眠りにつく半島

別れというよりもその亀裂から数週間を
地は傾き、言葉の終りから水際まで、きみも脱ぐ浜へ
帰り急いだ、急いではいけないのに

半島にかかる半月
ぼくらは死者との約束に傷つき、声もなく喉がかれる
足跡を追って、もうどこにもない足跡を記憶に焼きつけながら追って
なにもかもが正しく失われてゆく眠りへと
一枚の上着を脱いでいく

植物が規則的に祈る夕暮れ
きみの創造者が手を掲げればその手を愛し
人々の上空で敗北を握りしめて
あの名、始まりの行方をとおざけるきみの名を呼吸し
途中の愛に立っていた

耳に届くまえに打ち消すように過ぎる声が種子を播いている
種子から芽吹くものへと帰り急いだ
急いではいけないのに

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