隙間風のふりをして夜が入ってくる

隙間風のふりをして夜が入ってきて部屋で待っている
終わることができない文章が私たちの隙間を開くので
私たちは密着の中で眠りふわふわとした乖離の中に目覚めている
ひとりは二人になりたい二人はひとりになりたいと
そのまま浅瀬を私たちの軽さの中心が通りすぎてゆく
きみを探しあてた一歩一歩が一行一行の詩句になる
波が届くずっと先まで波音は届くずっと先まで生きてきた
全身が曇り空の下で泡になってこれが幸福かもしれない

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