変わらない人を変える方法byキンコン西野
このnoteは2020年4月3日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:高橋 務 さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日はですね、
「変わらない人を変える方法」
というテーマでお話したいと思います。
あの人を変えるにはどうすれば…
今日は、僕の日記のような、独り言のような内容なんですけれども、
昨日、オンラインサロンの方に「チームを壊す、変わらないリーダーを変える方法」というテーマで記事を書かせていただいたんですね。
これは、リーダーをいかに変えるかっていう。
だいたい、チームを壊すのって古いリーダーじゃないですか。
古い考えを持って動かないリーダーが、チームを壊している。
皮肉なものですね。
リーダーがチームを作ったのですが、結局そのチームを壊すのは、そのリーダーであるという。
じゃあ、そのリーダーをどうやって変えていくのかっていう記事を昨日書かせていただいたんですね。
もちろんこちらはサロン限定記事ですので、内容に関しては、ここでは割愛させていただきますが、
一つ、例えば、このラジオをお聴きのあなたの旦那さんでも奥さんでも部下の方でも、周りが不幸になる行動を繰り返す人に対して、
「変わって」とお願いして変わってもらえた経験って、これまであんまりなかったと思うんですよ。
もうあなたは、「人は簡単には変われない」ということを知っているはずで、その上でお伝えすると、
ご多分に漏れず、リーダーも「人」なんですね。
誤った判断もするし、考えも古くなると。
このリーダーに変わってもらう一番の方法は、リーダーを責めずに、リーダーに考えを変えようと思わせていないシステムを責めるべきで。
僕、昔からよく言ってるんですけど、「ヒューマンエラーではなくてシステムエラーである」ということで、システムを改善することが重要なんです。
「システム改善」というとリーダーの仕事っぽく考えがちなんですが、システムを改善するのはリーダーだけではないです。
リーダーを変えようと思ったら、リーダーを変えるためのシステムを組み直さなきゃいけないということですね。
正しくは、全てシステムエラーとした方が具体的に改善に迎えますよという話ですね。
話はぽんと飛びますが、先日、写真週刊誌のFLASHさんが宮迫さんの記事を書いて少しざわついたことをご存知ですか。
宮迫さんがスーパーで米を8キロ買っているところ、パシャパシャって撮って、「宮迫、米を買い占め」みたいな記事が出ました。「こんな非常時に米を買い占めるのはどうなんだ」的な。
まあ、宮迫さんはもうご家族いらっしゃいますし、お子様大学生ですから、「米8キロ」なんて普通じゃないですか。
「なんなんだこの記事は」という話なんですけども、まぁ、FLASHさんの狙いはわかりますよ。
コロナで世間のフラストレーションが溜まっているところに、ポンと釣竿を垂らせば、すぐに怒りが集まるので。
で、その怒りっていうのは宮迫さんに向かおうが、あえて雑な記事を出すことによってFLASHさんに向かおうが、FLASHさん的には宣伝になるし、アクセス数も稼げるからどっちだっていいんですよ。
どっちに転ぼうが儲けものっていう商売ですね。
これを受けて、宮迫さんが、ご自身のyoutubeチャンネル内で、FLASHさんに「電話をして謝ってくれ」的なアクションをされたんですね。
コロナで世界が大変な時にこんなことするなと。
宮迫さんの言い分の方が100%正しいんですけれども、だからといって、FLASHさんが「すいませんでしたもう二度とこのようなことはいたしません」と考えを改めることはないと思うんですね。
FLASHの記者さんもそれでご飯を食べているし、そういう仕事をずーっと続けているうちに使命感みたいなものが生まれてきて、自分の行動の正当性を自分に言い聞かすための理論が仕上がってるはずなんですよ。
じゃあこういう人の行動をどのように改めるかというところなんですけれども、これがまさにヒューマンじゃなくてシステムを改善しろという話でね。
皆さんあの記事を取り上げて「くだらない」とか「マスゴミ」とかコメントを入れてシェアされていたんですけれども、そうしてシェアされればされるほど、うまい飯を食えるのは『FLASH』さんです。
例えばそういう場合は、記事を取り上げてコメントするのであれば、最後に、FLASHを作っている光文社の社長の名前を監督責任としてハッシュタグでつければいいと思うんですね。
光文社の社長さんは今は「武田真士男」さんかな。「#武田真士男」をつけてつぶやけば、その記事がシェアされればされるほど、武田真士男さんが生きにくい世の中になるわけじゃないですか。
「うわぁ、FLASHの人を貶めて飯食ってるやつや」とか「来た来た来た」ってなるわけじゃないですか。
と、いうことをすればと、つぶやいたところですね、
「名誉毀損で訴えられますよ」っていうコメントが来たんですけど、自社が出している商品の責任者の名前出したら名誉毀損になるの?って話で、そんな面白い裁判、絶対にやりたいし、史上最弱の弁護士を横につけて秒で負けたいです。
弁護士にはもう、一言目に「異議なし」って叫ばせて、「1回ぐらい異議あれよっ」って突っ込んで、もう閉廷ですね。
外で構えているカメラの前に全力で走って行って「敗訴」っていう紙を出してやります。
すみません。楽しくなっちゃって話がそれました。
まあ、「考えを改めてくださいよ」とどれだけ訴えかけても無駄で、考えを改めないと損をするか、考えを改めたら得をするようなシステムに組み直しちゃった方がいいよねっていう話です。
で、少しだけ政治の話をします。
今回のコロナの一件で政治家さんの、なかなかフラストレーションの溜まるアクションが続いてみんな怒ってるじゃないですか。
それはそれで素晴らしいことだと思うんですね。
我々は政治家さんの時間を税金で買っているのだから、その権利があると思うんですよ。
ただ、「こうすればもっと良くなるかもな」っていうのがあって。
そのダメな政治家さんに、改善を求め続けるのではなくて、いいアクションをした政治家さんを、目いっぱい褒めて目いっぱいリツイートした方がいいんじゃないかと。
結局、政治家さんの生命線は選挙、票集めなので、「いいことすれば票が集まりますよ」っていう結果をあからさまにした方が、自分が政治家だったら、「なるほど僕も自分のために良い事しよう」って頑張るじゃないですか。
その方が、事態が前に進むと思うんですね。
上品に人参をぶら下げるっていう話です。
もちろん、悪い政治家さんには、ちゃんと意見を言った方がいいと思いますよ。
ただ、ここポイントですね。政治家さんも人なので。
皆さんの旦那さんとか皆さんの奥さんとか皆さんの部下の方とか先輩とか上司社長みたいな感じで、人なんで。
お願いして代わってもらうことは、なかなか難しいですね。
僕は、いろんなお仕事を同時進行で進めていて、本当にたくさんのスタッフさんと、そしてオンラインサロンだけでも4万2000人(2020年6月現在6万人超)とかですよね。まあ結構な人数じゃないですか。
当然、お仕事をお願いすることもあれば、いろいろあるんですね。やっぱりコミュニケーションとっていろんなものを進めていくので。
で、その都度その都度、いきなりウマが合うってことはないんですよ。
いきなり、目指す方向がガチャンって同じ方向を向いている、同じ熱量で同じ方向を向いているということは、なかなかないんですね。
でも、同じ方向を同じ熱量で向いてもらわないと進まない場合があるじゃないですか。
そういう時にやっぱり、考えるのはシステムですね。
どのようにシステムを組めば、このチームが同じ方向を向くのかってことを考える。
これね、どこまで事実か知りませんが、『すしざんまい』の社長は、ソマリアの海賊に漁船を渡したら、海賊行為をやめて漁業を始めたっていう有名な話があって、
要するに、悪い事をしたくて海賊になってる人なんか一人もいなくて、得をしたくて海賊になっただけで、もっと得をする漁師っていう方法を提案したらそっちに行っちゃったんですね。
人を変えるのは、人ではなくて、システムであるっていういい例です。
これらのことを鑑みて、政治家さんを人として扱うと、もっと良い方向に進むかなぁ、ということをぼんやり思いました。
まあ今日は僕の独り言なので、忘れてください。
というわけで、
「変わらない人を変える方法」
というテーマでお話させていただきました。
よく言っておりますが、「システム」であると。
オンラインサロンの方では、「リーダーを変えるためにはどうしたらいいか」という話をさせて頂いておりますので、興味がある方は覗いてみてください。
それでは、また明日お会いしましょう。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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