【キンコン西野】「情報量の多いラジオ」は危険

このnoteは2021年2月24日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:西野さんにヌードをみてもらいたいひろみー さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。


本題に入る前にお知らせをさせてください。


『映画 えんとつ町のプペル』の制作を担当してくださったアニメーションスタジオ「studio4℃」さんから、『映画 えんとつ町のプペル』のアートブックが出ています。

映画のラフスケッチから、キャラクターや美術の設定資料までまるっと載っているのですが、贔屓目抜きに、かなり見応えのある内容になっておりまして、そういった裏側(メイキング)が好きな人や、あとは、絵に興味がある人にはシンプルにオススメです。

たぶん、『映画 えんとつ町のプペル』を観てハマった友達へのプレゼントにメチャクチャ喜ばれるやつだと思います。

僕は、次も「えんとつ町」関連の仕事にあたっているので、このアートブックを参考にさせてもらっていて、ほぼほぼ毎日見ています。

今見ると、Amazonで普通に販売されているので、お求めの方は『えんとつ町のプペル アートブック』で検索してみてください。
とにかく、超絶オススメの一冊です。


※コチラ↓

そして、もう一点。

僕は、YouTubeで『スナック西野』という月額590円の有料チャンネルをやっているのですが、一昨日、二度目の登場となる蜷川実花さんが来てくださいました。

もう実花さんが来られる前から呑んでいて、そこそこヘベレケの状態で、最初から、かなり踏み込んだ話になっておりますので、興味がある方は是非、覗いてみてください。

今後の『スナック西野』のゲストは、♯FR2の石川涼さん、蜷川実花さん、オリラジ藤森君…という内容です。

お楽しみに。

そんなこんなで本題です。

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今日は「情報量が多いラジオってどうなんだろう?」というテーマでお話ししたいと思います。

まず、このことはキチンとお伝えしておきたいのですが、基本的に僕はどこからか聞いた話ではなくて、僕の体験談を話すようにしているで、ここでも僕が言うラジオというのは「Voicy」のことになります。
くれぐれも。。

僕は個人でラジオを始めて、かれこれ2年ぐらい経つのですが、毎回、「ラジオってすごいなぁ」と思うのは、「再生回数が安定している」と言うことです。

1週間前までの1週間の再生回数を見ると
「3.6万再生」
「3.9万再生」
「3.4万再生」
「3.3万再生」
「3.1万再生」
「3.8万再生」
「3.5万再生」
です。

 
すごくないですか?

タイトルや、話している内容が毎回違うのに、毎回、3.5万人ぐらいの方が聴いてくださっているんです。
逆に言うと、「バズらないメディア」とも言えますね。

でも、この「バズらない」というのが、すっごく健康的だと思っていて、もしバズるメディアだったら、たとえば昨日の放送のタイトルは「『聞く力』はどこから生まれるのか?」ではなくて、「究極の人たらし『手越祐也』から学んだ大切なこと」にしていたと思うんです。

YouTubeだったら、間違いなく、そっちにしますよね。
「こうした方がたくさん見られる」という発想になる。

それって、行き着く先はアルゴリズムの奴隷で、アルゴリズムに発信内容を握られてしまうと、発信内容が似通ってくるんですね。

皆が同じような内容を発信していたら、その時代その時代の代弁者になれる人にバトンが受け継がれていくので、長期的にみたら短命なんです。
「とって変わられる」ということです。

一方ラジオはバズらないかわりに、「習慣になりやすい」という性質を持っているので、変な話、僕が今日、突然、「ストローの魅力」について10分間喋っても、やっぱり3.5万人は聴いてくれる。

それって、すごいことですよね。

世間のニーズうんぬんかんぬんじゃなくて、その時、自分が本当に興味を持っていることを発信することができる。


発信者はそれぞれ求めていることが違いますから、「何が正解」というのはないのですが、僕は、たとえば『映画 えんとつ町のプペル』のような大勝負の時以外は「バズりたい」という欲が1ミリもなくて、そんなことよりも、自分が興味のあることだけを発信し続けていきたいんですね。

「オンリーワン」と言えば聞こえはいいですが、シンプルに「頑固」なだけだと思います。
世間のニーズに合わせるつもりが一切ない。

だから、「バズらないメディア」が居心地が良いのだと思います。

そんなラジオについて、最近は少し思うことがありす。
「世間のニーズには一切興味がない」とか言いつつ、それはちょっと嘘で、やっぱり、このラジオを聴いてくださっているお客さんのことは少し気にしています。

「どんな方が、そんなシチュエーションで聴いてくださっているのかなぁ?」と。

おそらく僕のラジオの場合だと、子供のお弁当を作ったり、スーツのネクタイをしめたり、そういった朝の支度をしている時や、通勤・通学の時に聴いてくださっている方が多いのかなぁと思います。

いわゆる「ながら聴き」というやつですね。

これもまたYouTubeと違って、どこまでいっても「お客さんの可処分時間の取り合い」ではあるのですが、ラジオの場合は「メインイベント」にはなっていない。

メインイベントは、あくまで「子供のお弁当を作る」で、そのイベントのBGMとしてラジオがある。

ラジオの居場所はそこだと思います。

そう考えた時に、情報が詰め込まれすぎているラジオって、戦略としては正しくないなぁと思ったりしています。

「一音も聴き逃すまい」という内容をお届けしてしまうと、「ながら聴き」ができなくなり、ラジオがメインイベントになってしまって、むしろ競合が増えちゃうんです。

YouTubeも競合に入ってきてしまう。

大切なのは、お客さんが他のことを考えて、一瞬聴いていない時間があっても、また普通に話に戻ってこれるような内容にすることで、行間を詰めすぎると、それができない。

ここは本当に気をつけなきゃいけないところだなぁと思います。

ついついサービス精神で、「あれもこれも」と詰め込んでしまいがちですが、それをラジオでやっちゃうと、聴く人の負担が大きくなってしまう。

そんなことを話している今も、「ちょっと詰め込みすぎてるなぁ」と思ったりしています。
でも、これって、あんまり良くないことだと思います。
「腹6分目」ぐらいで抑えておくことが大事ですね。

一方で、毎日投稿しているオンラインサロンの記事はフルスロットルです。

あちらは「サロン記事を読むぞ」ということで集まってくださっているので、「メインイベント」としてあっていい。

昨日仕入れた知識を、ギュギュッと固めて、大きく振りかぶって、今日、ブチ込む。

こういった感じで、各メディアによって、意識的に情報量を変えていかないと、「前菜でラーメンを出す」みたいな事故が起きちゃうので、お客さんが可哀想です。

今日は自戒を込めて喋っているのですが、「サービスの意味」と、そのメディアに求められていることを、はき違っちゃダメだよなぁと思います。


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