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モバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT」の普及を通じて、快適で安心な社会を支える ―enXross協賛企業インタビュー・INFORICH

皆さん、こんにちは。
enXross事務局です。
 
日本最大級のエンターテインメントシティ・東京ドームシティの新プロジェクトenXross(エンクロス)は、デジタル技術を活用した経済圏創出や、お客さまの感動体験アップデートの実現を目指す取り組みです。
 
こちらのnoteでは、世界のエンターテインメントとイノベーションの交差点・enXrossのプロジェクトに携わるスタッフや、web3・ブロックチェーン領域の有識者、協賛企業の皆さまへのインタビューを通じて、イベントのビジョンと魅力などをお伝えします。
 
今回は、enXrossゴールドポンサーで、モバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」を展開する株式会社INFORICH 取締役 兼 COO(最高執行責任者)の高橋朋伯さんに、創業から現在までの歩みとenXrossに寄せる期待をうかがいました。

お話をうかがった、株式会社INFORICH
取締役 兼 COO(最高執行責任者)の高橋朋伯さん

中国本土で普及しつつあったバッテリーシェアリングにいち早く着目、日本での展開を進める

― enXrossにゴールドスポンサーとして参画されているINFORICHさんは、モバイルバッテリーのシェアリングサービスを日本に初導入し、「ChargeSPOT」として展開していらっしゃいます。創業からの歩みから教えてください。

高橋さん 私たちは2015年に創業し、当初はSNSのハッシュタグと連動するプリンタ「PICSPOT PRINTER」を活用する事業を行っていました。イベント会場や店舗に専用端末を設置して、さまざまなSNSに指定のハッシュタグを付けて投稿した写真を、ブランドロゴやスポンサー広告が印刷された写真やカードとして無料でプリントするサービスです。

「イベントに参加したことが、より特別な思い出になる」と、来場者から注目していただきましたし、導入企業さまからは、企業側からの一方的な発信ではなく、消費者の投稿の価値が高まっている中、消費者の能動的な投稿を促せるという点を評価していただきました。

その後、2018年に開始したのが、現在の主力であるモバイルバッテリーのシェアリング事業「ChargeSPOT」です。「ChargeSPOT」のバッテリーにはLightning、USB Type-C、microUSBの3種類のケーブルが付いているので、スマートフォン以外にもほとんどの充電端末に対応します。最近は電子タバコやイヤホン、夏場は扇風機の充電にも活用していただいています。

モバイルバッテリーの返却先は借りたスポットである必要はなく、どこのスポットにでも返せます。ですから、仕事帰りに飲みに行く前に借りて、帰りに家の近くのコンビニで返すといった使い方ができます。

また、「ChargeSPOT」があるということは、そこに電気も通信も通っているということです。バッテリースタンドにデジタルサイネージが付いていて、OOHメディア(屋外広告・交通広告など家庭以外で触れるメディア)の役割もしています。私たちは、オフラインのスポット(地点)の価値を最大限に上げることを目指しています。

「ChargeSPOT」のバッテリーには3種類のケーブルがあり、
さまざまな電子機器に対応している


― ChargeSPOTは駅や商業施設など、本当にいろいろなところで見かけるようになりました。この数年で急拡大したと感じますが、はじめはどのようにスタートしたのでしょうか。

高橋さん 海外の先進的なビジネスモデルを日本に時間差で持ち込むことを、タイムマインビジネスと言いますよね。以前は欧米圏から日本に持ち込むケースが多かったと思いますが、インターネットによって情報格差がなくなりましたし、現在では中国本土などアジア圏で新ビジネスが立ち上がることが多くなり、タイムマシンビジネスは変わりつつあると感じています。
創業者の秋山広宣(陳 日華)も私も、香港とのつながりが深く、中国本土で広がるバッテリーレンタル事業の存在をキャッチしたことがはじまりです。
中国本土では現在、400人に1台くらいの割合でスポットがあり、私たちがバッテリーレンタル事業を知った2016年当時でも、1,000人に1台程度の割合で普及していました。中国本土でインフラ化が進んでいるサービスなのだから、日本にないのはおかしいと考えました。

日本国内のバッテリーシェアリングマーケットを1から開拓

― そうなると、日本にはマーケットがほぼないところからスタートしたのですね。

高橋さん そうですね。事業化している企業さんは数社いらっしゃいましたが、マーケットにはなっていない状況でした。周囲の反応も、「誰がお金を払って充電をするの?」「充電って家でするものでしょ」という感じでした。

ですが、私たちは絶対に必要とされるサービスになると信じていましたし、ビジネスをしていくには設置先の開拓をしていかないとならないため、はじめの2年間はとにかくスポットを増やすための投資を重ねました。その後、基盤ができた段階で稼働率などのデータをもとに、スポットの再配置を行い、効率化・最適化を図りました。

現在、国内では約41,900台、海外では香港・台湾・タイ・中国本土・シンガポールなどにも展開しています。

― かなりの数ですね! 国内で浸透した理由は何だとお考えですか?

高橋さん 日本は自然災害が多い国ですから、台風や地震が起きたときに交通網が止まり、出先でスマホの電池が切れてしまえば連絡がとれなくなるといった心配は誰もが感じることでしょう。「ChargeSPOT」を設置していただくと、非常時でも連絡手段を失う心配が減るので、防災力の高いまちづくりへ貢献できます。実際に、防災対策になり得ることを評価してくださった導入先は多いです。

現在では、停電や地震などの災害時に当社がバッテリーを無料で貸し出す、という防災協定を自治体や企業さんと結んだりもしています。

INFORICHと防災協定を締結している自治体・企業
<自治体>
東京都渋谷区・豊島区・青梅市、神奈川県鎌倉市、山梨県、福岡県福岡市、兵庫県南あわじ市、神戸市、熊本県八代市、静岡県熱海市
<企業>
東京地下鉄株式会社(東京メトロ)、日本空港ビルディング株式会社、株式会社NTTドコモ、株式会社コクミン、株式会社龍生堂本店、株式会社クリエイトSD、株式会社セキチュー、クオール株式会社、株式会社共立メンテナンス
(2023年12月現在)

― シェアリングというモデルは、確かにサステナビリティ(持続可能性)の観点でも重要ですね。

高橋さん はい。自分自身でも経験があるのですが、出先で充電がなくなってコンビニで買ったバッテリーが家に何台も…というのは、資源の観点から考えるともったいないですよね。「ChargeSPOT」のシェアリングを通じて、過剰生産をしない、サステナブルな社会を実現していこうという価値観を広められればと思っています。

また、現在は「ChargeSPOT」の設置先で使用する年間の消費電力の10%分にグリーン電力を使用しています。今後、どれだけCO2の削減効果があるかの可視化にも積極的に取り組んでいきます。

街中で「ChargeSPOT」の充電器を目にしたことのある人も多いはず。
手軽に充電器が借りられることは、日常の便利だけでなく災害時の安心にもつながる

ブロックチェーン・web3の普及を「ChargeSPOT」が後押しする

― バッテリーシェアリング事業とブロックチェーン・web3領域の関連をどのように見ていらっしゃいますか。

高橋さん 今、スマホのアプリが高度化して、電力消費量は増え続けていますが、私たちが調べる限りでは、ハードウェア側のバッテリーの成長が追いついていません。また、スマホ自体も高機能化によって高額化しており、買い替えまでの期間が2年から4年越えにまで延びています。弱った本体のバッテリーを外付けのバッテリーで補っている方は珍しくないでしょう。

ここに、ブロックチェーンやweb3などソフトウェアの新技術が導入されると、ますます「電気」と「通信」にまつわる課題が大きくなっていくと予想できます。電力需要に拍車がかかっている中、私たちのサービスは社会に価値を提供することになると考えています。

電気または電池がインフラであり続けるように、そして、進化する技術を快適に使っていくためにも「ChargeSPOT」で貢献していきたいと考えています。

― ありがとうございます。最後に、東京ドームシティという「場」に感じる魅力や、enXrossに期待していることを教えてください。

高橋さん 東京ドームシティのような巨大施設には「ChargeSPOT」のニーズがあると考えています。実際に、「ChargeSPOT」を導入していただいている他のテーマパーク系の施設での稼働率は非常に高いので、東京ドームシティでも、訪れる方々が快適に過ごすためのサポートができると考えています。

enXrossの取り組みを通し、東京ドームシティならではのサービスが新たに生まれるのではという期待があります。そのときには、スマホの使用ニーズはさらに増すでしょうし、サイネージを活用していただくことでenXrossの活動を促進することもできるかもしれません。デジタル化が進む社会のなかでより強まるであろう「電気」と「通信」のニーズに、当社のサービスが協力できるのではないかと考えています。

― モバイルバッテリーシェアリングが災害時にはライフラインになり得ること、ブロックチェーン・web3領域の広がりとインフラづくりは両輪であること、とても興味深く聞かせていただきました。本日はありがとうございました。


東京ドームシティの新プロジェクトenXrossについてはhttps://www.tokyo-dome.co.jp/enxross/をご覧ください!

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