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80年続く純氷・かき氷屋さんに聞いた、氷業界の今昔ものがたり

名古屋は栄伏見。高層ビル群の中にぽつん一軒あるこちらのかき氷屋さん。
その店こそ「甘味や 澤田商店」である。
最近ではキーンと来ないかき氷が人気で夏場には冷たい甘さをもとめる客が数多く訪れる。実はこのかき氷屋さん80年以上の歴史をもつ超老舗店なのである。
今回は、澤田商店のキーンとしないかき氷の秘密から80年続く澤田商店と氷業界の歴史についてまとめています!!ぜひご覧ください!

お店情報

甘味や 澤田商店
住所:愛知県名古屋市中区 1-13-31
営業時間:AM11:30~PM7:00
定休日:火曜定休(※8~9 月は無休)
電話:052-231-4162
公式ホームページ:https://sawadasyoten.com

純氷かき氷
リニューアル時のお店


キーンとこないかき氷の秘密

澤田商店の看板商品であるかき氷は、定番のしろみつ・くろみつから最近の流行に合わせたフルーツフレーバーまで時期にもよるが約15種類から選ぶことができる。

個人的おすすめはほうじ茶味!!

かき氷といえば、食べた瞬間に頭がキーンとくるのが何とも辛い食べ物ですが澤田商店のかき氷はそれがありません!!
その理由は使用している「氷」に秘密があります。
澤田商店が扱っている氷は「純氷」と呼ばれる氷で、氷室の中で8時間かけてゆっくり凍らせている分、家庭で作る氷と比べると圧倒的な硬さと溶けにくさを誇ります。また、不純物が入っていないので透明で飲み物やかき氷の味を邪魔しないという特徴を持っているのがこの純氷です!!

板氷
丸氷


この溶けにくい純氷を使用しているからこそ氷を限界まで薄く削ることが可能となり、口に入れても頭がキーンとなりにくいのです!!
口に入れた瞬間ふわっと溶けるこの瞬間がたまりません!!ぜひ試して欲しいです。

澤田商店と氷業界の歴史

正確な開業年数は不明だが、澤田商店は戦後から約80年間続く氷室です。
開業の背景は当時氷屋がどの家庭や店舗においても必要不可欠なものであったことが大きいです。昔はコンセントを差すだけで中身が冷える電気冷蔵庫ではなく、中に氷を入れて中身を冷やす「氷の冷蔵庫」が主流だったそうです。

http://kameyamarekihaku.jp/josetu/5-3.htmlより引用

冷凍庫も当然普及していなかったので、氷は作るものではなくて買うという時代でした。
戦後で物がとにかく不足していた時代に氷は衣服や食べ物に並び、配給品として各世帯に決められた量として配らないと氷が不足してしまうというほどに、氷及び氷屋は高い需要があったのです。
それを受けて1代目の店主の方が澤田商店を開業し、今に至るまで営業されているそう。
かき氷を始めたのは17年前、今の代の店主が氷の需要の変化に対応するためにかき氷屋を店先で始めました。
当時は6席しかない小規模なかき氷屋営業であったが、客の増加の影響もありつい2年前、クラウドファンディングを利用した大規模改装を実施しました!
席数は30まで増加し、メニューもかき氷以外もドリンクメニューなどが増えました。
また、改装と同時に冬季の焼き芋販売もはじまっています!!

氷の需要の変化

前半にも軽く書いたのですが、戦後すぐの時代は氷の需要は非常に高いものでした。しかし今では簡単に氷が作れるようになり純氷のニーズは大きく変わりました。
ほとんどの飲食店では飲み物のおかわりは有料ですよね?しかし氷でお金が発生することはまずありません。この点からも氷の価値はかなり低くなっていることがわかります。
そこで澤田商店をはじめとする製氷業界では、純氷の質の良さをウリとした嗜好品としての「氷」を売っていくことになりました。
こちらについては次の記事で詳しく書きたいと思います。

地域に愛される澤田商店

澤田商店は地域貢献をなにより大切にしています。地域貢献の一環として澤田商店はシェアキッチン(現在一時休止中)・シェアスペースを設けています。他にもさまざまな地域のイベントに参加するなど地域にあいされるお店作りをしているのが澤田商店の魅力です。
そのなかでも店長の澤田潤一郎さんの印象に残ったお客さまのエピソードを伺いまし

お客様の一人は、小さいころによく澤田商店に連れて行って貰っていたが店の名前も場所も覚えていなかった。だけれど、どうしてももう一度澤田商店のかき氷が食べたかったので暇を見つけては自転車に乗って探し続けていた。そして今日やっと見つけることが出来たと笑顔でおっしゃってくださった。

学生時代、三重からわざわざ何度
も通ってくださっていた方は数年前関東に就職した今でも実家の三重に帰るときは必ず途中で澤田商店によってから帰省しているそう。

このようなエピソードからも澤田商店の魅力を感じることができます!!
そしてインタビューをしている最中も閉店後なのにも関わらず久々に来たらリニューアルしてて驚いた、またすぐかき氷を食べに行きますとおっしゃられていたお客様に遭遇しこのお店の凄さを実感しました。こういったいろんな方の印象に残ることが出来るのが個人商店の魅力の一つであるということが分かりました!!

これからの澤田商店

これから何代もずっと製氷会社として澤田商店を続けていきたいかという質問をしたところ店主の澤田さんはノーと答えた。

理由を伺うと、とにかく製氷はコストパフォーマンスが悪く次の代に氷屋さんをやらせるのは心が痛むから、とおっしゃられた。

純氷をつくるには8時間以上かけてゆっくりと氷を作っていかなければならないし、完成
した純氷が溶けてしまわないように常に冷やし続けなければならないし、加えて氷はとてももろいので丁寧に扱わないと割れてしまう恐れがある。そんなことを何年も続けていくと思うと骨の折れる思いだ、と澤田さんはおっしゃっていた。

けれどもし、今後の日本に「せっかくならよりよいものを」という考え方が浸透していたのであれば製氷業界は今よりももっと栄えていくだろう。
澤田商店の未来は日本の未来とともにあると澤田様は笑顔でおっしゃっていました。

純氷を切る店長の澤田さん

まとめ

澤田商店と氷業界の歴史は以上です!!
地域に愛されるお店作りがとっても素敵でこれから何年たったとしても澤田商店が都会のオアシスのような場所であるといいなと記者は思いました!!
今回は真面目なインタビュー記事でしたが次回は純氷を家庭でも楽しむ方法を書きたいとおもっています!!実験もしてみましたーーー!!
よければぜひご覧ください!!
そして澤田商店にもぜひ足をはこんでみてください!!


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