見出し画像

結果の出し方 by キングコング西野亮廣

このnoteは2019年月11日1日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:ヒゲを描いたマジシャン、ムッシュピエールさん

おはようございます。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をやったり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたり・・

現在(収録時点)『よしもと男前ランキング』5位につけております、西野でございます。

ハロウィンの大掃除

今ですね、11月1日の朝の4時なんですね。
眠いです。

このあと5時半には家を出て、渋谷のお掃除ね。

オンラインサロンメンバーのみんなと渋谷のお掃除をして、その後、渋谷で店を出しているサロンメンバーが店を開けてくれるっていうので、
「お掃除終わりで、みんなでサロンメンバーで朝から飲もうぜー!」みたいな、そういう会がこの後あります。

今年は渋谷のハロウィンがお酒禁止になったから、思っているほどそんなに渋谷散らかってないんじゃないかな?

まあメインはどっちかっていうと、サロンメンバーと飲むっていうことなので。
まあ渋谷がキレイだったらキレイで、それが一番いいことなので。
別にゴミが落ちてなかったら、それはそれで「じゃあみんなで飲みに行こうぜ!」っていうだけなので。
全然いいんですよね。

まあ11月1日は、ゴミを拾う日にしようかなと思って、
毎年ですね、ハロウィン翌朝はゴミを拾うようにしております。

結果の出し方

さあ、というわけで今日はですね、
『結果の出し方』というテーマでお話したいと思います。

昨日ね、相談に答えたところ意外と評判が良かったので、じゃあ今日も相談に答えてみようということで。
voicyのコメント欄からですね、相談を選んで発表したいと思います。

前半の挨拶部分は省略しますが、『みゆ2525』さんからのご相談ですね。

「周りの期待感や人気が出るかなど、作品を作っている時にプレッシャーに感じて、自分の納得いくものが作れない時はありませんか。
私はよくそういう気持ちになってしまい、絵が書けなくなってしまいます。」

この方は、イラストレーターさんとかなのかな。

もう、おっしゃってる意味はすごくわかって・・
超わかる。

僕も、かれこれですね、
もう20年近くこのお仕事をしていて。

キングコングだったら漫才書かなきゃいけないし、
自分個人となってきたら、やっぱり絵本作んなきゃいけないし、
絵本のストーリー書かなきゃいけないし、みたいな。
映画の脚本書かなきゃいけないし、みたいな。

やっぱりモノを作るお仕事をずーっと続けているので、
この「周りの期待感や人気が出るかなど、作品を作っている時のプレッシャー」って、

これはね・・
あるんだよね、やっぱね。

モノを作ってる以上、『自分がやりたいこと』と、『お客さんが求めていること』は必ずしもイコールじゃないし、
やっぱり、作り手はどこでを折り合いをつけるかっていうことは、常について回る。

自分のやりたいことだけやってね、
それを受け入れてもらえると
それに越したことはないんだけれど。

それを世間が待ってるかって、
ちょっとわからないとこじゃないですか。

で、プレッシャーってことで言うとね、

まあ僕個人の話をするとですね、
例えば・・

絵本のひとつをとってもですね。
自分も絵本っていうのは本当にたくさんのスタッフが絡んでいてですね。

絵本作るだけでもたくさんのスタッフさんの生活、
そしてそのご家族の生活が絡んでくるし、

絵本の二次展開で、VR、AR、映画、個展、そこにまつわる美術、音楽諸々、
たくさんのスタッフさんがいらっしゃるんですね。

そうすると、
やっぱ僕の場合で言うと、
もう僕が「絵本書けない」って言ってしまうとですね、
色んなものが止まってしまう。
色んな方の生活に支障をきたしてしまうと。

やっぱ、プレッシャーでしかないよね。
その、人気がでるかなっていう。

要は、人気が出ないと、
僕の絵本書いたはいいものの、それを売れなかったら、

やっぱりこう・・
自分一人がね、貧乏する分には全然構わないんだけれど、
何百人というスタッフさんがそれで貧乏してしまうとね。

やっぱりそれは僕は辛いので、
結果出さなきゃいけないんだよ。

その数字面で結果を出さないといけないんだよね。

で、期待もされているその期待に応えないといけないという。

で、それなのにも関わらず・・
思いつかない時があるんだよね。

思いつかない時があるんだよねっていうか
思いつかない時だらけなんだけれど、
筆が進まない時だらけなんだけれど。

もう常に、この作業机の横に死神がいてですね、
「もうお前の才能は枯れたよ」っていうカマを持って立っているっていう。

恐ろしい状態ですよね。

こっから僕はなんとか絞り出して、
「耐えた・・」「助かった・・」
っていうのを
ずっと繰り返してるっていう状態。

これは僕だけじゃなくてですね、
規模は違えどすべてのクリエイターさんがこの状態にあると思います。

やっぱりそれなりのプレッシャーを持って、
作品に向き合っていると思うね。

で、そんなこと言い出したらですね
もう書けない理由なんか言い出すと、
もうキリがないんですよ。

「これでこれでこうだからもうできない」って言い出したら
キリがないんですね。

で、僕から何か偉そうにアドバイスできるとするならひとつでですね。

それでも、走りきって下さい

やっぱり、
20年やってるとわかるのが・・

衝動で最後まで走り切れることなんてもう稀で、
ほとんどがですね、
「ああこれ面白いかも」ってスタートしてみて、
「あれ、これお客様待っているんだっけ?」とか、
「あれ、これ自分が良いと思ってるだけでどうなんだろう」とか。

やっぱどっかで勢いが止まってしまうんですね。

最初の、
「あっこれイケるかも!」
と思って思いついたあの衝動というのは、そんな長持ちはしない。

まあ稀にね、
ほんとにその衝動だけで
最後まで走りきれるようなものがあるんですけど、
だいたいそんな衝動みたいなものは
長持ちしないんですね。

ただこれ結論としてね、
やはり作品っていうのは、

書ききらないと書く体力がつかない。

ここに尽きると思う。

すっごくつらいし、
「あれこれ全然違うのかな?」と思ったとしても、
それでもゴールテープまで走り切る癖をつけておかないと・・

『なんとかする力』みたいなのが身に付かないんですね。

「ああ、これダメだ」と思った瞬間に、
パッと手放してしまうと、
その『粘り』みたいな、『なんとかする力』っていうのが身につかない。

で、プロでやっていこうと思ったらですね、
やっぱり気持ちが乗らない時もあるんだよ。
で、気持ちが乗らない時でも作品は出さなきゃいけないんだよね。

例えば、
身内に不幸があったとしても作品を作らなきゃいけないし、
もう良いアイディアが出なかったとしても締め切りはあるし、

その時に、最後に自分を助けてくれるのは
『なんとかする力』だよ。

30点のものを80点ぐらいまで、85点くらいまで、
ぐーっとあげてくれるその力だね。

そこっていうのはやっぱり走りきらないと、
その体力っていうのはつかないんだよね。

だから、絵を描けないと思っても、
厳しいことを言うようだけど、
離れちゃダメなんだよ、机から。

それでもやるっていうことだと思う。
走り切ってようやく身に付く力だと思うな。
だから・・

「走り切ってください」

ということだと思う。
僕が言えるのは。

それぐらいしか言えないかもしれない。

走り切って、描き切って、
それで『なんとかする力』みたいなのを
身に付けてください。

それしか言えないな。

オンラインサロンでね、
僕は毎朝記事を投稿しているんですね。

で、
ブログとか、ツイッターとか、Facebookとかっていうのとは違って
オンラインサロンの記事っていうのは有料だからさ。

まあそれこそ結構なプレッシャーなのよ。

毎日毎日毎日、僕の場合だと3万人のサロンメンバーが
「今日はどんな記事を投げてくるんだ」っていうのを
すっごい期待しているんですね。

で、それはさ、
調子いい時もあれば、そうじゃない時もあるじゃん。

ああもうネタがむちゃくちゃあるっていう時もあれば、
「いやこれどうなんだろうなあ」みたいな、
「今日ちょっとあんまりないな」っていう時もあるじゃん。

でも、プロだから
90点は出さなきゃいけないんだよね。

その時にもう決めているのは、もう毎日書く。

毎日書いて、毎日書き始めて、毎日書ききる。

そのうちにやっぱ『なんとかする力』っていうのが身についてきて。
筆を走らせてみるとね。

オチはまだ見つかってないんだけど、
走らせているうちに、

「あれ、こうでこうでこう来たら、
ここでこういうふうにハンドルを切ったら
いいところに落とせるかも」

みたいな。

それが身に付くんだよね。

それはやっぱり、走り切ってようやく身についた体力だから。

なので、相談のお答えとしては、

走り切ってください。
走り切って、『なんとかする力』っていうのを身に付けてください。
そしてもう、走りきる癖をつけてください。

ということですね。

というわけで、今朝はですね、『結果の出し方』というテーマでお話させていただきました。

それでは、これから渋谷の方に行ってまいります。渋谷で飲んだくれておりますので、もしよかったら気軽にお声がけください。

それでは素敵な一日をお過ごしください。
西野亮廣でした。

※キングコング西野亮廣が毎朝、最新エンタメビジネスに関するコラムを配信しています↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?