アサヤン VOL.23 「男(イケメン)はつらいよ」〜北見寛明一代記〜ドキッ!!イケメンだらけのアサヤン大会
漫才師における「お前、誰やねん」
「人によって言葉の重さとは変わる。」
そんなことに気付いたのは、大学を卒業した後ぐらいか。考えてみれば、私が若い人に「何事も継続は大事だよ。」と言うのと、イチローさんが「何事も継続は大事だよ。」と同じセリフを同じように言ったとしても、響き方が同じわけではない。
実はこの構造は、漫才師においても同じだ。と知るのはもうちょいあとのだ。確か、島田紳助さんの著書だっただろうか。それは紳竜の漫才の中で紳助さんが「いやな、先日、道を歩いておったら濡れた一万円札がピタ―っと張り付いててねん。」と言っても若手の俺らが言っても信じてもらえない。これがやすきよだったら、客はスッと入っていけんねん。説得力が違う、俺らは客に信じてもらえるようにしないといけない。「あんな、ホンマやって。この間!濡れた一万円札がピタっと張り付いてねんって!!」バラエティーにしろ、漫才にしろ、「お前誰やねん?」とどうしても若手は思われる。接触回数、接触時間を通じて、認知度を上げていく。認知度を上げていくことで、些細な日常話もバックボーンも分かり、笑えるようになる。今回のアサヤンのライブを観て、そんなことが頭を過っていたーーー。
「童貞ラップ」に続き「イケメンラップ」のかいまと佐野
OP映像は、長谷川かいまとドルフィンソング佐野による「イケメンラップ」からスタート。博士が売り出し中のコーエン姉妹も出演。心なしか、彼らのラップの腕が上がっている。前説のネタよりも稽古を重ねているのだろう。笑いも頑張って欲しい。
北見寛明・モテまくりの人生と闇
モッキンバード佐藤・元ジュノンボーイなのに漫才師
さて、今回のアサヤンだがTAPの期待のイケメン芸人、北見寛明とモッキンバード佐藤をメインゲストに迎えての「男(イケメン)はつらいよ」である。モッキンバード佐藤は、前回の園子温監督にオーディションに参加。
元ジュノンボーイでありながら、吉本興業を経て、今TAPへと渡り歩いてきた。かたや北見も「ゲロッパ!漫才道場」で登場している。
今回のライブで博士は言う。
「このならず者(北見)を事務所入れちゃダメですよ!!」と散々、罵りながら、その人柄、バックボーンを知るにつれ、気づいたらアサヤンライブのメインへと大抜擢である。(その背景にはYouTube「街録」チャンネルの影響もあるようだ。)
「博士は(イケメン度合い)32点です。」byかいま
「高須SANは35点です。」byかいま
さらに博士は言う。
「TAPの採用基準は前科ありを優先していますから。枝豆社長が前科犯ですから。北見は前科2犯でいきなり並びましたから。」とのっけから飛ばすが、私はあるフレーズにピンと来た。それは先日、三又又三のライブ「雷雨決行」における博士のエピソードでの話だ。六本木での仕事終わりの後に、「三又、美味しいラーメン屋はないか?」と博士に聞かれ、「ありますよ。」と三又は案内をしたそうだ。その時に「言っておくけどね、俺はあまり知られてないけど俺は芸能界でも相当、ラーメンにはうるさいからね。」とそのラーメン通ぶりをとくとくと語ったそうだ。そしておすすめのラーメンを食べた後、普通ならば「ラーメン美味いね、三又、いい店知ってんじゃん。」そんなやりとりを三又さんは期待したそうだ。がしかし、当の博士は、
「いきなりのベスト3ですよー。」
と言い放ったそうだ。「そんなこと、知らねーよ。」と三又さんは思ったそうで、このエピソードをダウンタウンの松本さんの耳に入れた所、爆笑だったらしい。今後も博士の語る「いきなり~」はキラーフレーズになるかもしれない。
さて、そんな二人がいきなり、並んでみるとーーー。
博士「新潟が生んだ馬場正平以来のジャイアントです。」
高須SAN、「世界のびっくり人間大賞だよー。」と。同じ地上の星の生き物とは思えないほどのデカさに目を見張る。そんな北見の一代記を振り返っていく。いや、モテエピソードが紹介されていく。いや、モテエピソードを聞かされていく。なんだろうか、このモテる男のモテるエピソードは。不細工な男のモテたい努力は、笑える。がしかし、モテる男の「気づいたらモテててましたエピソード」「気づいたら人気の美容院に入ってました。」「気づいたら吉本興業に入ってました。」というカタルシスの無さは。こ、これが、、、アサヤンのやることか!!!!思い出しても見て欲しい、チャンス大城、コラアゲンはいごうまんと下流芸人の逆襲を!!松村邦洋VSよしねつえおを!!
だが、全ては長い前フリであった。。。吉本興業時代、後のEXITのりんたろーとのコンビ「ベイビーギャング」において、ブレイク寸前からのつまづきエピソードは、それまでの輝きが強いがゆえに、強い闇を感じさせた。
〇2度の無免許運転
〇吉本興業解雇
〇5階ビルから投身自殺未遂
〇獄中のいじめ生活、髪のフケ入りのご飯。体重59キロに。
〇父との死別
モッキンバード佐藤の寄り添う話も染み入るところだ。そしてもらい泣きする博士。。。活字にしてしまえば、5行程度のことだがそこには人としての未熟さや挫折や苦しみが凝縮されていた。それは本編で博士が「ずっと獄中生活で本を読みたかった。」と冗談めかしで語りながらも、「行かなくて良かった」と言うほど、生半可ではない壮絶な体験談が語られた。。。ぜひ、配信で確認してもらいたい。
さあ、そしてやはり、芸人たるもの板の上の芸が全てだ!!それぞれの相方も参戦しての漫才を披露する。北見、モッキンバード佐藤のバックボーンや性格を知った上で見る漫才は染み入り方が違う。笑いも生まれるものだ。さすがは吉本興業出身者だけのことはある、実力を兼ね備えたコンビであった。
「M-1、まだ残ってます!」モッキンバード(佐藤、武田)
「3歳の娘と結婚して!」KITAJIMA(名嶋、北見)
もう一つ、付け加えるならば、トークの合間に入るよしえつねおのネタが入るとやはり、ホッとするな。博士の「ここいるか!」のマッチポンプぶりがたまらない。
「49歳でもオナニーですよー」よしえつえお
次回,水道橋博士の新刊出版記念!江口寿史先生も登壇します!
江口先生を生で観れる機会はそうそうない。これは貴重な回になりそうです。
いつも素敵な写真をありがとうございます。
写真提供:中山友美 利根川亘
Instagram:tomomi.photography
Facebook :tomomi.photo
誰でも最初は「お前、誰やねん」ってなわけで私もYouTubeやってます。前身番組からの1周年記念SPです。
執筆者:島津秀泰(放送作家)
Twitter:@shimazujaoriya
Instagram:hideyasushimazu
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