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『可処分時間』の奪い合いはしない byキンコン西野

このnoteは2019年10月4日のvoicyの内容を文字起こししたものです。

おはようございます。
キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をやったり、絵本作家をやったり、
オンラインサロン西野亮廣エンタメ研究所の
運営をしたりしております。

今朝はですね、
「『可処分時間』の奪い合いはしない」
というテーマでお話したいと思います。

この番組は、
オンラインサロン西野亮廣エンタメ研究所
の提供でお送りします。

まずvoicyとかラジオがなんで面白いのかを
明文化した方がいいなと思ってですね、

そもそも何でじゃあ西野が、
voicyをやっているのかっていうところに
繋がってくるんですけど、

自分が徹底しているのはですね、
「『可処分時間』の奪い合い」
をしないっていうところですよ。

『可処分時間』って何?

あんまり、聞き馴染みのない言葉かもしれないですね。

そもそも、『可処分所得』って(用語が)あるんですよ。
『可処分所得』って、何かって言うとですねと、
自由に使えるお金のことですね。

例えば、食費はいるわけじゃないですか。
ガス代も電気代も色々な生活する上で。

そうすると、お給料稼いで、
そういったお金が、
どんどんどんどん引かれていきますね。

ガス代、電気代が引かれ、水道代が引かれ、交通費が引かれて、食事のお金も引かれる。

で、

余ったお金です。
自由に使えるお金ですね。

このお金を使って、
例えばカラオケに行ったりだとか、
バーベキューをしたりだとかエグザイルのライブに行ったりだとか、

余ったお金のことを、
『可処分所得』って言うんですけども、
サービス提供者はずっと、
お客さんの可処分所得の取り合いをしていたんですね。

エグザイルであろうがAKBであろうが、
西野だろうがスタジオジブリであろうが、
ディズニーだろうがとにかく

みんな可処分所得の奪い合いをしていたんですね。

だけど、ある時、
多分ネットが1番わかりやすいですけど、
可処分所得っていうか、

「『可処分時間』を取っちゃった方がいいんじゃね?」

ってなったんですね。

お客さんが自由に使える時間のことです。

寝る時間とかお仕事する時間とか、
何かそういったものを抜いた、
自由に使える時間ありますね。

「自由に使える時間を、奪った方がいいんじゃね?」

っていうことですね。

例えば皆さんツイッターとか
やられてると思うんですけど、、
グーグルとかああ言ったものって
お金とってないじゃないですか。

捧げてるのは時間ですよね。

とにかく、
「可処分時間を取ってしまったほうがいいんじゃね?」
ってなったんですね。

時間を取ってしまえば、
最終的にこれはお金になるよね。
っていう風になった。

つまりグーグルを、
ちょっとそんな単純な話じゃないですけど、
皆さんがグーグルを開いている間、

何かしらグーグルにですね、
広告が張られていて
その広告をお客さんが見た瞬間に、
グーグルにお金が落ちる。

こんなに単純じゃないですけど、
とにかく時間を捧げてしまったら、
そこに間接的にお金が入る風になっちゃった。

サービス提供者っていうのは、
まずは可処分時間の奪い合いを
なんだかんだ、
今ずっとしてるっていうことですね。

ここをまず踏まえていただいた上で、
話を続けたいと思います。

この話はですね、
先日オンラインサロンの方で、
もうちょっと詳しく書いたので、
本当に詳しく知りたい方は、
オンラインサロンをのぞいていただきたいですけど

まずですね、

自分たちがやっているのは。
自分たちっていうのは株式会社NISHINO、

僕が入っている会社ですね。

僕がやっているのは何か?って言うとですね、
まず座標軸を描くんですよ。

座標軸。

横軸が左の方に行けば、
左が他人物語ですね、
他人のストーリーで。

右が自分ストーリー。

何となく頭の中で、
この座標軸書いください。

横軸に線があって、
左が他人の物語で
右が自分の物語です。

縦軸はですね、
上が非日常で下が日常。

座標軸。

こういう、
座標軸があったりするんですが。

じゃあ左下、
他人の物語で日常のもの、
なんなんだって言うと、

代表的なところでいうとテレビなんですよ。

皆さんのリビングにテレビがあって、
パッて付けるとですね、
皆さんご飯食べながら、
テレビを見たりするんですけど。

これ日常ですよね。

だけどそこで見ているのは、
タモリさんとかさんまさんとか、
たけしさんとかがゲストの方と喋っている
っていう他人の物語ですね。

テレビっていうのは、
他人の物語で日常のものである。

じゃあ、左上。

他人物語で非日常って何かって言うと、

例えば、ディズニーランドとか。

そこで繰り広げられているのは、
ミッキーマウスであり、
そのやり取りであり、
非日常だと。

ちょっと電車で、車で足を運んで、

全然違う夢の世界に行こうっていうことで、

夢の世界の夢の住人を見ようっていうのは、
ディズニーランドですね。

次右上。
自分の物語で非日常って何なんだ?
っていうとですね。

代表例はそうだなVRとか。
とにかく自分が主役で
ファンタジーの世界に行けるもの。

チームラボだとか。

ディズニーのキャストもそうかもしれないですね。
そこで働いてる自分がやっぱり主役で。
だけど、非日常であると。

こういう風に分かれていて分けていくとですね、
実は右下がゴッゾリ空いているんですよ。

日常で自分の物語。
これ何かって言うとですね、

シンプルに仕事なんですね。

結局、人が一番時間を割いているのって日常なのですね。

皆さんが朝起きて、お料理を作ってるとか、お洗濯をしたりだとか、はたまた、お勤め先に行ったりだとか。

そこに割いている時間がほとんどであって、

右下の日常で、
自分の物語を抑えている
エンターテイメントっていうものが、
ないって言うんですね。

自分たちは、ここを押さえようと思ってですね。

だから、株式会社NISHINOおよび、
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』は、何をしてるかっていうと、

町を作ろうって言っているんですよ。
とにかく町を作ると。

例えばもう既に町づくりは、
オンラインサロンメンバーとスタートさせていて、

美術館をランドマークにした町を作ってるんですけどね、
その近くに『スナックCandy』っていう
そういうスナックがあるんですね。

実際にあるんです。

このスナックCandyって
映画えんとつ町のプペルに
実際に出てくるんですよ。

現実世界にあるっていうことですね。

テーマパークの中にあるわけじゃなくて、
町の中に実際にあるということですね。

そこで働いている、
三浦さんて方がいらっしゃるですけど、

そこで働いてる三浦さんは、
映画えんとつ町のプペルの中に出てくる、
スナックCandyの主人公になってると。

しかもこれが日常であると。

ここがすごく大事ですね。

ちょっと複雑な話なので、
整理しますね。

まず大前提として、
お客さんが1日のほとんどを、
割いているのは、
非日常ではなくて日常である。

とにかくこっちに僕たちは、
人生のほとんどの時間を割いていると

ファンタジーじゃなくて現実の方に、
ほとんどの時間を割いているっていうことですね。

整理するとですね、
さっきの座標軸を整理すると、
横軸、
左の方が他人の物語で
右の方が、自分の物語。

つまり右の方は自分が主役になる物語ですね。

縦軸が、
上の方に行けば行くほど、
非日常で
下の方に行けば行くほど
日常であると。

座標軸を作った時に
左下はテレビ。
左上はディズニーランド。
右上はVRだとかそういったものですね
チームラボだとか。
右下がごっそり空いちゃってると。

ここをとにかく抑えるんだと。

ここに結局みんな時間を割いているしみたいな、
ここっていうのは、

つまるところ

可処分時間の奪い合いではないっていうことですね。

スナックCandyで、
三浦さんが主人公になっている
時間というのは、
可処分時間ではないっていうことです。

空いてる時間で、
主人公になっている訳ではなくて、

そこで、日常を過ごしていることで主人公になっていると。

とにかく、自分たちが街を作ってですね、
可処分時間の奪い合いをするんじゃなくて、
人が同化している、
一番長い時間のところに
自分たちの作品を落とし込むんだ
っていう風に
回しているっていうことですね。

ちょっと複雑な話ですけど、
なんとなくイメージしていただけたかな。

そんな感じです。

やっぱりラジオだとかVoicyっていうのは、

凄いなと思うのは、やっぱり、

ながら聞きできるっていうところですね。

つまり、今この声を聞いてくださっている、
あなたはもしかすると、
部屋でじっと聞いてくださっているのかもしれないですけど、

場合によっては、通勤通学中だったりだとか、
お洗濯している間だったりだとか、
お料理を作ってる間にだったりだとか、
お仕事してる間だったりだとか。

何かしながら聞いて下さっている方が
ほとんどであると。

こうするとですね、
Voicyみたいなエンタメはですね、
可処分時間の奪い合いはしてないですね。

日常にまず寄り添ってるってことですね。

皆さんが一番必要な
通勤通学、割かなきゃいけない時間に
寄り添っている

ここが
エンターテインメントとして
すごく可能性があるなと。
思ったところですね。

可処分時間の奪い合いって結構疲弊するんですよ。

単純に競争相手が多くなっちゃうし、
夜7時から夜9時までの仕事が終わった時間誰が1番とるんだ?
っていう勝負になった時に

僕のライバルは当然、
お笑い芸人さんだけじゃなくて、
カラオケもそうだし、ディズニーランドもそうだし、
もしかしたら喫茶店もそうかもしれないし、

これ可処分時間の奪い合いってライバルが多すぎるということですね。

つまるところ、

自分が取れる時間が、
結局少なくなっちゃうってことですね。

やっぱりラジオだとかVoicyっていった、
この音メディアっていうのは、
ながら聞きができるから、

しかも、
日常に寄り添えるから

結構強いよねっていう。

もう自分に関してはこういったものが、
お金になるならないはどうだっていいですよ。

そんなことはあとでやればいいんで。

まずは可処分時間の奪い合いはせずにですね、
日常に寄り添うということですね。

生活の邪魔をしないように、
エンターテイメントを届ける。

メディアがVoicyっていうのは、
すごく優秀だなと思ってるっていうそういうとこですね。

そんな理由でこういったことをしております。

詳しくはですね、もうちょっと分かりやすい話は、

オンラインサロンの方に書いているので、
オンラインサロンを覗いてみてくださいたい。

今朝はですね「可処分時間の奪い合いはしない」
というテーマでお送りしました。

それでは素敵な1日をお過ごしください。
西野亮廣でした。

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