第五の権力 アメリカのシンクタンク(横江公美、文芸春秋)
著書は自称「シンクタンクジャンキーの重症患者」。
症状はシンクタンクが開催するシンポジウムやフォーラムの出席中毒。
2004年と若干古いが、本書全体から感じるシンクタンクへの恋煩い(←著書の表現)は実に伝わる。
私自身もシンクタンク待望論者だ。
かくいう私は、東京には有象無象のシンクタンクがあり、著書の2-3冊はあるような、有識者と呼ばれる人が居るのだろうと勝手に想像していた。
いや、実際、そういう方はおられるのだろう。
私の持つシンクタンク幻想も、やはり勝手な「恋煩い」や「片想い」かもしれない。しかし、そうした場所に、幻想を持てるだけでも、社会は健全なのだろう。
保守と革新が共存し、切磋琢磨しあうなかで、何かが生まれるというのはやはり米国の強さだ。
やはり本書のようなシンクタンク論を読むと、世界屈指の覇権国家たる米国の競争力の源泉を見る思いである。
日本に骨太なシンクタンクは存在し得るかというのは面白い命題である。
以下は蛇足。
話はズレるが、実は、先日、日本のとある論壇のサイトを除いたら、そこに論考はなく、YouTubeへのリンクが貼り付けられていた。
YouTubeの難しさは、情報が体系的でなく、玉石混淆である点だ。
趣味でやるのは勝手だが、やはりジャンクだ。
論者や学者を名乗るならば、メインにしない方が良い。
速報性はあるが、編集というプロセスを経ない分粗があるであろうし、何より言論人なら、書き物で勝負したほうが、社会に訴求出来るはずだ。
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