Saint John's Eveと茅の輪

Facebook 2020-07-27

キリスト教成立後は、冬至祭りの時期に行われることになったクリスマス。この日を境に日は長くなっていき、春に向かう。そのちょうど半年前に相当する夏至のお祭りが「洗礼者ヨハネの夜(前夜祭)」、Saint John's Eve。この時期に日本で行われるのが茅の輪くぐり。「世界最古の書物」と言われるタローカードにも茅の輪に相当するものが出てくる。伝統的にはそのカードには第3周の最後の日の数字「21」が当てられるが、例外的に「22」というものも存在する(一番右のスペイン版)。これはヘブライ語のアルファベット数でもある。

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その後のコメント(メモ):
人間(天使)が福音書家マタイ、鷲が福音書家マルコ、獅子が福音書家ヨハネ、雄牛が福音書家ルカに相当(新約聖書の4つの福音書)すると言われていて、この4つの象徴が中世の時代に作られたカリグラフィー化された手書きの聖書の扉に使われる。これら4つの象徴がそのままこの「THE WORLD」のカードの四隅に登場。タローカードの方が新約聖書よりも歴史が古いはずなので、聖書がこの象徴を盗ったのではないかと推察する。

日本でトランプと呼ばれているカードゲームは4つの象徴的な要素(スペード、ハート、ダイア、クラブ)とそれらが1から13まで並べられたものでできている。この数字の要素だけでできている部分がタローカードにもあって、それがスウォード(剣)、カップ(盃)、ペンタクル(星)、ワンド(木の棒)の4つ。こうしたトランプのようなカードが小アルカナと呼ばれるもの。それ以外の22枚のカードが大アルカナと呼ばれるもので、それがタローカードのエッセンスとなる。

トランプは1〜10はそれぞれの要素の数を表すカードになっていて、11, 12, 13の数性を持ったものが、Jack, Queen, Kingという絵札になっているように、タローの小アルカナも10まではそれぞれの数で描かれていて、11, 12, 13, 14に相当するものが、それぞれ、Page(小姓), Knight(騎士), Queen(女王), King(王)になっている。ちなみにトランプの1がエースといって特別なようにタローの小アルカナもエースが1。

大アルカナというのは、この最初の投稿にも書いたように、7の3倍の21枚が世界の歴史の三重構造(3回巡る世界)を表現していて、その1日1日を愚者(the Fool)が巡っていくというストーリーになっているため、愚者も含めて22枚なのである。多くのケースでは愚者に0という数字を当てるために最後のカードは21なのだが、愚者に1という数字を当てる場合は最後のカードの数字が22になる、ということだと想像。

愚者が賢者であるというのは解釈以前の事実であると認定できる。愚者は実際にその旅の途中で奥義を極めた賢者にもなる(出逢う)。それは魔術師と呼ばれるカード。男にも女にも、また老人にもなる。それが愚者の旅なのである。


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