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問題児たち 47

 
イルプロラシオンでの、生命創造実験が失敗に終わりそうな頃合いを見て、エル・ランティ達にはJUMU( オーム宇宙管理局、地球派遣団)からの地球へのお誘いがかかっています。

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  【 地球移住を決めた、エル・ランティ達 】
 
 
323・イルプロラシオンという惑星の政治形態は、完全な神政政治。
 
大神官と言われる者が、神のお告げを人民に伝えて、イルプロラシオン全体を纏め(まとめ)上げていた。
 
その権力は絶対で、神はそれ以上に絶対だった。
 
そしてその神というのが、彼らイルプロラシオンの住民が「 セーラ・ヴィータ」と呼ぶ星の、エローラヴィーダ星に住むあの、エル・ランティだった。
 
エル・ランティは生命創造実験の結果がどれも思わしくなくて、一番上手くいっていた筈のエルプロラシオンが、今、正に滅びようとするその時に、JUMU( 地球派遣団)から
 
「 地球に来てみないか?」 という誘いを受けている。
 
そこは造られたばかりの自由の新天地で、エル・ランティに反対する保守派も居なければ、制約も殆どない、何をしても良い星だ、勧誘されている。
 
しかも、3億8000万年前には( 地球にやって来たのが、3億6572万年前、そこからおよそ1450万年前の時に)、JUMUが手引きして、エル・ランティを地球の下見に誘っている。
 
( この時は、エル・ランティの魂を一瞬で飛ばしている。)
 
地球を見て、エル・ランティは地球へ行くことを、移住を決めた。
 
そして、エル・ランティはイルプロラシオンの6000万体を連れてゆくのだが、これには理由があった。
 
彼にとって、ヴィーダー星に住む者にとって、緑(みどり、植物)というのは、1つの権力の象徴の様なもの。
 
だから、エル・ランティが自分の権威を大きく見せる為に、緑=みどり=イルプロラシオンの植物人間は、どうしても必要だった。
 
エル・ランティにとってだけ必要であって、イルプロラシオンの住人らにとっては全く無関係なのだが、エル・ランティは、
 
「 自分が必要なものは、他人にも、万人にも必要なもの。」
 
と、勝手に思いこむ、考える。そういう存在だったので、イルプロラシオンの住人等は当然の様に地球に向かわせられる事になった。
 
( このエル・ランティの物事の考え方、在り様は全く変わっていない。自分が全て。そして、この自分が全て、という部分を活かす為になら、他者に対してどんな事をしても構わないと素で思っている。それの何がいけないのか。お前は頭がおかしいのではないか、という様な存在の仕方だ。エル派閥に所属する連中は基本全てこの在り様です。)
 
 
イルプロラシオンの住人たちは( 植物人間達は)、ほぼ神の言いなりだった。エル・ランティの言う事は無条件で従う存在になってしまっている。その様に製造、調教、洗脳、教化されたという言い方でもある。
 
希望の星( 地球の事)への移住を告げられると、そのまま何の疑いも抱かずに宇宙船の製造に取りかかっている。
 
彼らの精神の中には、神に逆らうとい部分が存在しない。その様に造られたからだが、神のお告げの通りに生きていれば、何事もなく人生が過ごせるのだ、と信じ切ってしまっている。
 
 
彼らは、地球人類の常識とはかけ離れた、最大で直径が30キロメートルはある巨大な宇宙船に乗って地球を目指した。
 
ただしこれらは、地球の物質波動には近いが、少し上の周波数の魂魄体で出来ている。
 
出発が間近になった頃に、枯れる病の特効薬が出来て、宇宙船に乗り込んだ住人達は( 植物人間たちは)、これを飲んでいる。
 
約6000万体が宇宙船に乗って旅立ち、イルプロラシオンには約5万体が取り残された。多くは、枯れ木病に発病している患者と、その家族や恋人たち、そして、発病はしていないが、今更見知らぬ星などには行きたくないという老人たちが、惑星に残された。
 
宇宙船の中に乗り込んだ幾つかの集団も、枯れ木病にかかっていると分かると、容赦なく下ろされた。捨てられた。
 
取り残された5万体のうち、1万体が枯れる病にかかっており助からない。残り4万体は、これらを看取っている。
 
宇宙船に乗った者も、船内で後に枯れ病に発病している者が出た。( ワクチンを飲んでいても発病した。)これらは問答無用で、全て宇宙空間に捨てている。
 
エル・ランティ達は、イルプロラシオンの住人達が作った宇宙船に同乗して地球を目指した。
 
エローラ・ヴィーダでは、エル派閥12人( 革新派、急進派)、保守派12人だったが、エル・ランティ達は革新派の12名全てを連れて星を出た。
 
そして、宇宙船の中で睡眠と覚醒を繰り返しながら、小マゼランから地球まで200万年かけてやって来ている。( 20万光年の距離)
 
今から3億6572万年前に、彼らは地球に到着した。ほぼ1番乗りだった。それが、彼ら集団の自尊心の支えの一つになっている。
 
 
彼らは地球に着いたはいいが、イルプロラシオンの住人たちは、宇宙船の外に出たら、とてもその侭では生きてゆけなかった。地球の環境はそんなに甘いものでは毛頭無かった。
 
そこで、エル・ランティの提案で、取り敢えず地球の土に埋まる事にした。元々が植物系の存在だったので、それは可能だったが、当然、一歩も動けずに、生きた侭、地球の生物に食べられてしまう者、その侭立ち枯れて仕舞う者が続出して、結局全て死んでしまった。
 
神とやらに煽(あお)られて、故郷の星を捨て、200万年もかけて地球にやってきたのに、与えられた結末がこれだった。
 
だから、彼らは死んだ後に、地球霊界の中に入るときに、生まれて初めて、エル・ランティを憎む、恨むという気持ちが現れた。これが、彼らにとっては革新というか、一つの学びにはなった。

ーーー
 
地球に到達したエル・ランティ達は、今度はJUMU内部における、主導権を握る為に、自分達の勢力が最大勢力になるように、ひたすら魂の分裂コピーを繰り返します。
 
これらの、この時の行為が、人間という存在に相当の混乱を与え、どうしようもない魂を沢山生んでしまったという事の直接原因となりました。