第2回 初のオリジナル商品製作 徹底的にこだわり抜いた生地選びについて
今回Enter the Eより待望のオリジナルブランド展開に伴い、オリジナルブランド商品が出来上がるまでの裏側を公開します!
全6回構成になっていますので、ぜひご覧ください!
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◆素材選定へのこだわり
今回初のオリジナル商品として、ブラウスとスカートのセットアップを作成しました。
アイテムに使う素材選定をする際、作る人と環境に配慮している素材は
①認証つきの素材にする ②絶対組成100%にすると決めていました。
そして、無地アイテムにはオーガニックコットン。プリントアイテムには木材を原料として作られた再生繊維のテンセル®️生地を使うことに決めました。
BLOG : オーガニックコットンは地球と人の健康を守る持続可能な素材
BLOG:森から生まれた繊維、テンセル
♦︎生地選びの際に大変だったこと
作る人と環境に配慮している素材の基準として、原料から廃棄の部分までサステイナブルであることが重要だと思います。
生産時に農家さんが健康被害にあっていない事や、原料や紡績をする際に化学薬品・化学染料等を使用していない、という点をクリアしていることは前提にしています。
その点をクリアする素材となると、全工程に対してトレースが可能な認証付きのオーガニック素材を選択するか、ヨーロッパのエコ認証を持っているレンチング社が開発している木材由来のテンセル素材を使用する選択肢が浮かび上がります。
しかし認証付きの素材は需要の少なさゆえ、日本では生地の種類が少なく、私たちの表現したいデザインが出せる生地を探す作業がとても大変でした。
廃棄の部分までサステイナブルであることも重要なので
万が一使用しなくなった後を考え、リサイクルがしやすいように組成100%にもこだわっていました。合成繊維やポリエステル等の化学繊維のほうが、安価で手に取りやすく需要がありますが、生分解がなく、万が一最終埋めたり燃やしたり海へ流れたりしたとき
汚染やCO2を引き起こす恐れがあります。そのためその危険のないものを選ぶために大変な苦労がありました。
♦︎高いデザイン性を兼ねた「認証付き」「組成100%」の生地になかなか出会えない
そもそも少ない選択肢の中で、さらに条件を設ける事で生地選びがもっと難しくなってしまう…そんな中で、自分が出したい、表現をしたいもの表現できる生地を探すのは大変でした。
そうであれば糸や生機(キバタ)からオリジナルを作れば理想通りのものが作れるのですが、
私達の小さな規模のセレクトショップが糸やキバタから作ってしまうと、事前に何十反、何トンという大きな規模の在庫を抱え、
生地を無駄にしてしまう可能性がありそれは避けました。
改めて日本の「認証付き」×「組成100%オーガニック素材」の需要の少なさに愕然とし、試作を重ねる中で想像していた素材の落ち感やイメージに
ならず辞めてしまおうと思ったこともある程、
出来上がりのイメージと生地の特性とマッチするものが少なく大変でした。
▼「認証付き」×「組成100%オーガニック素材」の生地を選んだ理由はこちらの動画からもチェック。
♦︎生地を選定した決め手
それぞれの生地についてお話しさせて頂くと、まずオーガニックコットン生地は、コットンの中でもローン生地というとてもキメの細かい生地を使用しています。コットンの粗野感が少なく、繊細なイメージで落ち感が出やすい柔らかい糸を使用した生地を選びました。
また、オーガニックコットンの”国際認証”であるGOTS認証のついたオーガニックコットン糸を選定しました。
BLOG:オーガニックテキスタイルの世界基準GOTS認証は予想以上の厳しさだった。
そして、プリントアイテムは染料・プリントに至るまで環境に配慮をしたかったため、水をあまり使用しない、水質汚染を引き起こさない
デジタル捺染機を使った デジタルプリンを採用しました。デジタル捺染機はプリント様式の中でも
サステイナブルといわれるものですが、こちらも主に合成繊維ばかりに対応していて、今回のような天然素材の再生繊維テンセルには通用するか、使えるのかテストの最後の最後までドキドキでした。
イメージしている落ち感やドレープが出会えても、
デジタル捺染機に対応できなかったら、また振り出しなので本当にドキドキしました。
幸運にも選んだ今回のテンセル素材とプリントデザインが色のカスレや色ブレが風合いとなるものだったので採用できました。
持続可能でありながら表現したいデザインを表現できる生地。
これが今回の生地選びに関する大きなポイントでした。
♦︎環境や人に負荷が少ない素材を選びたい-オーガニックコットンへのこだわり-
化石由来のポリエステル等ではなく、環境に負担が少ない天然素材を選ぶとすると、オーガニックではなくレギュラーのコットンという選択もあるのでは?と思うかもしれません。
しかし、レギュラーコットン素材は、弊社のセレクトにもしないくらい
環境にやさしいように見えて実はかなり環境負荷が多い素材。
例えば、農薬の散布量の約4分の1がレギュラーコットン素材のために使われていたり、Co2排出量、水の使用量もかなり多いのが実態で、大量に安く物を作る為に大地を枯らしたり大量の水を使用したりと様々な悪影響をもたらしています。
比較して、オーガニックコットンは、レギュラーコットンよりも水の使用量を9割程度削減でき、Co2排出量も半分以上減らす事ができるのです。
そして一番辛いのが、レギュラーコットンを作る人の健康被害です。
農薬が原因の生産者の健康被害は年間数百万件・死亡者は年間3万人にもおよぶと言われています。
オーガニックコットンにした最大の理由は生産者の健康被害がない健康で健全な素材を使いたい思いからでした。
♦︎環境や人に負荷が少ない素材を選びたい-テンセル®️へのこだわり-
プリント商品で使用したテンセル®️素材は実は世界中で最も持続可能な素材と言われています。
森から生まれた繊維とも言われる背景には、
人がきちんと管理している森林の木材を使っていることが挙げられます。
例えば間伐材を利用する場合、木を選出してから溶剤を使って繊維にしますが、その溶剤も環境に負荷を与えない溶剤を使っています。これはすごい事です。
それから、その溶剤を使って繊維にする際に使う水も再利用しています。
独自の濾過システムがあり、次に作る森・木材のために水でさえも循環していくエコな方法が採用されています。
また、CO2排出量が非常に少ないことも利点です。
レギュラーのコットンと比較して約9割削減できると言われています。
それ以外にも木から繊維にするまでの様々な工程で環境に負荷を与えない方法がとられています。
テンセル®️はオーストリアのレンチング社が開発した素材です。
コロナが落ち着いたころには本場オーストリアの製造現場に行く予定です。
♦︎廃棄される時のことも考えて決めた、組成100%へのこだわり
前述にも述べましたが、生産だけではなく、
後々の事も考えて組成100%にもこだわりました。
ポリエステルとコットンの混合素材のような、いわゆる化学繊維と天然繊維を混ぜた合成繊維と呼ばれるものは、非常に扱いやすく、私たちの生活を快適にしてくれます。
一方で、破棄した際にリサイクルがしにくいため、土に埋めたり焼却される事が多いのも事実です。焼却時に排出されるCO2は温室効果ガスのため、深刻な問題になっています。しかも化学繊維は生分解がないため土に埋めた場合、200年経っても分解されません。
服の行く末が処分となった際には、燃やしたり、埋めたりしたりしても極力環境負荷がかからないようにしたいという思いから、「生分解性素材の100%組成」にすることにしました。
♦︎生地選びに関してこちらの動画でも詳しく公開中
Enter the E公式Youtubeでもオリジナル商品や、今回の取り組みについて情報を公開しています。
よろしければこちらもご覧ください。
最後まで、お読みいただきありがとうございました!
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