ヒトラー演説(髙田博行、中公新書)

ヒトラーの演説はなぜドイツ国民をあそこまで熱狂させたか。

本書は大阪外大のドイツ語ゼミでナチズムのゼミで扱ったとこほヒトラーが語ったドイツ語に非常に興味をそそられたようであった、と。

演説で用いられている単語を解析したりとかなり実証的な側面もあり、興味深い。

ヒトラーは、大衆に訴えるために、心理学をかなり実践している。

ただ、ヒトラーは、ラジオと言うメディアを用いて「総統閣下の演説」を流すのだが、そこにあるのは、「飽きと無関心」に苦悩する意外な姿がある。

1940年代に入ると、独ソ戦、スターリングラードや大戦での敗色濃厚な、絶望的な状況で、彼の演説は急速に魅力を喪失していく。

先にも述べたが、大衆心理、群衆心理を研究し尽くした独裁者の演説の研究という観点で捉えると、面白い。

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