見出し画像

キンコン西野が求める人材

このnoteは2020年2月12日のvoicyの内容を文字起こししたものです。

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしています。

今日は、
「キンコン西野が求める人材」
というテーマでお話ししたいと思います。

エンタメはもう世界戦だ

実は昨日から、写真家の蜷川実花さんとうちの田村プロデューサーと3人で
インドに来ておりまして、蜷川実花と西野亮廣がタッグを組んで作る新作の下見をしています。

映画『えんとつ町のプペル』を作りながら、新作の制作も同時に進めていて、その中で改めて覚悟するのは「もうエンターテイメントの世界戦で圧倒するしかないぞ」ということです。

これは、最近さらに強く感じていて、やっぱり日本のエンタメの市場というのは、人口に合わせて年々縮小しています。きちんと戦略を練って、海外戦に打って出て行かないといけません。

「国内戦はもう先がない」という今のタイミングで、この仕事に就かせてもらっていると、綺麗に諦めがつくので、本当にラッキーだなと思っています。もし、僕があと10年15年早く生まれていたら、おそらく海外には目を向けていなかったでしょう。このまま国内を狙って、そのまま走り抜けようとしていたかもしれません。

「国内戦は先がない」というのは、厳密には「国内戦で逃げ切れる世代と逃げ切れない世代がある」ということです。現役プレーヤーとして走る時間があと20年以上残っている今の40歳以下は、おそらく海外に目を向けないとやばいだろうなという印象を持っています。ここでの「やばい」とは、この先求められる仕事がご意見番だけになっていくということです。

じゃあ「海外に打って出よう」となった時、今の日本に残されているものを考えてみると、それほど多くはありません。「食」、「スポーツ」、そして「エンターテイメント」くらいかなとぼんやりイメージします。

それ以外のものでも、時々海外進出していますが、おおよそは、その3つが日本が海外に展開できる可能性があるものだと言えます。

例えば、日本と似たような状況にあった韓国は、この辺りの戦略をきちんと練っていました。日本は若干、韓国に差開けられたと感じていますが、まだまだ余裕で挽回できるはずです。

そんなこんなで、近々、蜷川実花さんとぶっちぎりに面白い作品を作りますのでお楽しみにしていてください。

取り分を計算したイエスマンになれ

今日は、そんな話の流れから「キンコン西野が求めている人材」、言ってしまえば「一緒に仕事をしたい新人」というテーマでお話します。

「キンコン西野が」と言いましたが、「多くの大人が」と言い換えられるかもしれません。つまり、「今の時代に重宝される人材とはなんぞや」ということで、話の後半では、若い世代に向けて「ここを狙った方が絶対いいと思いますよ」ということを伝えたいと思います。

結論から申し上げると、求められているのは「自分の取り分をきちんと計算に入れたイエスマン」です。『イエスマン』って何かぞっとしますよね。しかし、ぜひちょっと耳を傾けてください。

今の時代はもう『正解する方法』はネットに転がりまくっていて、もっと言うと『アイデア』もネットに転がりまくっています。

つまるところ、『成果を出せる人』や『アイデアを出せる人』は、昔ほど重宝されません。ネットを使えば『正解』はもう誰にでも出せるので、そうすると、誰でも出せる物を出すことにそれほどの価値はありません。

すると、やっぱりこれから求められるのは、間違っていても魅力的な人。ずっこけてるのに見てしまう人。例えば、長嶋茂雄さんの空振りみたいな感じです。あそこで完全視聴率が集まって、長嶋茂雄さんの一挙手一投足にファンが一喜一憂したわけじゃないですか。

オンラインサロンに、それがすごく分かりやすく現れているのですが、正解しようが失敗しようが、挑戦し続けてさえいればサロンの会員数が増えていくという現象が起きています。

要は、人が見たいのは『正解』ではなくて『挑戦する姿』であるということです。いわば、『もがいている姿』です。

やっぱり今は『ストーリー』に価値があるので、「僕は正解を出せます」という人にはあまり人は集まってこないし、「正解なんて検索すれば出てくるよ」と思われてしまいます。

そして、月並みですが、重宝されるのは『圧倒的に行動する人』です。一見、社畜歓迎のように聞こえますが、「やっぱりイエスマンが一番いい」というとです。

なぜなら、つべこべ言わずに「やります」と言う人のところには、実験結果を知りたい人たちからのアイデアやチャンスが転がってくるからです。「これをやったらどう?あれがあったらどう?」と、アイデアが転がりまくってきて、チャンスが転がりまくってきます。

逆に言うと、「それは私的には・・」とか、「うーん、ちょっと先のことを考えた時にそれは・・」と、アドバイスをもらった時に自分の意見を主張してしまう人は、「じゃあ勝手にやってください」と突き放されてしまいます。そう言いたくなる気持ちはとてもよく分かりますけどね。

ただ、「じゃあ勝手にやってください」と突き放されても良かった時代もあったはずなのです。おそらくインターネット黎明期は、「勝手にやって」と大人たちから捨てられても、「じゃあ勝手にやります」と言って、自分で1から作り上げることができました。代表的な例だと、livedoorやamebaですね。

あの時代はその方法でいけたはずなので、自分の意見を強く押し出しても問題はなかったのですが、今はそのやり方はなかなか厳しくなっています。

そうなると、やっぱり『イエスマン』になって、アイデアを出す人やチャンスをくれる人のエネルギーを吸収するという方法が一番強いです。ただ、「イエスマンが強い」と言っても、ただのイエスマンになってはいけません。

手伝えば手伝うほど、自分に金銭以外のポイントが入るように設計した上でイエスマンをやった方が良いです。ここでの金銭以外のポイントとは、フォロワー数や認知度のことです。

結局、その力が自分を自立させてくれます。もし会社から独立しようと思ったら、フォロワーがいっぱいいて、認知度がたくさん高い方が独立しやすいわけです。

なので、イエスマンと言っても、くれぐれも自分の時間を上に搾取されてはだめです。その上で、手伝えば手伝うほど自分にポイントが入るのであれば、そこはもうメチャクチャ気持ちよく「やります」と返した方がいいです。

ここは、結構したたかに行ったほうがいいと思います。そして、僕はそこでしたたかに考えられる人と一緒に仕事がしたいです。

やっぱり自分にポイントが入るように設計しておかないと、どこかのタイミングでストレスが爆発してしまって続かないので。

ちゃんと「西野のこれを手伝ったら、自分にこれぐらいのポイントが入るな」とわかっている人、つまり西野のことを上手に利用をしてくれる人と一緒に仕事したいです。

これはおそらく僕だけではなくて、結構な大人が考えていることだと思うので、今の大学生などの若い世代はこの辺を狙ってみてください。

というわけで
「キンコン西野が求める人材」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書の掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。

興味がある方はこちら↓






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?