仕方なく風と踊ったレジ袋 潔白じゃない軽やかな生
浦島は海と契れど深海で 異形を見てから戻らなかった
散るごとに嘘になってく約束の 落ちて汚れた掃き溜めを見る
還り着く山椒魚は湖に 沈めばむかし木々や花々
繋ぐのはあなたの右手と私の左手、必ず 地獄行きの二足歩行ロボを動かす直列回路 手を離せば飛び立てる 離したくないから、一緒に破滅に行こう ずっと痛いまま、いま目玉が腐り落ちたよ 内臓を貫いた苦悶の針が 放射状に背中から出てあなたを刺している 繋いだ手を握り直したよ 地獄に着いたけど、まだ一緒に歩こうね
苦しみを花と埋葬せずにいて 手を引けば踏む白く咲く針
私だけが楽しくて私だけが幸せという不幸 あなたがくれてから好きでもないベリーのルイボスティーが好き あなた宛の荷物がウチに届くというようなことで生きていける気になる 思い出を取り出して磨いている 優しい言葉を反芻している すぐ隣の罵倒を不幸を踏まないように慎重に お前が死ぬか、俺が死ぬしかないと言っていた あなたはいつも正しい 裏切られ続けている 本当に死んでしまったかもしれないと思った日から、ずっと死別の練習をしている
助けてください生きていたいですあの人とあの人は私とだって生きていく気がないですすぐに死にたがる死にたがりながら生きている私だけがあの人と生きるために生きているやりたいことをしたいと言う私といることはやりたいことではない満たされないそれでは生きていけない生きていく限りこの片思いが続くんです生きていきたくないあなたと生きていくということはこの苦しみがずっと続くということあなたは別の理由で同じ苦しみを味わっていて、それで生きていたくなくて、なんでなんでなんでなんでなんでなんで毎晩一
病みツイにあなたがくれたエフェクター なくてもひずむ首にシールド
液晶を除菌シートで拭きながら 夢の中で会う人になりたい
リンの火を灯して貴方の夢を見る あした空箱を抱きしめて死ぬ
切り花の延命剤はなんとなく 冒涜みたいで私と貴方
月面に降りるみたいな海の底 あなたの醒めないユメザメになる
生きてない私の方が好きでしょう 放り出す靴の描く曲線
花々に水を注いでいるひとと 一輪の棘で死に至るひと
ごたごたの二人は遊ぶ子供部屋 大事にしてた空っぽがない