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XRが「体験」を大きく変える!エンタメから業務領域まで、最先端の実装事例を聞く ―enXross 2nd協賛企業インタビュー・モンスターラボ

皆さん、こんにちは。
enXross事務局です。

 日本最大級のエンターテインメントシティ・東京ドームシティを舞台に、デジタル技術を活用した経済圏創出や、お客さまの感動体験アップデートの実現を目指すプロジェクトenXross(エンクロス)

 今年はXR(クロスリアリティ)をテーマに、2024年7月4日にトークセッションや企業展示などのイベントが行われます。

 今回は、enXrossゴールドスポンサーである株式会社モンスターラボの常務執行役員 CTOの平田大祐さん、DXコンサルタントの加藤愛貴さんのお2人に、モンスターラボが提供した支援の実績とグローバルでのXR活用動向をお聞きしました。

お話をうかがった、株式会社モンスターラボ 常務執行役員 CTO(最高技術責任者)の平田大祐さん(左)と、株式会社モンスターラボ コンサルティングライン DXコンサルタントの加藤愛貴さん(右)

シンガポールや中東、世界各地で実装が進む「XR」

― モンスターラボさんは世界中に拠点をもち、さまざまな企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支援しています。会社の特徴や現在のトレンドを教えてください。

加藤さん モンスターラボは、「多様性を活かし、テクノロジーで世界を変える」をミッションに、デジタルの力を活用して、お客さまのビジネスの成長をサポートしている会社です。いわゆるDXの支援やデジタルプロダクトの開発支援をしていますが、それだけでなく、UI/UXデザイナー、データアナリストなど専門領域をもったメンバーをワンチームに集めてお客さまに寄り添い、事業戦略の立案から体験設計、開発、その後のグロースまで、幅広く支援している点が1つ目の特徴です。

もう1つ、グローバルにオペレーションを展開しているところも特徴です。世界中に拠点を持ち、日本や中東などのデジタル先進国の拠点と、東南アジアや東欧のように優秀なエンジニアを比較的低コストで稼働できる拠点を組み合わせて、各拠点で得られる知見や技術を活かしながらお客さまの競争力を向上させることを得意としています。また、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中東などで、複数のグローバル企業とパートナーシップを組んでおり、より幅広くお客さまのニーズに答える体制を整えています。

― 平田さんはCTOという役職ですが、XR領域で注目している動きはありますか。

平田さん モンスターラボではグローバルをAPAC(アジア・太平洋)とEurope/AMER(ヨーロッパ・アメリカ)、MENA(中東・北アフリカ)3つのリージョンに分けており、私はAPACリージョンのCTOを務めています。日本が中心にはなりますが、ベトナムやフィリピン、バングラデシュ、シンガポールなどが含まれる地域がAPACですね。

CTOとして、エンジニアチームの取りまとめに加え、デザイナーやユーザーエクスペリエンスのプロ、ビジネス展開の戦略を立てるストラテジストなど、それぞれの職能のメンバーがうまく力を発揮しあって、ワンチームで価値を提供できるようコラボレーションを促進する役割も担っています。

日本は新しいものに対して比較的保守的な感じがありますが、シンガポールでは先端的なデジタル技術をサービスに実装した事例が結構あります。

今回のenXross 2ndのテーマであるXRでも、シンガポールの拠点ではかなり前から取り組んでおり、それがアプリ上で展開されるといったことも当たり前になっています。我々の会社全体で見ると、シンガポール以外では中東・ドバイの拠点で特にXRが盛んに活用されている印象があります。

建機の故障検知や小包の発送、エンタメ施設のアクティビティにも! 活用の幅が広いAR

― APACやドバイではすでにXRを活用したサービスがいろいろ展開されているということですが、モンスターラボさんが開発・支援した実例をご紹介いただけますか。
 
加藤さん 1つ目は、建機メーカーのクボタ様で課題解決にAR(拡張現実)を使った事例です。

クボタ様では、建機に問題が発生したとき、社員の熟練度によって原因を特定するまでの時間に大きな差があることや、多くのディーラーからの問い合わせ対応を行う中で、個別のサポートがしきれないという課題がありました。

そこで私たちは、建機の製造に使う3Dモデルのデータをいただき、それを元にアプリを開発しました。アプリをインストールしたスマホを建機にかざすかエラーコードを入力すると、原因と思われる箇所がハイライトされます。経験の浅いメンバーでも原因の特定がスピーディにでき、工数や手間を削減できます。

XRを活用することで、ナレッジを要したり複雑度が高い業界の業務効率化にも活用できるという事例です。

米国市場でのAR活用事例。建機の故障箇所の特定にARが役立っている


もう一つの事例は、ヨーロッパの大手物流会社であるGLS様の事例です。荷物を送るとき、このサイズだと費用はいくらなのかがわからないことは多いですよね。このケースでは、こうした顧客体験(カスタマー・エクスペリエンス:CX)の改善を目指してアプリ内にARを実装しました。iPhoneのセンサー機能を活用して、カメラで小包を写すとサイズがわかり、費用もすぐわかるようになっています。

ヨーロッパの大手物流会社GLSでは、顧客体験を改善するAR機能をアプリに実装


こうした日常のペイン(不便)を解消するような領域では、AR活用が増えています。

また、エンタメやメタバース系の観点では、最近、モンスターラボの中東拠点がJournee(ジャーニー)という企業とパートナーシップを組むことになりました。ハイブランドなど多くのグローバル企業と組んで、メタバース系のイマーシブな(没入感のある)体験を提供している企業なので、私たちの「体験をデザインする」という点と、今後シナジーを出していけると思っています。
 
― リアルの空間に情報を重ねるARは業務系でもエンタメ系でも活用できそうですね。
 
加藤さん そうですね。昨年のインタビューでご紹介したシンガポールのガーデンズ・バイ・ザ・ベイでもARを使った仕掛けが実装されています。園内のランドマークに向けてスマホをかざすと、その施設の形を認識してナビゲーションや情報が出てきます。

また、園内だけで使える写真フィルターが出てきて共有できたり、植物を撮ると何という種類か特定したりしてくれます。
 
平田さん 園内で、ARで表示されるアイテムを探すゲームができたりもします。また、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイは植物園なので、季節ごとにいろいろな花が咲きます。アプリ内でヒストリー的そうした画像を見られるので、別の季節にまた来たいなという気持ちを喚起する仕掛けもあります。
我々がお受けしている案件ということで、全体の傾向ではないのですが、現状では多くの案件がAR系です。XRという概念にはAR以外にVR(仮想現実)、MR(複合現実)が含まれますが、VRとMRは基本的にヘッドセットが必要です。かなり安くなってきてはいますが、専用デバイスが必要という点がVR・MRの案件がARより少ない理由の一つにあると見ています。

シンガポールの巨大植物園、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイでは園内を快適に、楽しく過ごすためにAR系機能が活用されている


加藤さん デバイスに加えて、コンテンツも重要ですよね。圧倒的に見たいもの・体験したいものがあれば、ユーザーはデバイスや手段の制約を乗り越えてくれるはずです。XRでないと体験できないコンテンツが生まれれば、ブレイクスルーのきっかけになると思います。

「新たなテクノロジー」を軸に多様なプレイヤーが集まるのがenXrossの魅力

― モンスターラボさんは昨年に続き2回目の協賛となります。enXross 2ndへの期待をお聞かせください。
 
加藤さん 前回スポンサードさせていただいて、来場者の方やスポンサー企業の皆さんの熱量が高いことに感動しました。

Web3やXRという新しいテクノロジーに対して、多様なバックグラウンドをもった方が集まって会話することができる機会で、ここで生まれたコネクションはいろいろなことにつながっています。こうしたつながりを継続的に享受したいと感じて、引き続きスポンサードすることを決定しました。
 
平田さん 東京ドームシティで新しいデジタル体験がどんどん導入され、新しい顧客体験が創造されていくといいなと感じています。先進的な体験が魅力となって未来のエンタメが生まれ、複合施設としての競争力がさらに高まっていくという循環が生まれることを期待しています。


― enXrossという場を通じて、XRに関係する新しいつながりが生まれるのが楽しみです。本日はありがとうございました。



モンスターラボの昨年の記事はこちらから:
リアルとデジタルの融合が、これまでにない顧客体験を創り出す

東京ドームシティの新プロジェクトenXrossについてはhttps://www.tokyo-dome.co.jp/enxross/をご覧ください!



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