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春の歌

つい先日まで寒い寒いと思っていたのに、気がついたら春の足音が近づいてきている。

桜は少しずつ芽ぶいて、鳥や虫の囀りが聞こえてきます。そしてかぐわしい花粉の舞う季節ですねどちくしょう。

ということで、色々…本当に色々とあった2020年度が終わり、新年度が始まりました。

世間的にはまだ2020年だと言い張っている業界もあるのかもしれないけど、とりあえず新年度です。

2021年というと、昔はずいぶん未来に感じた物です。

西暦198X年の核の炎も、2000年の宇宙の旅もセカンドインパクトも、2015年の空飛ぶスケボーも使徒襲来も、2019年のレプリカントの暴走も無かったけど、オリンピックは中止になりました。

あと8年後の2029年には公安9課が活動してるのかと思うとちょっとびびりますね。

さて、ギークな話はおいといて、今年度は自分が主宰している演劇ユニットFOX WORSや、自分にも変化がありました。

実はFOX WORKSは今年で、たぶんだいたい10年目くらいになります。

まだ浜松に来たばかりの頃、コメディを作りたいと思って立ち上げたユニットは、当時の自分の状況から考えて2年も持てば良い方だと考えていました。

紆余曲折があり、仲間が増え、本格的に自分のユニットとして稼働するようになり、ありがたいことになんとなく名前を知ってもらえている団体になりました。

10年前の自分と今の自分で大きく違うのは、多くの人に助けられていること。新しい仲間がいること。

彼らは決して天才でも、超人でもありません。そんで自分は輪をかけて凡人です。
なので彼らがいないとなんもできません。

今の正式メンバーの最初の一人が関わってくれたとき、僕は稽古場を使わせてもらうことができるようになりました。

時間の制約が厳しい社会人劇団にとって、拠点の存在はとても大きく、多くの場面で助けられ、育ててもらう場所になりました。

拠点を持ったとき、自分に課したことがあります。

「3年で演劇の仕事をもらえる存在になる」

1年目:
認知されることを目指し、周りから「余命宣告されている」と噂が出るほどの公演数を行いました笑。

うまくいくかどうかはわからないまでも、動かなければならない。実績が何もなかったから。

どうにか、浜松には妙な演劇集団(と主宰)が居るらしいというところまで認知してもらえました。

2年目:
ステータスを持つことを目指しました。どんな小さなことでも良いから、記録・評価を得ようとしました。演劇祭では話題にしてもらえ、履歴に残せる賞もいただけました。

3年目:
活動をマネタイズすることを目指しました。演劇にこだわらず、表現の現場に関わってジャンルを固定されない存在になりました。違う分野の人々と一緒に作品を作ったり、一人で東京に行ってみたりもしました。

そして今、演劇に関するお仕事を少しずつですが関わらせています。

これはとても光栄なことだし、3年間かっ飛ばしてきてよかったと思います。

もちろん、いろんな人に迷惑をかけたし、メンバーにもずいぶん無茶なことをさせてしまいました。ここまでついてきてくれていることを感謝します。

2020年。3年間の目標をつかんだ次のステージに移ろうというタイミングで世界は変わりました。それは世界中の人が同じ思いだと思います。

世の中が少しずつ前を向き始めて、エンタメが力を吹き返し始めた今、我々を育ててくれた稽古場は無くなります。



大きな物を得た代わりに、大きな物と別れる時がきました。

とはいえ、団体や稽古場に関わってくれた人たちとの関係が無くなるわけではありません。

これからは、受けた恩を返す番です。

面白い作品で、驚くようなイベントで、培った経験と知識で。

私達は、挑戦したい人々を応援します。そして一緒に前へ進みたいと思います。

僕はいつも「夢は叶わない」と言います。
夢や憧れは実態の無いものだから。
夢を目標に変えられたとき、叶えられる可能性は上がります。

無理な話?いやいや、3年かけてやって見せましたよ。とりあえずは…

次のだいたい10年(も続くのだろうか…?)、どうぞよろしくお願いします。

あ、まだまだ満足なんかしてないし目標一杯なのでー☺️

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