こうして私の博愛主義は築かれた。

昔 未成年だと思われたくなくてとあるコミュニティに4歳サバよんで属していたんですよ。大体30歳前後のお姉様方しかそこにはいなかったから。高校生くらいの時かな? 幸い 老けているというか、妙に達観した私の振る舞いでボロが出ることはなかったんだけど。それでそのなかでも、特別私のことを可愛がってくれる人がいて、周りからも私たちが公認の仲良し?みたいな感じで認識され始めていた。最初のうちは、仲の良い大人が出来て私は少し嬉しかったのだけれど、エスカレートしていくうちに段々と私はそれが快く思えなくなって、というのも同じ頃、その人に自分はバイだから というようなことを私は打ち明けられていた。信頼しているから私にだけ話すねと。私のことはそういう目で見てないよともちゃんと言ってくれて、だけど私は誰かの特別になることをあんまりよく思わなかった。自分がどこかのコミュニティに属している限り、その中の輪を乱すというか、誰に対しても平等でありたかったから。そこには女性しかおらず、安心しきっていた私に彼女のこの打ち明けは結構衝撃だった。

ひとつ話が逸れるけれど、この世には異性愛者もレズもゲイもいないと思う、というのが持論だ。強いて言うならみんなバイセクシュアルで、異性愛者やLG(BT)を唱える人らはこれまで好きになった対象の性別がたまたま偏っていただけ。かくいう私も、男性にしか恋愛・性愛という興味のそれを持ったことはなかったけれど、ロジカルな私でも恋愛だけは理屈ではないということは分かりきっているので、好きになってしまえばきっと年齢も国籍も性別も関係はないと思う。

と 話は逸れたけど、だから彼女が女性を好きでも、さらにもっと言えば私のことを本気で好きだったとしても、そこには然したる嫌悪も懸念も全くなかった。だけれども、楽しくそのコミュニティに属しているなかで特定の個々同士が公に仲良くなりすぎる、というのは危険であることを私は十分理解していた。その予想通り、彼女が私の他の仲のいい女性に嫉妬をし始めたのだ。

何故私がこれを予想できたのか、それは過去にも同じようなことがあったから。よくある恋愛沙汰と括ってしまえば、それに留まってしまうんだけど。(のちに大学のサークルでも同じようなことが起こってしまったのはまた別なお話。ちなみにこれは避けようがなかった)

結局、私と彼女は決定的な一線を越えることはなかったけれど、卑怯なことに私はきっちりと防衛線を張っていたし、その線引を向こうも察してくれたのだと思う。

コミュニティの特に仲が良かった10人くらいの人とはリアルで遊んだりしていたけれど、仕事が忙しくなったと適当なことを見えるように呟いては、飛んできたラインに言い訳をして会わなくなっていった。その頃にはすっかり、彼女の嫉妬を恐れ始めて私に絡む人も少なくなっていた。

時が経つにつれ私はその軋轢に耐え切れず、そのコミュニティから自然消滅という形を選び取った。浮上回数を減らしては、頃合いを見て1500人ほどフォロワーがいたTwitterのアカウントも削除した。

最終的に、それとは別のベクトルで彼女とは進むべき方向が違うとわかり、話し合い、他人に戻れたのだと思う。今となってはなんで仲違ったのかももうよく覚えてないけれど。

ふと、久しぶりにコミュニティの起源に当たるものを見聞きしたので、そのことを思い出し筆をとった次第です。

今から10年弱くらい前のことなので、供養も込めて時効かなと思って書きました。ちなみに彼女はそのあと普通に男性と結婚されています。連絡手段を全て消し去ってしまったので最近の事情はわからないけれど。どうか、健やかに幸せで暮らしていることをささやかながら祈っております。

短い間でしたが、あの時はありがとうございました。

気ままにどうぞよろしくお願い致します。 本や思考に溶けますが。