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価値の付け方 by キングコング西野亮廣

このnoteは2019年11月5日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
提供:紅葉するまでに運命の人を見つけたい田村有樹子さん

おはようございます。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり絵本作家をしたり、
国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

価値の付け方は2パターン

さあ今日はですね
価値の付け方というテーマでお話をしたいと思います。

昨日、僕の友人の前田裕二さんとの対談の中で、結構僕がいいことを言っていたので、そのいいコトをまとめてお話ししたいと思います。

商品でも自分でもいいんですけれど、
いずれにしても、
「価値ってどうやってつけていくのか」
っていうことについての話です。

これに関して、僕は2つあると思っていて。

(1)クオリティを上げて価値をつける
(2)売り場を選んで価値をつける

この2つだと思います。

で順に説明していくと、
1つ目の「クオリティを上げて価値を付ける」というのは・・

例えば、銭湯をオープンするとしたときに
お湯の成分にこだわったりたとか
スタッフの接客の研修をしたりする作業ですね
これはクオリティを上げっていう作業ですね

これに関してはもう頑張るしかないっていう。

お笑い芸人をやるにしても、
面白くなる、おしゃべりがうまくなるってことに関しては
もうたくさん勉強してたくさん訓練して
たくさんお客さんのその前に立って
ウケたりスベったりして
改善してアップデートしていくしかないということですね。

この「クオリティを上げる」っていう作業は頑張るしかない。

で今日はこの話をしたいわけではなくて、
(話したいのは、)2つ目のですね、
「売り場を選んで価値をつける」の方です。

銭湯をオープンするとしたら
スポーツ施設の前に出店するだとか。

要は、もうすでに汗かいている人がたくさんいる場所に銭湯を出すという。

で、この売り場を選ぶっていうのが非常に重要で
ここをあまり考えずに(1)の「クオリティを上げて価値をつける」という作業で終わってる人が結構いるなっていう印象ですね。

分かりやすい例で言うと・・

例えば、サイクリング雑誌を作りました、と。
自転車に関する雑誌ね。

これを本屋さんで売った方がいいのか?
それともサイクリングショップで売った方がいいのか?
っていう問いですね。

で、「売り場を選ぶ」っていう観点から言うと、
正解はサイクリングショップで売ったほうが良くて。

本なんだけれども、サイクリングショップで売った方が良くて。

それはそのはずで、
サイクリングショップには、やっぱり自転車に興味がある人が集まっているのでね、サイクリングショップでそのサイクリング雑誌の売場面積を確保した方が良い。

本なんだけどそれはそっちのほうが売れる。

で具体例を昨日も何個か上げていこうと思ってあげてたうちに

じゃあ次に人で例えようと思ったときに、
僕やっぱり頭にパッと出てきたのはうちの
相方の梶原くんなんですけど。

梶原くん、芸歴19年ぐらいになるんですね。

であのこの1年ぐらいで、
梶原くんって人気者になって売れっ子になったんですね。

カジサックとして。

だけどさ、

この1年で彼のお笑い芸人としてのクオリティが急激に上がったって
ことはないんですよ。

別に19年やってたら、急激に19年目で急激におしゃべりがうまくなることもないし、

リアクションの技術が急激に上がるって言うことも別にないんですね。

だけど梶原くんはこの1年で急に売れっ子になったと。

それなんでかっていうと彼がやったのは(2)で、「売り場を選んだ」。

売り場を選んで価値をつける。
つまり梶原くんの売り場をテレビから YouTube に
移動したってことですね。

それはもう前々から言ってたんですよね。

梶原くんは、ひな壇に向いてないから。

ひな壇自体が面白い/面白くないって言ってるわけではなくてですね

大勢の芸人さんがいる中で
前に出て行ったりだとか、
大勢の芸人さんにいじられて
矢面に立つっていうことが、
「彼は」そんなに得意ではないので。

アメトークに出てる梶原くんがハネているところで多分見たことないはずなんですよ。

僕は隣にいるからすごく良くわかるんですけど、
やっぱりそういう場所にいると
その他大勢の芸人さんになってしまうんですね。

だけれども、登場人物が少なくて梶原くんが主役になれるって言う環境を与えてあげたら、彼は非常に輝いていて。

だからもう6年くらい前かなぁ・・

「 YouTubeを絶対やったほうがいい!」っていうのを梶原くんにずっと言ってたんですけど・・

梶原くんは
「 YouTube って何なん?」
「怪しない?」
みたいな感じだったので、本腰入れてもらえなかったんですけど、

でもやっぱり、
YouTube に本腰を入れた瞬間に彼がバッって行った(ブレイクした)んです。

(1)の「クオリティを上げて価値をつける」っていう作業はもう済んでいて、
(2)の「売り場を選んで価値をつける」っていう作業がまだ済んでいなかったってことですね、1年前は。

で彼の場合は、YouTube っていう自分に合った売り場を選ぶことができて
売れたっていうことですね。

この(2)は結構な人が見落としているので、
このvoicyをを聞きのあなたはですね、
「(2)ができているか?」というところを、一回自問自答してみるといいと思います。

この「売り場を選ぶ」っていうことを考えること自体は、損は一つもないと思うので、ぜひ一度考えてみてください

まとめ

まとめます。
価値の付け方というのは二通りあって・・

(1)クオリティをあげて価値を付ける
(2)売り場を選んで価値を付ける

多くの方はこの(2)を見誤ってしまっているっていう印象です。

サイクリング雑誌を本屋さんで売る、
梶原雄太をテレビのひな壇で売る、
っていうようなことを結構やってしまっているので

ぜひですね、(2)の「売り場を選んで価値を付ける」を今一度考えてみてください。

というわけで今日は以上です。

それでは素敵な一日をお過ごしください。
西野亮廣でした。

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