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次世代を熱狂させる新しい潮流、eスポーツとweb3の可能性― enXross協賛企業インタビュー・FENNEL

皆さん、こんにちは。
enXross事務局です。
 
日本最大級のエンターテインメントシティ・東京ドームシティの新プロジェクトenXross(エンクロス)は、デジタル技術を活用した経済圏創出や、お客さまの感動体験アップデートの実現を目指す取り組みです。
 
こちらのnoteでは、世界のエンターテインメントとイノベーションの交差点・enXrossのプロジェクトに携わるスタッフや、web3・ブロックチェーン領域の有識者、協賛企業の皆さまへのインタビューを通じて、イベントのビジョンと魅力などをお伝えします。
 
今回は、enXrossゴールドスポンサーで、プロeスポーツチーム運営とアパレルブランドを展開する株式会社Fennelの代表取締役会長・遠藤将也さんに、eスポーツの可能性とweb3との親和性についてうかがいました。

お話をうかがった、株式会社Fennel 代表取締役会長の遠藤将也さん

不動産業界から転向してeスポーツ事業を立ち上げ、eスポーツ普及とブランド構築に取り組む

― 近年、eスポーツは世界的に流行しており、ビジネスとしても成長が期待されています。FENNELは2019年の創業ということですが、立ち上げの経緯を教えてください。

遠藤会長 私はもともと不動産業界出身で、30歳で独立しビル売買という少し特殊な不動産ビジネスをしていました。不動産取引は比較的クローズドな環境のビジネスなのですが、これをオープンにしていきたいと不動産×ITの事業を考えていたところ、偶然、友人からeスポーツを紹介されたのです。オンラインゲームで、人と人が競うというすごさに衝撃を受けました。

そこでeスポーツ業界を調べたところ、リアルのスポーツではチームをもつために、スタジアムを建設するなど、何かしらの権利を得る必要がありますが、eスポーツではそうした参入障壁はなく、さらにグローバルに戦えるマーケットがあることに大きな可能性を感じました。そこで、eスポーツチームを立ち上げることにしたんです。
 
― 現在、FENNELには40名を超える選手が所属しています。所属選手はどんな方々ですか。
 
遠藤会長 高学歴でいわゆる「地頭のいい」タイプの人間もいれば、元Jリーグのジュニアユースでフィジカルが優れた人間、さらに昔からずっとゲームをやっていたという筋金入りの人間まで、さまざまです。

20代半ば、30代の選手もいますが、日本ではコロナ禍になってから流行り始めたので、10代後半から20代前半が主要な年齢層です。
 
― FENNELではアパレルブランドも展開しているそうですね。
 
遠藤会長 通常のスポーツチームでもグッズを販売するケースが多いですが、私たちもFENNELというブランドIP(知的財産)をつくりたいと考えています。FENNELとはどういったチームかを表現するときには、それを象徴するようなクリエイティブ、ビジュアルの表現も重要です。

やはり、日本ではまだゲーマー・ゲーム好きに対して根暗、オタクというイメージがあります。でも、今では誰でもゲームを楽しんでいますし、世界ではeスポーツの登場でそのイメージが全く変わってきています。アパレルという手段でもFENNELというチームがかっこいい・おしゃれだというところを見せ、プロゲーマーが憧れの対象になるようなブランド構築を目指しています。

FENNELのアパレルサイトではeスポーツの世界観を取り入れ、ジェンダーレスに
着こなせるファッションが揃う


ゲーム空間イコールメタバース空間!? ファン層を大切にすることが事業の基本

 ― eスポーツというと、チームを組んでゲームクリアを目指したり、格闘ゲームで勝ち抜いていくというイメージですが、どんなジャンルが流行しているのですか?

遠藤会長 『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』などのシューティングゲームが人気です。また、MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)といわれるエリアを取り合うジャンルも人気です。日本では、やはりシューティング系が流行っていますね。

具体的なタイトルで言うと、『VALORANT(ヴァロラント)』が世界的に流行しており、リリースされて3年ほど経ちますが、かなり盛り上がっています。
 
― ゲームというデジタルコンテンツはブロックチェーンやweb3とも親和性が高そうです。ブロックチェーン、web3とeスポーツとの関係や可能性についてどう見ていますか。
 
遠藤会長 そうですね。もう、「メタバース空間=ゲーム空間」と言えるほど、両者はニアリーイコールの関係にあるのではないかと感じています。ゲームのキャラクターに自分の好きな服を着せたりすることはメタバース上の行動ともつながります。そうした新しい空間の中で、私たちがしっかりファンを作っていけるかを考えたときに、メタバース空間との相性はすごくいいというか、ゲームコミュニティが一番のベースになる可能性も高いと思っています。

また、最近のゲーム作品は音楽にもかなり力を入れているので、音楽カルチャーという観点でバーチャル空間でのライブのようなことも考えられます。NFTやメタバース、ブロックチェーンなどweb3領域は、eスポーツと非常に親和性が高いと思っています。

eスポーツコミュニティでNFTを活用してキャラクターグッズを作ることなどもできそうだと思っていますが、その前提として、ベースにファンをもっていないと話にならない。つまり、いかにリアル・バーチャルの空間で人を動かせるかが最も重要だと考えています。

強いチームをつくる、かっこいい・おしゃれなクリエイティブをつくるといったことで、FENNELのノウハウを構築していくことが今は大切だと思っています。
 
― そうした意味では、11月に東京の下北沢で選手とファンが交流できるイベントをしたそうですね。
 
遠藤会長 はい。ファンサービスを兼ねて、アパレルを実際手に取って買うことができるポップアップショップを開きました。多くのファンの方に来ていただき、選手との写真撮影なども楽しんでいただきました。

メタバース空間を含め、どんなサービスでも、そこに入りたいと思うかどうかのベースはコミュニティが鍵です。日本のゲームコミュニティは相当強いですから、NFTや仮想通貨とゲームを絡めた取り組みなどで一緒に何かしたいというお話も最近よくいただいています。
 
― 今後、メタバースやゲームの空間の中で、ゲームの世界観を基本にした経済が回るような仕組みができるということでしょうか?
 
遠藤会長 ゲーム内の通貨でアイテムが買えるように、ゲームコミュニティの中では、それがまだブロックチェーン化されていないというだけでもう実現していると思います。ブロックチェーンを導入したいという話もよく聞きますが、そうした新しい仕組みのゲームは新興の企業がつくっており、タイトルのブランド力があまりないケースがほとんどです。既存のゲーム会社などがブロックチェーンを取り入れたゲームづくりを始めれば、普及は相当早まるのではないでしょうか。

東京の中心で「エンタメ×テクノロジー」が動き出すインパクト

― enXrossでは、テクノロジーとイノベーション、さらにエンターテインメントをかけ合わせることを目指しています。開催地となる東京ドームシティには、どんな魅力があるとお感じですか。
 
遠藤会長 東京ドームのあった場所にはかつて、競輪場があったと聞いています。東京中心部で歴史あるエンタメの場を運営する大手企業が、こうした取り組みに力を入れ、発信していることは非常によいことだと思っています。

エンターテインメントという視点では、カジノ法案など法制度の制約もありますが、ベッティングシステムなどもブロックチェーンと親和性が高い領域だと感じます。技術を生かす制度で下地をつくることができれば、サービスが育つ可能性も高まると思います。

eスポーツ領域では、中国や韓国は戦略特区のような仕組みを設けています。同様に、東京ドームシティをエンタメの国家戦略特区のようにして、エンタメ事業と仮想通貨、ブロックチェーンの企業が集積するようにすれば、東京は相当盛り上がるのではないでしょうか。

一方で、現状のゲームはルールや仕様をパブリッシャーがすべて決めています。eスポーツチームの観点からすると、野球やサッカーが特定の誰かのものではないように、ブロックチェーンを入れることでユーザーたちが皆でルールや仕組みを改善していくというあり方も考えられるのではないかと思っています。

eスポーツの面白さ・可能性を社会に広げていくために


2023年11月3〜5日に両国国技館を会場に行われた「Red Bull Home Ground」は
3日間で約1万3,000人が来場、全世界で約1,300万人の視聴者数を記録。各国から
プロeスポーツチームが出場する中、FENNELは日本予選勝者として参加した

― 今回、enXrossに協賛された理由と期待していることを教えてください。
 
遠藤会長 eスポーツは新しい領域で、規制の必要などが言われることもあります。ですが、すでに若者たちの間で新しいコンテンツが生まれている状況でもあり、次世代の子どもたちが熱中するものの一つだということは事実です。こうした状況を多くの企業関係者の皆さまに体感し、理解していただきたいという気持ちがあり、啓蒙活動のよいきっかけになると感じて、協賛させていただきました。

中東で富豪がeスポーツのイベントを開催したというニュースなども聞きますが、日本の現場で盛り上がっているイベントもあるのです。日本では、eスポーツはコロナ禍の中で盛り上がってきました。先日も大阪でファンイベントが開催され、FENNELから2名の選手が参加したのですが、早い方は開場6時間前から並んでいただき、最終的に定員500名のイベントに700名あまりが集まりました。こうしたことはまだマスメディアでは報じられないのですが、実際にお話しすると多くの方に関心をもっていただきます。

若者たちがeスポーツに熱狂し、実際に動いている様子をもっと知っていただきたいと思っています。
 
― eスポーツとweb3の親和性の高さがよくわかるとともに、次世代のビジネスとしても可能性のある領域だということがわかりました。本日はありがとうございました!


東京ドームシティの新プロジェクトenXrossについてはhttps://www.tokyo-dome.co.jp/enxross/をご覧ください!


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