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絵の描きかた① 絵で伝えたいこと

こんにちは!番頭兼イラストレーターの塩谷歩波です。コロナウイルス感染症対策により、皆さんお家で過ごされていることと存じます。この状況下で極力家にいることはとても正しい判断ではありますが、ずっと家に居続けることでストレスを感じていたり、メンタルが弱っている方も少なくないのではないでしょうか。こんな時だからこそ、私はぜひ「おうちで絵を描くこと」をオススメしたいと思います。絵を描くのは時間がかかる作業ではありますが、作業に没頭している時間は不安な気持ちは薄れ、細かな部分を描いている時は集中力が高まって爽快感があり、何より苦節しながらも完成できた時の感動は言葉にしがたいものがあります。家にいて心が疲れてしまっている人、同じことを繰り返して飽きてしまった人、新しいものに挑戦してみたい人が、一歩を踏み出せるよう、今まで自分が実践してきたことのノウハウをnoteでまとめてみたいと思います。


絵で何を伝えたいかを考えること

私が絵を描く上で何より大切にしていることは「絵で何を伝えたいか」。まずそれをしっかり考えてから絵を描き始めています。具体的にいうと、下記の3つの軸に分けて思考を重ねています。

①「誰のために」(target)
②「それをみてどう思ってもらうか」(goal)
③「みた後にどのような行動につなげてもらいたいか」(action)

この3つが見えてくると、次に自分が何を描くべきかが浮かび上がってきます。

例をあげてみます。こちらは、2017年に描いたプレミアムフライデー銭湯のイラスト。

キービジュアル_プレフロ

プレミアムフライデーは、月の最終金曜日に、仕事帰りに買い物や旅行などを楽しむことを推奨するキャンペーンです。小杉湯としては、仕事帰りに銭湯でほっとした時間を楽しんでいただきたいと思い、プレミアムフライデー銭湯、プレフロを実施しました。このイラストで伝えたいと思ったことは下記の通りです。

①target : 20~30代(特に女性)
②goal : 「仕事帰りに銭湯でリフレッシュするのもいいな」と思ってもらう
③action : プレミアムフライデーに小杉湯でお風呂を楽しんでもらう

上記の三点を軸に、構想し「20~30代ぐらいの女性が、気持ちよさそうにお風呂に入っている姿」を描くことになりました。このイラストは小杉湯のSNSなどに使われるほか、店内にも掲示されました。このイラストをみて小杉湯に訪れる人が多くとてもうれしかったです。

次の例はこちら。早稲田大学の学報の表紙を描いたものです。

画像2

早稲田大学の中央図書館をリニューアルしたため、図書館を特集した回の表紙を描いて欲しいというご依頼でした。

①target : 主に、早稲田大学の卒業生
②goal : 「今の図書館ってこんなに変わったんだ」と思ってもらう
③action : 学報を読んでもらう

学法は校友会費を納入している早稲田大学のOBや、定期購読を申し込んでいる方の自宅に届けられます。表紙をみて、本の中身ももっと読んでみたいと思ってもらうため、今の図書館がどれだけ変貌したかをひと目でわかる描き方が必要でした。そのため、現在の図書館の構成がわかりやすいアイソメ(斜め俯瞰図。銭湯図解の描き方)で絵を描きました。

私は、絵は表現手段の一つと考えています。伝えたいことが先にあり、それをより伝えやすくするならば、文章や、言葉、映像、音楽など、他の表現であってもいいと思っています。何を伝えたいか、を芯にもつことで、その表現は誰かを動かせるような強いものに変わります。


実際に絵を描いてみよう

「絵で何を伝えたいか」をしっかり考えた上で絵を描いてみましょう。突然言われても困惑してしまうと思うので、下記のようなお題を出します。

描いてもらいたい絵のお題:「今日、いいなと思ったもの」
①target : 今、あなたが会いたい人
②goal : 自分がいいなと思ったものを、その人もいいなと思ってもらう

③はいいなと思ったものによって行動が変わると思うので自由にします。お題だけではわかりにくいと思うので、例をあげてみますね。


「昼に食べたお弁当」

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①target : 高円寺住まいの友人
②goal : とても美味しかったので、友人にも美味しそうって思ってもらう
③action : 友人にそのお弁当を買いに行ってもらう

こんな感じです。大切なのは、伝える相手をしっかり思い浮かべること。届けたい相手の顔を思い浮かべることで「その人ならこれがいい」と表現は洗練されます。もし、うまく描けなくても落ち込む必要はありません。ここで大切なことは、伝えたいことをその人に伝えられることです。そのため、絵を描き終わったら、ぜひその人に絵を見せてみてください。その人が、自分が想像していた行動を起こしてくれたら、とても感動すると思いますよ。ここでは絵を描くことを推奨していますが、もちろん文章や音楽、言葉など違った表現でもいいと思います。おうちにいる時間が多い今だからこそ、一度ぜひ試してみてくださいね。

さて、今回はまず自分が絵を描く上での根幹に当たる考えをまとめさせていただきました。とはいっても、やっぱり絵の描き方がわからないし、、という方もいると思います。そのため、次はテクニックの面から普段自分が実践している部分もお話しできればと思います。

おうちにいる時間が多い今だからこそ、絵の面白さを少しでも多くの方に伝えられればとても嬉しく思います。それではまた。

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