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ゴジラ第1作を観た


ゴジラ第1作目を観た。新作「ゴジラ-1.0」が公開されたので、それを観る前に元祖ゴジラを観ておきたかったのだ。予告編の様子で、旧作にちょっと似ている感じがしたので、あとで比べる為に少し復習しておこうかな、と思ったのがその理由である。以前ケーブルTVで放送された時に筆者が録画していたものが幸いにして家族に消されていなかったので、久しぶりに視聴してみた。
(ざっくりとした感想は最後の方に書いています。観てない方は最後の章まで飛ばして下さい。)

すごくネタバレしている感想

特撮と演出の見事さ

 まずは、ゴジラが登場するまでのスリルと盛り上がり。まだ誰もゴジラのことを知らないわけだから、人々がわけがわからないけど怖い!と恐怖するところがリアル。ミニチュアによる特撮部分と実物による撮影部分の接続が見事なので、違和感なく観られる。70年前‼️と驚くクオリティー。いかに計算し尽くして撮影に臨んだか。アイデアも豊富で、活気あふれる現場と携わった人々の苦労が偲ばれる。特にゴジラの人は大変(-。-; よくぞご無事でと思う。確かその関係の著作があったと思うが筆者は読んでいない。これからさっそく読もうと思う。
 さて、特撮の見事さだけでなく、描写も見事。ゴジラに壊された家の下敷きになった家族を必死に探すシーン、子供を抱えて逃げ惑った母親が死を覚悟して「お父さんのところへ行こうね」と子供を抱きしめるシーン、決死で食い止めようとする警察や消防、軍隊(防衛隊)、病院で母の死体を前に泣き惑う子供たち、無力を感じながら救護にあたる医師や看護師。どのシーンをとっても全てが真剣でリアルな演出である。
 制作時に戦後10年ほどで(1954年公開)、生々しい表現は戦時中の経験からきているのだと思われる。きっと観客も当時をまざまざと思い出し、ゴジラによる破壊がもたらしている人々の苦しみをヒリヒリと我が事のように感じたのではないだろう。

世界平和というテーマ

 そして、何と言ってもストーリーがよい。一貫して流れる反戦の訴え。第二次大戦を経験し、また直近に第五福竜丸が水爆実験の被害を受け、製作者達はまたしても戦争が起きるのか?と危機感を感じ、人類を警告する生物としてゴジラを誕生させたのだと思う。
 ゴジラの被害を見て、耐えられなくなったヒロインが許嫁の芹沢博士に彼の発明をゴジラ殲滅のために使用して欲しいと懇願する。芹沢は戦争で顔に傷を負い碧眼となった人物だ。彼の、自分の発明が恐ろしい使われ方をするのは絶対に嫌だ、という発言には説得力がある。彼にはもう二度と人間同士が殺し合う世の中になってほしくない、という確固たる思いがあるのだ。今回爆弾として彼の発明を使ってしまえば今は人類は救われる。しかしその後、ゴジラをも殺すことが出来る強力な爆弾を世界中が欲しがり、対人間兵器として備えようとするのは必至だ。
 現在の社会情勢の原点とも言える問題提起が、すでにこの時代にされていたのである。制作者の平和へのゆるぎない信念とともに、水爆実験に走る列強国への警告としてのゴジラの存在を感じさせる。
 最後に名優志村喬が「あのゴジラが最後の一匹だとは思えない。もし水爆実験が続けて行われるとしたら……」と独白して映画は終わる。
疲れたような彼の言葉には、今さっきゴジラをやっつけたばかりの喜びは全く感じられない。むしろ不安が高まるばかりのエンディングである。

ところで

ゴジラの最後の断末魔のシーン、ターミネーター2で液体人間がウォーと苦しみつつ溶鉱炉で溶けるシーンによく似ていると思いませんか。私は今頃気づきました。絶対に真似してるよね。まあ、特撮映画を撮ってる人はゴジラを観ているとは思いますが。

ざっくり感想

必見!

 とにかく戦後間もなく作られたとは思えない、特撮のクオリティーと演出の見事さ。怪獣物への苦手意識がある人も、これは単なるパニック映画とは別物なので、是非観て欲しい。観てない人にはこれ以上は説明できないけど、制作者の熱い思いがこもった素晴らしい感動作。

そして新作は?

 初めて観たときも感動して、だからこそ消さないで!と家族に念押しして録画しておいた元祖ゴジラ。久しぶりに観たら面白く深い内容に更に感動してしまい、興奮して夢中で内容を書き散らしてしまった。ここまで読んだ方ご苦労様でした。旧作を観た人にとっては、何を今更言っているんだ、と思われるような内容で恥ずかしい限りです。
 そして問題の新作。果たして新作-1.0はこれを越えるものなのだろうか?正直はなはだ疑問だが、どれだけ頑張って撮っていてくれているのか、怖い物見たさに似た感情も沸いてきて楽しみではある。







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