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ダイレクト出版!お前もか?農薬デタラメ情報チェック

●ダイレクト出版!お前もか?

このグラフ、またバラまいてる。

「食がもたらす”病”」ダイレクト出版

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黒田先生らが注目したのが、農薬の使用率が高い国ほど

発達障害が多いという事実でした。

OECDの調査によれば、

単位面積あたりの農薬使用量は米国やオーストラリアを

おさえ、日本と韓国がトップなのです。

そして、日本と韓国の発達障害有病率も抜きんでて高い。

この因果関係は証明されてはいませんが、

見事に符合しているところを見れば、

やはりリスクは大きいと捉えるべきです。

私(著者:西川榮郎氏)は大学時代に化学を学び、

大学院では生物化学を研究していました。

就職した製薬会社や大学の研究室では・・・

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以上、引用おわり。


すべての農薬の重さと自閉症、発達障害が関係ある?
さらに、韓国、日本がトップクラス?

確かに、このグラフだけみれば、

そう見える。

OECD38か国だけ、2008年だけなら、

韓国、日本がトップなのでしょうか?

FAOのデータでは、

2010年、2016年、2019年、

もっと多くの国を

調べた結果があり、

日本の農薬使用量順位は以下のとおりです。

2010年は、1位トリニダード・トバゴ、日本は11位

2016年、1位:モルディブ、日本は16位

2019年は、1位:モルディブ、日本は26位、

日本や韓国より中国はいつも上位、

OECDの加盟国でもイスラエル、コロンビア、

はいつも日本より上位であり、

仮説に都合よいグラフだけの切り取りと言っていいでしょう。

しかも、この数字の単位は

単位面積あたりの農薬使用量(しかも成分重量)、

t/平方キロメートルとなっています。

要するに重さの比較。

重いほど、毒性が強いわけでも、

作物残留量が多いわけでもない。

仮にある種の農薬が病気に影響があったとしても、

日本だけでも商品名で4000種以上、成分で500種以上の

合計値での比較に意味があるのでしょうか?

国別に差があるのは以下の理由です。

農薬は基本的に作物(畑)にかけるもの。

りんごと小麦とでは、

植物の大きさ、年中外にあるかないか、

小麦は秋から春の半分は

冬あるいは雪の下にある、など虫の被害はほぼない。

アメリカの主要作物はトウモロコシ、小麦、大豆など、

りんごに比べたら植物体は小さいし、作期が短いなど、

農薬使わなくてもそこそこ収穫できる作物の面積が圧倒的に多い。

日本では、北海道なら小麦、じゃがいも、てんさい、

沖縄なら、さとうきび、パイナップル、など

作物違うため、使う農薬の種類も量も違うのに、

重さだけで比較しています。

だから、国別に単位面積あたりの農薬使用量では差が出る。

こういう数字で日本が1位でも100位でも、

どーでもいいのです。

もうひとつ、

園芸用スプレーの農薬などでは、

その使用量(使った分)の把握なんて誰もしてないだろうと

思うのです。しかも成分重量なんて。

せいぜいあるのは、メーカー出荷量くらいでしょう。

83ページには、2010年から2020年にかけて、

発達障害が増えたグラフを載せて、

ネオニコチノイド系農薬のせいだと印象づけている。

ネオニコチノイド系農薬の出荷は1993年からで、

2008年ころからは横ばい状態です。

農薬全体としては、

2010年、2016年、2019年と日本の順位は

下がり続けていることから、

発達障害の増加とは逆の傾向です。

ほんとにこの人、

「大学で化学を学」んできたの?

不安をあおって、本だけ売れたらいいんかい?



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