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そこにいたら、いつまでたっても強くなれない【キンコン西野】

このnoteは2024年2月19日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。


 
 

企画立ち上げ、制作、資金繰り、プロモーション…すべて自分達でやっている

 
2025年8月9日~30日までミュージカル『えんとつ町のプペル』の日本公演があるのですが、そこに向けて、演出家と技術スタッフとプロデューサーが集まったクリエイティブ合宿が先週おこなわれました。
 
この合宿の様子は、演出の吉原光夫さんが自身のVoicyで生々しくお話してくださっているので、是非、聴いてみてください。
 
僕らのチームが作品を作る時は、どれぐらいのスピード感で、そして、どれぐらいの物量を投下しているのかがよく分かる内容で、かつ、西野亮廣がいかに面倒くさいヤツなのかが、よく分かる内容となっておりまして、メチャクチャ笑いました。
 
是非↓
 
※吉原光夫さんの放送はコチラ→

 
 
さて。
 
先日の放送でもお話しましたが、そのクリエイティブ合宿には、プロデューサーも参加しておりまして、演出家と技術スタッフがアレやコレやとアイデアを出しあっている裏で、予算のことや、スケジュールのことを一つずつ一つずつ話し合いました。
 
もちろん、「どうやってチケットやグッズ売っていこうか?」という話も。
 
これは何もミュージカルに限った話だけじゃなくて、今年6月にフランスで開催される『アヌシー国際アニメーション映画祭』に出品予定の僕らの最新作『ボトルジョージ』(コマ撮り短編映画)もそう。
 
海外の映画祭をリサーチして、どの順にエントリーして、どこで盛り上がりを作るか?を、ひたすら話し合っています。
 
10分チョイのコマ撮りアニメーションだから、基本的には「映画館で上映して、チケットを売って、制作費を回収」という手はとれないので、「ならば、どうやって予算を作ろうか?」というミーティングを何ヵ月も繰り返して、1〜2年かけて予算を作ります。
 
もちろん、これまでおこなった武道館でのライブも、幕張メッセでのライブも、現在制作中の長編アニメーション『えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』もそう。
 
企画立ち上げ、制作、資金繰り、プロモーション…すべて自分達でやっています。
 
ブロードウェイに行ったら今度は「ブロードウェイの投資家からお金を集める」という更に難易度の高いルールが追加されはしますが、だけど、やっていることは日本と同じで、企画立ち上げ、制作、資金繰り、プロモーション…すべて自分達でやっています。
 
ブロードウェイで、どうやって自分達をアピールしていくか?なんて、本当に誰も教えてくれないし、調べても出てこないので、「ブロードウェイで働いている」という人が見つかれば、藁にもすがる思いで会いに行って、お話を伺って、とにかく情報収集です。
 
想像してみてください。
 
「東京でテレビタレントとして売れたい」と思った時に、SNSで見つけた「東京でテレビの仕事をしている」という人に会いに行こうと思います?
 
「東京でテレビの仕事をしている」と言っても、番組にお弁当を提供しているお弁当屋さんかもしれないし、テレビ局の清掃をしている清掃業者の方かもしれない。
 
その人は自分を売ってくれる人じゃないじゃないですか?
 
「ブロードウェイで働いている人」というのも、まったくそれなんですけれど、そこから始めないと何も始まらないので、飛行機のチケットを握りしめて、会いに行くんです。
 
そして、そこから知り合いの方を紹介してもらって、そんなことを何十回も繰り返して、数珠繋ぎで、ようやく「出会い」と呼べるものに出会える。
 
僕らのチームは全部自分達でやっているし、去年の秋にいたっては、アメリカで一人でジタバタしました。
 
そこで僕がやらなきゃ、すべてが終わってしまう…という状況だったので。
 
 

強くなるには「追い込まれる」ことが必要

 
そんな中、先日、仲良くしている後輩から「事務所が売ってくれない(頑張ってくれない)」という相談をされまして、自分達とのギャップに愕然としたんです。
 
繰り返しますが、僕らがミュージカル『えんとつ町のプペル』を作っても、コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』を作っても、「売ってくれる人」なんて僕ら以外に誰もいないんです。
 
武道館でライブをするにしても、幕張メッセでライブをするにしても、自分達で小屋を押さえて、自分達で制作をして、自分達で予算を集めて、自分達でチケットを売っています。
 
そんなこと、誰もやってくれません。
 
なので、「事務所が売ってくれないんです」と相談してきた後輩には「何を寝ぼけたことを言ってるんだ」と思いましたが、ただ、よくよく考えてみると、僕が今「自分を売るのは自分しかいない」というマインドを持てている理由は、何も、「僕がしっかりしていたから」なんかじゃなくて、「追い込まれた結果、強くなるしかなかった」というのが正しくて、遡ってみると、25歳の時に「絵本作家になる」と言って芸能界を飛び出した時に、最初は誰も売ってくれなくて(吉本興業は絵本作家をサポートする事務所じゃないので当然)、その時から僕は追い込まれていて、自分でやるしかなかった。
 
今じゃ当たり前になりましたが、「オンラインショップ」という選択肢は当時じゃ当たり前じゃなくて、でも、食っていかなきゃいけないから創業ホヤホヤでまだ誰も知らなかった「BASE」を使ってモノを売って、「ネットでモノを売るなんて、詐欺師だ」と言われ(笑)、クラウドファンディングで活動資金を集めて、また批判され。
 
それらも、何か強い意志でもって臨んだわけではなくて、追い込まれていたから、そこにするしか無かったんですね。
 
そう考えると、強くなるには、やっぱり「追い込まれる」のが先で、もし今、「俺、弱いな」と思っている人がいるとしたら、その原因は本人にあるわけではなくて、「強くならないと終わってしまう環境にいないこと(追い込まれていないこと)」が全ての原因で、「そこにいたら、いつまでたっても強くなれないよ」という言葉を贈らせていただきます。
 
 

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