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その程度の覚悟で僕に近寄ってくるな by キンコン西野

このnoteは2020年6月13日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:カミさん愛している緑色の悪魔ペンタゴン さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「その程度の覚悟で僕に近寄ってくるな」
というテーマでお話しします。


「軽い気持ちで自分と仕事をする人」を許せない


このラジオは、voicy という音声メディアで毎朝7時に配信した後に、それをうちのマネージャーが YouTube にコピペするという形をとっておりますので、YouTube をお聞きの方からすると、知ったことではない話になるのですが、

今日、voicy の配信が遅れました。それで、遅れた理由について説明させていただきたいと思います。これはトラブルがあったわけではなく、実は今、僕は山奥におりまして、「コンロ」なんてものもないものですから、薪をくべて、火をつけなくてはならないんですね。

これに手間取ってしまったあげく、風でテントがぶっ飛ぶという事態に見舞われて、これがまた楽しいんですよね。

どうすれば効率的に火をつけられるのかとか、どうすれば風に負けないかとか、どうすれば部屋に入ってきたハエを外に出せるのかとか。

それと、このあとジョギングに行くのですが、どのコースを走れば熊に襲われないかとか、まあ、そういうことを考えている内に、voicy の配信を後回しにしてしまったということが、理由の全てです。

最初は、口でフーフーと息を吹いて火をつけていたのですが、そういえば、風が強いので風の通路を作り、その先で火を付けたら効率的に火が付くことが分かりました。

要するに、完全に遊んでいるということです。

今日のオンラインサロンの投稿が遅れているのも、同様の理由によるものでございます。西野は山奥で遊んでいるということです。ごめんなさい。

こういう機会なので、今日はめちゃくちゃ個人的な話をさせていただこうと思います。

何か結論があるわけでもなく、誰かのためになるような話でもないです。
僕が今思っていることを改めて、お伝えしたいなぁと思っています。

実は今、電波も届かないような場所に一人なんですね。
これは遊びに来たわけではなく、用事があって来ていて、せっかくだからということで、うちのスタッフが、ビジネスホテルではなく、人里離れた場所に宿を取ってくれたんですね。

それで、今年の3月の頭ぐらいからずっと、新型コロナウイルスの対応に追われていて、自分のことだけではなく、同業者の方からの相談だったり、サロンメンバーさんの雇用の確保だったりと、まあ、あれやこれやで、

この3ヶ月、朝から晩まで LINE が止まらなくて、落ち着いて自分の仕事を始められるのがだいたい、深夜の1時とかという、結構ハチャメチャなスケジュールだったんです。

そして今年は、自分が数年前から準備をしていた映画『えんとつ町のプペル』が公開される年で、本当ならば、その一点に集中できるはずだったのですが、どういういたずらか、100年に一度のウイルスが襲ってきました。


「おいおい」とは思いまして、「おいこのタイミングで来んの?」とは思いましたが、
やっぱり、一番ダサい未来の姿は、「良い結果が出せなかったのは、コロナが直撃したから」という言い訳をしている自分で、そうはなりたくないなと思い、余計にスイッチが入った3ヶ月でした。

まあ、コロナが来ていなければ、実際ここまで頑張れていなかったと思います。
それで、これによって明らかに変化したことは、こんなことを言うのはアレなのですが、「軽い気持ちで自分と仕事をする人」を許せなくなってしまったことです。

人としてはどうなのかなという部分です。
くれぐれも言っておきますが、普段、僕は多分誰よりも温厚なんですよ。
どういうイメージを持たれているかは分からないですが、声を荒げて怒るようなことはないし、言葉を取り扱っている人間なので、自分の言葉が暴力になり得ることも自覚しているので、理詰めで誰か追い込むこともありません。

だから僕は、すっごいヤリチンなのですが、キングコング西野の女性関係の悪い噂って、あんまり聞かなくないですか?

こんなこと言うとアレなのですが、エッチした後すごく仲いいんですよ。いい奴なんです。H した後もニコニコとよく話を聞く良い奴なんです。

多分、恨まれるようなことはないと思います。それで、うちの会社のスタッフやサロンメンバーさんも知っていると思いますが、飲んでいる時も、基本、「いいっすね」しか言わないですよ。「いいっすね、もう最高っすねー」しか言わないですよ。

このように、ずっとニコニコしているんですね。おそらく、世間的な物差しで言うと、めちゃくちゃ良い奴に分類されると思います。

それで、仕事中も基本的に、ニコニコヘラヘラしているのですが、
どうにもこうにも、軽い気持ちで擦り寄ってくる人だけは許せないと、前からその気はあったんですよ。

あったのですが、コロナをきっかけとして、命がけでやっている分、それが加速している感じがしていて、

「その程度の覚悟なら僕に近寄って来ないでくれ」とか思ってしまうんです。どうなんだろうな、これ。でも、思ってしまうんです。


世界をとるための階段を登る


いま喋りながら、自分の気持ちを整理しているのですが、
自分はエンタメで世界を獲るために今の仕事をしているのですが、一方で、食っていくために仕事をされている方もいるので、これ、どちらが正しいとか、どちらが上だとも思わないんです。

僕は、僕の父ちゃんのような、家族を養うために働いている方のことを尊敬しているので。でもやっぱり改めて思うことは、目的が違うと、その人がどれだけ人格者であろうと、一緒には居られないなということですね。

これは、僕がすごく尊敬している『VANQUISH』と『FR2』という、2つのアパレルブランドの代表をされている石川涼さんが昔、「大人になったら結果を出し続けないと一緒に居られなくなるから、お互い結果を出そう」と言ってくださったのですが、本当にそうだなと思っていて、

僕らがここで言う「結果」とは、「食っていけるようになる」ということではなく、「世界をとるための階段を登る」ということです。

その階段を登ってくれる人でないと、一緒には居られない。
特に自分は、365日毎日コンビニのそばで良いし、高い洋服を着たい欲も、高級車に乗りたい欲も無く、ギャンブルにも興味がないし、贅沢の類に一切興味がない。
強いて言えば、性欲はあるのですが、それぐらいですかね。

なので、「お金」というものに本当に興味がない人間で。仕事をやる理由が「お金」では、気持ちの折り合いがつけられないんですね。

それで、本音を言えば、やっぱり仕事で僕と付き合うならば、「狂ってくれ」と思っているし、これはくれぐれも、思っているだけで、強要することではないのですが、労働基準法に則って労働時間を守っている人には、絶対に負けないなと思っています。

労働時間は、1日8時間とかでしたね。僕は最低でも、その倍か、2.5倍ぐらいはやっているので、お互い、20歳から60歳まで働くとするのであれば、約40年くらいの差が空いてしまうと。

皆さんが40年くらい働いているところ、僕は80年ぐらい働いているので、一緒に居られるわけがないというところですね。

今日の話は、結論があるわけではなく、今自分が思ってることを正直に形にしているのですが、僕はそれぐらいの感じで仕事をしているので、「安い覚悟で近寄って来ないでくれ」ということが、本音ですね。

これはありがたいことなのですが、「一緒に仕事をしたい」と言う声を、本当に良く頂きます。それこそ、近々また、インターン生を、オンラインサロン内で募集すると思います。労働基準法を破ろうとは思いませんが、一応これくらいの覚悟だぞということです。

僕とやるのであれば、それ相応の覚悟を持ち寄って来てね、ということが本音です。
ここの認識がずれると、やっぱり傷つけてしまうことになるので、それはやっぱり嫌なんです。

だから、あらかじめ、「こういうことだよね」「こういうルールだよね」ということを共有しておきたいなと思い、今日は、こうした話をさせていただきました。

ちょっときつく聞こえちゃったらごめんなさい。

というわけで、
「その程度の覚悟で僕に近寄ってくるな」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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