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アサヤンVol.15 近田春夫の電撃的東京2

早くも2度目の登場!近田春夫!!

 「いやぁ、系譜って本当に面白いですね。」

 今回のアサヤンの見どころを映画評論家・水野春郎先生風に言うとこんな感じだろうか。放送作家をやってるせいなのか、それとも長く生きてきたからなのか?は分からないが系譜を知ることが個人的には大好きだ。それは歴史を知ることであり、今、起きている現象を点ではなく、流れとして捉えることが出来るからでもある。この手のことは佐野真一さんの本やNHKの「ファミリヒストリー」を一度でも見た方なら、ご納得いただけるだろう。もう一歩、踏み込めば、作品そのものにも系譜や影響というものが何かしら存在するものであるが、本題の前にこちらのサイトをまず、ご覧いただきたい。

 名作と呼ばれるものの中にもオマージュなのか、パクリなのかはさておき、「元ネタ」があったりする。創作活動には、先人たちからの影響を無意識か有意識かはさておき何かしら受けていると気付かされる。さて、これを踏まえた上で今回のアサヤンである。

 早くも2度目の登場となる近田春夫さんとマキタスポーツ、さらにはKinkiKindsのバックサポートを務めるゴメスさんを迎えてのアサヤン流の関ジャムショーである。ちなみに前回の近田さんを迎えた回はこんな感じでやっております。

 肝心のテーマは「ジャニーズ」だ。物心がつき、最初に出会ったのは「たのきんトリオ」である。(注:田原俊彦、近藤真彦、野村義男)そこからシブがき隊、少年隊、光GENJI、男闘呼組、忍者、SMAP、TOKIO、、、と連綿と続くわけだが、もはや多くの人にとって物心ついた頃から存在する事務所ではないだろうか。

 しかし、あなたはどれだけ「ジャニーズ」のことを知っているであろうか?近くにあり過ぎて考えてもこなかった方が多いのではないか?ジャニーズってそもそも何なのか?ジャニーズらしさって何か?SMAPはジャニーズにおいて何を変えたのか?今回のアサヤンの企画のきっかけは近田さんの著作にある。24年間、週刊文春で続いた「考えるヒット」の中から、ジャニーズに特化した一冊がある。これを読むと、ジャニーズらしさ、ジャニーズの伝統、その音楽性が近田さんの目線で語られている。

ジャニーズのベースは「ミュージカル俳優」

 NHKの「ファミリーヒストリー」において自分の親のルーツを知るのが興味深いのと同様、ジャニーズもまた、いるのが当たり前すぎてその存在を深く考えてこない方は多いのではないのか?私の浅薄な知識を披露しようかと思ったがここは、Wikipediaより引用しよう、元々は「ジャニーズ」とは、ジャニー喜多川さんが率いた野球チームが発端である。

 創設者のジャニー喜多川は、その前半生を第二次世界大戦中の一時期を除いてアメリカ合衆国のカリフォルニア州ロサンゼルスで過ごし、その間アメリカ西海岸のエンターテインメントの世界に触れる。(中略)1952年、喜多川は来日してアメリカ大使館で通訳として勤務する傍ら、宿舎の近所の少年たちを結集させてチームを作り野球を教授していた。この野球少年たちの一人であったあおい輝彦(青井輝彦)が「ジャニーさんが監督なんだから、チームの名前もジャニーズでいいんじゃない?」と言ったことがきっかけでこの野球チームを『ジャニーズ』と命名した[3]
 ある日、雨天により野球の練習を休み、映画館で『ウェストサイドストーリー』を鑑賞する。これに一同感動し、以降野球のトレーニングそっちのけでダンスのレッスンを始めた。この時の野球少年から選抜されたのが、事務所最初のタレントグループである(初代)ジャニーズであった。喜多川は単なるタレント育成ではなく、ミュージカル俳優のような歌唱を行いダンスもできるマルチタレントの育成を目指した。
引用元:Wikipedia「ジャニーズ事務所」より

 これを読むだけでいろいろと流れが見えてくる。中居くん、KAT-TUNの亀梨くんが何故に野球に絡むのか。(元NEWSの手越くんのサッカーがいかに異例であったかとも言える。)ジャニー喜多川さんがミュージカルの影響を色濃く受け、「滝沢演舞城」に並々ならぬ力を入れていたことも皆さん、ご存知であろう。その後継者がまた、タッキーであることも理解出来てくる。

2006年3月に新橋演舞場で初演された、滝沢秀明主演の時代劇LIVEミュージカル[1]。ジャニー喜多川の「僕は城を作りたいんだ。滝沢の城を」の一言から企画され[2]、“和に特化した舞台”を目指して制作が開始された[3]。(中略)新橋演舞場でジャニーズ事務所のタレントが公演を行うのは初めてのこと[4]。23歳で座長を務めるのも男性としては同劇場史上最年少。
引用元:Wikipedia「滝沢演舞城」より

 さあ、今回のアサヤンだ。OPは近田春夫&ハルヲフォン「恋のT.P.O」から幕を開ける。2度目の登場となる近田春夫さん、さらには博士が長らくその才能を買い、売れる前までは「才能が交通渋滞している。」「僕がブログをやり始めたのはマキタを売るため」と言って憚らないほど、その才能に深く心酔してきたマキタスポーツがゲストとあり、小気味よいやりとりは、配信ライブをご確認ください。ちなみに無法松はこのライブのために配信当日の朝、5時までシミュレーションを繰り返したとか、しないとか。

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 博士「竹内涼真が家に来るんでしょ?」マキタ「・・・」

 前半の目玉はマキタスポーツの「オトネタ」。完成度のあまりの高さと、今のテレビでは許されにくいネタであるがゆえに爆笑を誘う。そのラインナップを紹介すると・・・

・童謡をオシャレなコードでやると星野源になる。
・桑田佳祐さん&長渕剛さんを融合させた「いとしのエリーに乾杯」
・行間に思いこめる大川栄策のさざんかの宿1曲は、
 情報量の多いミスチルの「Tommorow never  knows」に組み込んでみた。
・校歌を今時なアレンジにしてみたら。

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 長かった苦役列車の旅を終えた今

「ほら、美味しいのここやろー」

 どれもが珠玉のネタばかりだが、全てのネタには茶化しや風刺が滲む。まるで商業音楽に潜む化学調味料だけをすくい取る見事なまでの音楽芸であった。「ほら、美味しいのここやろー」とでも言いたげなネタが笑いを誘う。それはまた、マキタスポーツの音楽の分析力と再構築能力をまざまざと見せつけられた瞬間でもあった。

 校歌ネタを受けて、歌詞の一部の「お父さん、お母さん、ありがとう!」という一昔前なら照れくさくて言えなかったセリフが今や堂々とまかり通ることに対する近田さんの見解には思わず、唸る。正確な文言ではないが「俺とかの時代だと、やっぱさあ、臆面もなくそんなこと言えないよ。けどさ、俺とかがGSとかロックをやりだした時に、前の大人も否定的に見てたと思うのよ。そう考えたらさ、そういう時代なんだ。って思うだけだよ。ある時代に正しいこともさ、時代が変わると、変わるよね。」

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忖度なしの近田節は、今宵も健在!

 このセリフを聞いて私も一つ思い出していた。1997年、筑紫哲也さんがキャスターを務める「NEWS23」におけるコーナーで高校生が「なぜ、人は殺しちゃいけないんですか?」という問いに対し、大人が誰も答えられなかった出来事が起きた。当時、師匠であるテリー伊藤さんはこう答えていた。「これはよお、『そういう時代なんだ』が正解だよ。考えてみろよ。武士の時代でも戦争の時代でも、人を殺しても咎められない人もいるよなー。」と確か、そんなニュアンスの言葉だった。話が横道に逸れたが、近田さんの随所に滲む「世の中を俯瞰で見る、時代で見る」トークはぜひ、触れてもらいたい。

ゴメスさんによる「硝子の少年」

 後半戦にはKinkiKindsのバックも務めたゴメスさんが参戦。義太夫語りに続く2度目の登場だ。(前回の様子はこちらから)

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「仮面舞踏会はまだ、生まれてませんでした。」ゴメスさんによる「硝子の少年」

 ジョニー小野セレクションによる近田さんに語って欲しい「ジャニーズ名曲」を元にトークのはずが、時折、溢れるチャゲアス好きが溢れる。

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いちいち毒をまぶす男・社長芸人「ジョニー小野」

 この辺りはトークはどれもが聞き入るものばかりだ!その一部を紹介すると・・・
〇SMAPが6人から5人になった(森且行君が脱退)ことでの効果とは?
〇マキタスポーツ解説「少年隊」のジャニーズにおける位置づけとは?
〇おりも政夫からの中居くんという司会の系譜
〇顔のタイプはフォーリーブスで分類される話。
 ちなみに、木村拓哉さん、草彅剛さんの系譜が近田さんより解説される。
〇何故、ジャニーズの衣装は安っぽいのか?

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「光GENJIの衣装は安っぽいのは何でですか?」近田さんに絶妙なパスを出す高須D

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「調子悪くて当たり前」で全てを乗り越えようとするも「噛まないかな」を心配する無法松

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無法松「森君が抜けて『青いイナヅマ』を出しましたけど、ウチ(TAP)も森さんが抜けて『青木飯塚』(つまみ枝豆さんとダンカンさんの本名)になりましたからね。」エルカブキ・エル上田「誰が分かんだよ!」

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「誰が分かんだよ」のエル上田に「それ、正しい!!」

近田春夫作曲の元ネタは?

 さらにCMソングの作曲を多数手がけてきた近田さんによる裏話が炸裂。サッポロビールの「黒ラベル」で箱根駅伝でも流された豊川悦司さんと山崎努さんのCM曲作りに言及。その「元ネタ」とは・・・!

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「爽健美茶」、コレはパクリじゃないから!

 「(CMの)ギャラは良かったよー。(飲んでいた缶チューハイを持って)ここにアルコール度数書いてるみたいにさ、広告費も書けばいいんだよー」と凄まじい近田節が今日も連発していたーーー。さあ、今スグ近田節を浴びよう!配信チケットはこちらから。

 さらに次回は・・・週刊文春ナイト!

 さて、今回の蛇足だが、私はマキタスポーツさんと初対面だとてっきり思っていた。しかしだ、どこかで会ったかもしれない?と記憶を手繰り寄せると、中京テレビが制作で、我がロコモーションも制作協力していた「ヤミツキ」という番組を思い出し、すかさず、検索をした。すると・・・博士の日記にぶち当たった。
http://blog.livedoor.jp/s_hakase/archives/176760.html?ref=head_btn_next&id=6408

 中京テレビ製作、郷ひろみ、テリー伊藤司会の新番組。
 ロコモーション製作協力の新番組『ヤミツキ』
 「第1回K-1グランプリ」収録。
 只、髪の毛の薄い連中を集めて、
 残り少ない髪をむしりあうだけの企画。
 テリーさんも言う通り、
 「郷さんが居なければ、単なる地方局の番組です」と。
 リットン調査団・水野、江頭2:50、
 この中に我々がお願いしてマキタスポーツの出演は
 大抜擢ではないか。
 最後は江頭が優勝。 
引用元:水道橋博士の「博士の悪童日記」1999年09月18日より

 恐らく私の記憶では「毛ー1グランプリ」だったと思うが、若ハゲで苦しむ芸人たちが、涙ながらに自身の毛を抜いていくという精神的ガマン比べのような企画だった。最後にはエガちゃんが「こんなことをやって誰がトクしゅるんですかーー!」と泣きながら企画を終えたことを覚えている。というか、その記憶ももはや怪しいが。。。もう、20年以上も前の話だ。時は流れるよ。(もちろん、高須Dも絡んでいるのは言うまでもない。)

いつも素敵な写真をありがとうございます。
 写真提供:中山友美 利根川亘
      Instagram:tomomi.photography
      Facebook :tomomi.photo

私も、「料理の世界にルーツはある!」世界の地元飯ではネイティブアメリカンのCydonieさんから貴重な話が聴けます!

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執筆者:島津秀泰(放送作家)
     Twitter:@shimazujaoriya
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追記:水道橋博士の日記です。


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