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人を助けたければ、立ち向かうべき敵を明確にしろbyキンコン西野

このnoteは2020年2月27日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
Voicyの提供:水田直美さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしています。

今日はですね
人を助けたければ、立ち向かうべき敵を明確にしろ
というテーマでお話ししたいと思います。

ボランティアに酔いしれるな

昨日、クラウドファンディングの新しいプロジェクトがスタートしました。

昨日の配信でご説明させていただきましたが、

サッカー教室やダンス教室といった子ども団体、そして児童養護施設、様々な事情から預けられている子供が暮らしている施設、そしてシングルマザーの方やシングルファザーの方のご家族を支援している団体に、映画『えんとつ町のプペル』の前売り券をプレゼントしようという企画ですね。

支援者は支援したい団体施設を選べるようにしています。

支援先一覧みたいなのがバーって出ていて「私はこの団体を支援したい」
「私はこのサッカースクールを支援したい」みたいな感じで選べるようになっているっていう感じですね。

子どもたちに映画を贈りたい人と映画を贈ってもらいたい子どもたちをクラウドファンディング上でマッチングしますっていうやつです。

立ち上げの経緯としては、やっぱ一人でも多くの子どもに届けたいし、生まれ育った環境でエンターテインメントや映画みたいなものを諦めなきゃいけない子供がいるのは僕は絶対に嫌なので。

東宝さんや、アニメーションスタジオ4°Cさん、電通さん、そして吉本興業に話を通してこんなことをしてみました。

こういうことをすると「いい人ですね」とか言われるんですけれど、これは本当に何度も何度もも言いますが、ちょっと違っていて。

どういう形であれ映画に来てくださる方が増えれば僕は得をするんで、100%他人のために動いているというわけではありません。

そこには自分の取り分がきちんと設計されてありますよっていうことですね。

今日はこの自分の取り分についてお話をさせていただきたいと思います。


僕は阪神淡路大震災の被災者で、東日本大震災の支援者なんですね。

困っている人がたくさんいて、そこに手を差し伸べてくださる方が当時たくさんいました。

ただ、やっぱり復興っていうのは1日2日でどうにかなる問題じゃないんですね。何ヶ月も何年もかかるんですね。

そうなってくると今度はボランティアの方の生活費の問題が出てくると。

やっぱりボランティアの方にも生活があって、場合によっては残してきた家族もいる。

するとですね、まだまだ復興できていないし、まだまだ救いの手を待っている人がたくさんいるんだけども、ボランティアで支援されている方はその場を離れなきゃいけなくなってくるんですね。

やっぱり自分の生活を守らなきゃいけないから。
自分の家族を守らなきゃいけないから。

ボランティアを無償で行っていると、それらが守れなくなってしまうということです。

これね、誰も悪くないんですよ。誰も悪くないの。

ただひとつ確かなことは、自分を守れないと、誰かのことも守れないということですね。

一回こっきりの人助けなら問題ないんですけど、継続的に人を助け続けようと思ったらやっぱり自分の利益は確保しないといけないんですね。

これに対して、外野は好き勝手言ってきます。

人助けビジネスだのなんだの。

いいんです。むしろ人助けビジネスじゃなきゃダメなんです。

助けることで削られた体力は必ず回復させないといけない。
助ける人の体力が削られ続ける人助けっていうのは必ず終わりが来ちゃうから。

困っている人を助け続けたい人が戦うべき敵はここですね。

敵は人助けビジネスだという外野の声。そして、人を助ける時に自分に利益を産んでいいんだろうかっていう自主規制ですね。

「やっぱり人助けはボランティアでやるべきだ」って自分で思い込んでしまう。

これは逃げです。

ボランティアでやっていたら攻撃されないんで、100%いい人をやれる。

だけど、それをやり続けても、結局やり続けることができないんで。

これは逃げだと思ったほうがいいです。

これちょっとシビアな問題ですが、ここを逃げとしないと助ける続けることができないです。

で、人助けビジネスだとかいう外野の声。そして、人を助ける時に自分に利益を生んでいいんだっていう気持ちへの自主規制。

ここに負けて100%ボランティアにしてしまうと必ず終わりが来るから負けちゃダメなんですね。

間接的にでもいいから、まずは必ず自分に利益が入るように設計する。

ここが非常に重要ですね、すべての人助けにおいて。

どれぐらい自分に利益を入れるかはもうその人のセンスです。

僕は自分が食っていけるだけでいいんで、自分が食っていけるだけの利益は必ず確保した上でたくさんの人を助け続けると決めています。

その比率はも人それぞれですね。

自分に家族がいたら僕は多分もうちょっと自分に利益を用意しているんで。

だけど僕は独身だから別にそんなにいらないなっていうので今の比率があるんですけれど、この比率は非常にセンスである。

何度も言いますが、自分に利益が入るように設計し続けないと人を助け続けることは不可能だということですね。

改めて、今回の映画『えんとつ町のプペル』のプロジェクトについてご説明したいんですけど、これは僕の利益がきちんと発生しています。

チケットが出回れば出回るほどそのチケット代が僕に入ることはないよ。

チケット代が僕に入ることはないんだけど、映画『えんとつ町のプペル』に足を運んでくださる方が増えれば増えるほど、映画『えんとつ町のプペル』を作ったのは西野だ、ってなって次の僕の活動がしやすくなる。

すっごい間接的ではありますが、ちゃんと僕に利益が入るようになっております。

だから、今回のプロジェクトを宣伝することに時間が使えるし、それによって明日も明後日も弱い人を助け続けることができる。

もしラジオをお聴きのあなたが誰かを助け続けたいと思うのであれば、一晩経てば必ず自分の体力が回復するように設計してください。

これをしないとダメです。

絶対に翌朝には回復してなきゃいけない。
ここで削られてたらダメだよっていうことですね。

今後も災害はあると思います。やっぱり。

今年の夏も大きい台風がきて、すごい水害が日本のどこかで起こると思うんですね。

そのときに助けにいかなきゃいけないし、それが長期にわたる場合があるので、必ずその時は自分に利益があるように設計してください。

敵は2人です。

1人目は人助けビジネスだという外野の声。

そして2人目は、人を助けるために自分に利益を生んでいいんだっけ、とい自主規制ですね。

というわけで
人を助けたければ、立ち向かうべき敵を明確にしろ
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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