐れおののく。
▼そしてさらに特筆すべきはやはりエイリアンの撮り方。
薄暗い画面に映るヌルッとしたエイリアンに心拍数が上がる。
1979年の映画だ。
もちろんVFXなどテクノロジーの恩恵は皆無だろう。
そんな時代に「エイリアン」という世界を創り上げたこと、驚愕。
公開時のキャッチコピーは
「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない。」
In space no one can hear you scream.
これ書いてたらまた観たくなった。たまらん。
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