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【朗報】政府 洋楽プロモーターへの新たな支援方針固める 最大5000万円【業界ニュース】

フェス好きの皆さんも、音楽業関係者も朗報です!

政府 洋楽プロモータ―への新たな支援方針固める 最大5000万円
引用:TBS NEWS

この1年間、ライブ・コンサートはほぼストップしていました。

国内でのライブ、コンサートは補助金等支援を受けて、少しづつ活動してきました。
しかし、海外アーティストの招聘を専門にしている洋楽プロモーターは、苦境に立たされていました。
国内アーティストのライブ・コンサートが受けていた補助金を、海外アーティストの公演は受けることが出来なかったためです。

もし洋楽プロモータ-が危機に陥ってしまったら、音楽業界にとってのダメージは計り知れません。
ですから今回、国が支援に動いた、というのは本当に朗報なのです。

政府には、是非頑張ってもらって、みんなの待ち望む海外アーティストの来日公演を、そして海外アーティストも招聘するフェスの再生を手助けして頂きたいと思います!

では、ビジネス的な視点ではどうか考えていきたいと思います。

海外アーティスト招聘の経済効果

海外からのアーティストが来日すると大抵の場合、それなりに大きな規模の公演になります。
500人以下のライブハウスでもたくさん催しはありますが、やはり1,000人を超える大きなホールでの公演や、10,000人以上のアリーナを満席にするようなビッグネームが来ることが多いです。

そのような人気アーティストが来日する場合、多くのスタッフ(ツアークルー)を引き連れてくることになります。

そして、母国の熱狂的なファンが一緒に来日することも珍しくありません。
さらには、近隣諸国からコンサートを観るために来日する、といったこともあるでしょう。
その為にツアーが組まれる場合もあるかもしれません。

アーティストが来日すると当然、宿泊することになります。
そして、来日したついでに日本観光もするでしょう。
そこでは、勿論飲み食いもするでしょうし、お土産を買っていったりすると思います。

お迎えする日本人スタッフも折角来日したからには「日本を好きになって帰ってもらいたい!」と思っておもてなしします。「どうだ、これが日本だ!」ってワケですね(笑)

本当に、日本での滞在を喜んでもらいたい、日本でガッカリしてほしくない、日本を楽しんでもらいたい、そんな想いでコンサートに携わっているのです。

昔から、日本では海外アーティストが来日するときには、おもてなしの文化を味わってもらおうという精神が根付いていると思います。
観光大使のような役割を担っているのです。

業界の先輩たちの雄姿は、この本から学べます。


要するに、洋楽プロモーターのビジネスだけでなく、周辺のビジネスへも大きな影響がある、ということです。

今はダメージを受けている観光業、ホテル業、飲食業、さらにはお土産物屋や通訳のお仕事といったビジネスにも波及効果があるだけではありません。

最も大きな、見逃してはいけない効果として「日本を好きになってもらう」ってことです。
これが大事なんですね。

発信力のあるアーティストが、「日本は最高だよ!また来たいね!」と発言するだけで、どれほど多くの人が日本へのあこがれを持つでしょう。

好きなアーティストが日本を好きなら、やがては興味を持つと思いませんか?

そうすれば「いつかは行ってみたい」という人も増えると思います。

勿論、感染症対策は万全に行なう必要があります。
大声を出しての応援はしない、密集する環境は創り出さない、手洗いなどの消毒は徹底する、大勢での会食は控える、など多少窮屈な思いはするかもしれません。

しかし、それもこれもアーティストに安全に、安心してコンサートを行なってもらうためです。
世界中で共通の敵、コロナに打ち勝つためですから、ここは理解を得らえると思います。

それに、2020年も大規模な野外コンサートや、こまめに換気を行なっている劇場やライブハウスで公演を行なっても、クラスターが発生した、という事例は報告されていないんですね。
コンサート業界が必死に努力して、対策を行なってるってことです。

どうでしょう?皆さん、そんな素晴らしい役割を洋楽プロモーターの皆様は担っているのです。

旅行業界の方とも「目線は同じ」ってわけです。
そうなるとこれはまるで、洋楽プロモーターはクールジャパン戦略の一翼を担っているかのようです。
政府の戦略とも合致しますよね?

政府からの支援とは?J-LODlive補助金

ではなぜ政府は洋楽プロモーターへの支援を怠ってきたのか?
怠ってきた、というよりはちょっと視野が狭かったってことなのかもしれません。

政府は、国内アーティストへのコンサートの支援、そしてコンサート業界全体への支援は、次の補助金で支援をしてきました。

これを見ると対象事業は、「国内で今後公演を実施し、その収録映像を活用して制作した動画を海外に発信する事業」とありますが、「日本発のコンテンツ」に限るのです(詳しくは上記参照ください)。

この補助金は、元々は「日本発のコンテンツ」の「映像を制作・配信する事業」の事業費の50%を負担する「J-LOD」という補助金が元になっています。
J-LOD補助金を元に、「その範囲を、ライブ・コンサートに拡大して適用した」のが、J-LODliveということですね。
「国内アーティストも、日本発のコンテンツだよね」ってわけです。
実際、ライブ動画を公開することが補助金交付の条件になっているんです。

つまり、国内アーティストの活動支援が元々の目的ではなく「日本発のコンテンツを海外に配信すること」が目的としてあって、追加で「コンサート業界を救済のために適用範囲を拡大した」というわけですね。

「日本発のコンテンツ」で、「海外への配信が条件」なんだったら、アーティストのライブがそのコンテンツでもおかしくないよね?ということですね。
ここで「日本発のコンテンツ」としたことで、洋楽プロモーターが漏れてしまったわけです。

先ほど紹介したとおり、洋楽プロモーターというのは、これまでずっと日本の魅力を発信し続けていたんです。
影響力のアーティストに日本を楽しんでもらって、日本の魅力を発信してもらうってことを、ずっとやってきたんです。

音楽業界である意味、最もクールジャパン戦略に協力したのが洋楽プロモーターなんだ、と言っても言い過ぎではないかもしれません。

日本のアーティストに海外アーティストを紹介するだけでなく、海外のアーティストに日本の魅力を紹介し続けてきたわけですから、ここは何とか救済してほしいですよね。

SUMMER SONICフジロックが続けられなくなったら、そして海外の大物アーティストが来られなくなったら、悲しむ人はめちゃくちゃ多いはずです。
ポップスやロックに限った話ではありません。
クラシックや他のジャンルを強みとする招聘会社もいっぱいあります。

みんないつかは正常化すると、ギリギリのところで耐え忍んでいます。
でも、想いはファンと同じです。
良いエンタテインメントを観たい、観せたいんです。

SUMMER SONICやフジロックを絶やさない!

でも、洋楽プロモーターを救済するにはどうすればよいのか?ですよね。
一番いいのは、そのための予算をつけることです。
それが一番手っ取り早いと思います。

ですが、苦しんでいる業界は音楽業界だけではないし、なし崩し的にバラ巻きをすることになるのも、いかがなものか、まずはJ-LODlive補助金を元に考えてみたいと思います。

「日本発のコンテンツ」を「海外に配信する」、その目的は「日本の魅力を伝えるため」ではないでしょうか。

であれば、例えば「海外アーティストの招聘」については、主に日本国内を対象にライブ・コンサートを行なう目的のアーティストの来日を認めつつ「アーティストに日本の魅力を感じて、紹介・配信してもらう」というのを条件にするのはどうでしょう?
工夫の余地はありそうですが、「日本の魅力を伝えるため」という目的に適うやり方で、何とか洋楽プロモーターを救済する方法を、政府には模索してもらえると、「日本も粋なことするね!」となるのではないでしょうか?

オリンピックに向けたデモンストレーション

無観客で、海外からの渡航客は無し、という条件の元オリンピックを実施しようという動きになってきているようですが(2021年3月11日時点)、もしそれまでに海外アーティストのコンサートが出来れば、そのためのデモンストレーションにもなります。

感染対策を万全に行なうことで「選手も安心して来日できる」とか「世界に向けても日本は安全だとアピールできる」といった形です。

当然、海外アーティストには実際に安全に過ごして頂かなくてはなりません。
アーティスト自身が不安なら、来られなくても仕方ないでしょう。
しかし「オリンピックの開催地だからこそ安全のために万全の体制を取っている」、そして、「だから安心してきてほしい、そして(洋楽プロモーターには)呼んでほしい、そのための補償はする」という方向で何とか工夫する余地はないでしょうか。

これまでにも長年、日本文化の発信に貢献し続けてきた洋楽プロモーターが、本当に逼迫している状況は、何とか打開してほしい、切なる願いです。

音楽は平等 世界は一つ

きれいごとかもしれませんが、つくづく思うんです。
音楽で繋がる体験って何物にも代えがたいんですよね。
オーディエンスとして参加する大型フェスも勿論ですし、演者としてステージから大勢の観客を盛り上げる体験もそうですし、スタッフとしてその両方を目の当たりする体験もそうです。

客として参加したら、アーティストに感動すればスタッフにも「やってくれてありがとう」と感謝できる、出演者として登壇すればお客さんに「来てくれてありがとう」と思えるしスタッフにも「呼んでくれてありがとう」と思える、スタッフとして関わればお客さんには「盛り上げてくれてありがとう」アーティストには「素晴らしい演奏をありがとう」と思える。

本当に幸せな仕事なんだと感じることが出来るのも、コンサートの醍醐味ですよね。

どの場面に立ち会っても「音楽は平等で、世界は一つなんだな」と思えます。
同じ業界で働く人たちは、海外の人も考え方が似ていることが多いです。
同じところにやりがいや楽しさを感じているように思えるんです。

是非、政府にもこの仕事の魅力を感じてほしいですね(笑)
一緒に働けば、きっと楽しんでもらえると思います。

まとめ

今回前向きに政府が検討に入ったことを素直に喜びたいと思います!
是非、一緒に粋な日本をアピールしましょう!
政府の皆さん、引き続き朗報をお待ちしてます!

読んでくださった皆さん、スキやコメントをお待ちしてます!
共感してくださったら、もっと多くの音楽が楽しめる世界が早く来るように、記事を広めてもらえると嬉しいです!

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