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創業100年を迎えるIT企業に息づく挑戦とイノベーションの気質 ―enXross協賛企業インタビュー・日本事務器

皆さん、こんにちは。
enXross事務局です。
 
日本最大級のエンターテインメントシティ・東京ドームシティの新プロジェクトenXross(エンクロス)は、デジタル技術を活用した経済圏創出や、お客さまの感動体験アップデートの実現を目指す取り組みです。
 
こちらのnoteでは、世界のエンターテインメントとイノベーションの交差点・enXrossのプロジェクトに携わるスタッフや、web3・ブロックチェーン領域の有識者、協賛企業の皆さまへのインタビューを通じて、イベントのビジョンと魅力などをお伝えします。
 
今回は、enXrossゴールドスポンサーで、ITトータルソリューション&サービスを展開する日本事務器株式会社の田中啓一社長に、持続可能な企業経営と次世代テクノロジーの可能性について、お話をうかがいました。

お話をうかがった、日本事務器株式会社 代表取締役社長 執行役員社長CEOの田中啓一氏

オールラウンドでITソリューションを提供する老舗IT企業 ―創業100年を控えステークホルダーとのつながりを深める

― 日本事務器さんは、長い社歴を誇るシステムインテグレーター(SIer)としての地位を確立されていますが、創業から今日に至る歴史や事業の特徴を教えていただけますか?

田中社長 弊社は1924(大正13)年、関東大震災直後の混乱の時代、まさに焼け野原の中で創業しています。おそらく今で言うベンチャースピリットを掲げての起業だったのではないかと思います。その後、第二次世界大戦やリーマンショックなど世界情勢の荒波を乗り越えながら、一貫して企業の「事務」関連業務のサポートをしてきました。

まだ、コンピューターが社会に普及する前から、いち早く電子化・デジタル機器導入の流れに反応し、自社でトライ&エラーを繰り返しながらソリューションを企業に提供してきました。社会ニーズに合わせて柔軟に事業内容を変化させてきたのです。

ITコンサルティング、システム企画・構築・運用・保守サービスなど、医療・福祉・民間企業・文教・公共・自治体向けにサービスを提供してきた多数の実績があります。通常、IT系の企業は何かしら専門分野や領域があることが多いのですが、弊社はオールラウンダーで、それが大きな特徴であり、強みでもあると思っています。
 
― 来年(2024年)に創業100周年を迎えられるそうですが、何か計画されていることはありますか?
 
田中社長 100周年は一つの節目だと捉えています。これまで100年にわたり事業を継続できていることは、当社のお客様や協力会社・取引先、株主、そして全国41カ所の事業所のある地域の方々がいてくれたからこそで、ともに歩んでくださる皆さまへの感謝を形にして伝えていく取り組みを計画しています。

また、自社への理解を深めるためにこれまでの歴史を振り返る社史を作成しますが、その別冊という形で、若い社員向けに、クイズや漫画などを盛り込んだマガジンの制作も企画しています。

日本事務器はヘルスケア、民間企業、文教・公共向けと
幅広い業界に向けてITソリューションを提案している

失敗を恐れずにチャレンジし続ける企業風土と人材育成

― 時代に合わせて事業内容を変化させていくことは、簡単なことではないと思います。こうしたチャレンジを続けるために大切にしていることをお聞かせください。

田中社長 私は、「すぐに変われる体質になる」ことでどんな時代の変化にも柔軟に対応していくことができると考えており、それを「Change to Change(変われるように変わる)」という言葉で、社員にも折に触れ伝えてきました。次世代を担う事業を育てるためには、主事業で得た利益を、新しい技術に投資していく循環が重要で、失敗やリスクを恐れずに取り組む姿勢が大切です。

生産性だけを追求すると、どうしても答えまでのショートカットを求めてしまいますが、既存の方法に捉われず、常にゼロベースで発想する創造性を培って欲しいと思っています。新しいテクノロジーを積極的に導入し、自社をテストケースとしながら、成功体験のみならず、失敗を通じて学んだこともお客様に共有しています。

― 企業風土の醸成や人材育成のために取り組まれていること、独自のラーニングカルチャーなどはありますか?

田中社長 イノベーションを起こすには、新しいことに挑戦するマインドと組織の多様性が必要です。弊社は多種多様で好奇心を持った社員が多いのが特長だと思っています。新入社員への挨拶ではいつも「ようこそ、動物園へ」と言っていますから(笑)。

こうしたユニークで創造性豊かな人材を育むために、7〜8年前から「デザイン思考」を研修に取り入れています。プロダクト・サービス開発にもこれを活用していますし、今では意識しなくても、自然にデザイン思考型のアプローチで物事に取り組む社員が増えてきています。

以前、会議で見られた部署同士の意見の対立もなくなりました。傾聴力が身つき、お互いの意見や立場を尊重し認め合うといった企業風土が醸成されてきたと思っています。社内SNSを活用した経営層からのメッセージ発信や社員同士のコミュニケーションも活発に行われていますし、風通しのよい社風も大切にしているところです。

堅実でありながらも新たなことに挑戦し続ける社風・企業風土は
日本事務器の社是・理念にも見て取れる

社会にパラダイムシフトを起こすテクノロジーに向き合う

― web3・ブロックチェーンなどのテクノロジーの社会実装について、IT企業の観点からご意見をお聞かせください。

田中社長 今、世界はまさにパラダイムシフトの渦中にあると感じています。ビッグテックの影響下から脱し、web3・ブロックチェーンを活用したイノベーションが進められている。生成AIの社会実装も急速に進んでいますし、シンギュラリティについては、もう遠い未来の話ではなくなってきていると言われています。これらのテクノロジーは、各社システムのアップデートに留まらず、社会全体の仕組みを大きく変えるポテンシャルがあります。弊社でもそのテクノロジーの活用について研究と開発を続けているところです。

― 急速に発展するこうしたテクノロジーの活用に、貴社はどのようなスタンスで向き合っていらっしゃるのでしょうか。
 
田中社長 web3・ブロックチェーン領域にさまざまな可能性があることは、十分認識されていないと思います。弊社のようなIT企業の役割は、こうした先端技術を噛み砕き、お客様が活用できるソリューションとしてご提案することです。

当社では、社員がお客様の業務を深く理解し、現場での課題解決や改善のための方策を提案します。伴走という以上に、一緒のチームとして見てくださるお客様も多くいらっしゃると思います。

私たちは、「良い道具」を「役に立つ道具」にすることがミッションだと思っています。どんなに優れた技術であっても、それを活用できる環境がなければいけません。この「環境」にはもちろんITが含まれますし、また、技術を使う人のマインドも変える必要があります。特に、マインドの部分は「役に立つ道具」になるためのラストワンマイルです。イノベーティブな技術は、それだけでは課題の解決策にはなりません。さまざまな現場の実態にあわせて落とし込むことが必要で、私たちはお客様がイノベーションを取り入れるときに、それをお手伝いする存在です。

その反面、社会全体にweb3・ブロックチェーン領域の技術が導入・普及していくためには、他社との技術協力や業界を横断する指針の設定なども必要です。規制や制度などもできるでしょうし、企業間の連携が求められると思います。
 
― web3・ブロックチェーン領域の可能性について、現時点でイメージされていることはありますか。
 
そうですね。医療・ヘルスケア領域では多くの機微な情報が扱われていますので、web3・ブロックチェーン領域の技術を活用できる可能性があるのではないかと思います。

今回のenXrossではテクノロジー×エンターテイメントがテーマの一つですが、リハビリテーション分野でVR(仮想現実)を活用した取り組みがあるように、エンターテイメントの視点で何かアプローチできるのではないかと思っています。

enXross AWARDに集まるアイデアと新たな企業間のつながりに期待

― enXrossはテクノロジーによるイノベーションというテーマを掲げていますが、貴社で取り組まれていることを教えてください。
 
田中社長 弊社では2016〜17年くらいにイノベーションをテーマに掲げています。先ほどお話ししたデザイン思考を取り入れながら、さまざまな新規事業の立ち上げに取り組んできました。コロナ禍で社会のデジタル化が一気に進んだときも、平時と変わることなく勤務ができていました。こうしたDXやオフィス改革、働き方改革にも先進的に取り組んできた企業ではないかと自負しています。

社員には、社内コミュニケーションや同業他社との「横のつながり」など、他者との接点を増やすことを推進してきました。異なる常識や文化にリアルで出会うことで、イノベーションにつながる創造性が培われると思うのです。

― 人と人との接点による化学反応もイノベーションには重要ですね。enXrossのデジタルとリアルの融合というテーマにもつながりそうです。ゴールドスポンサーとして参画されていますが、期待されていることはありますか?
 
田中社長 web3・ブロックチェーン領域の新技術の実用化がどのくらい進んでいるのか。enXrossではそれを確認し、こうした技術やアイディアからお客様の事業に活かすためのヒントを得ることができればという期待をもって参画させていただきました。

東京ドームシティというフィジカルな空間とブロックチェーンなどのバーチャルテクノロジーを掛け合わせた実証実験の場で、驚くような体験ができることを期待しています。特に国内外のアイデアが集結するenXross AWARDには非常に注目していますし、参加企業との新たなつながりにより、次世代のソリューションサービスを創り上げたいと思っています。
 
― 長寿企業でありながら、常に新たな挑戦を続ける日本事務器さんの原点に触れられた気がします。本日はありがとうございました。


東京ドームシティの新プロジェクトenXrossについてはhttps://www.tokyo-dome.co.jp/enxross/をご覧ください!

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