見出し画像

メインコンテンツが無料化する時代byキンコン西野

このnoteは2020年8月5日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:うちのご主人も毎朝聴いています フレンチブルドッグのスクーピー さん


どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「メインコンテンツが無料化する時代」
というテーマでお話したいと思います。

時代の変化を捉えろ

いつの世も変わらない普遍の真理だと思うんですけど、多くの人は、自分の知らないものを批判する行動をとる。悪いものを批判するのではなくて、自分が知らないものを批判します。

みなさんの周りにも、みなさん自身の中にもあると思うんですね。

知らないものを批判することが常習化している人は、今回の人生はかなり厳しい戦いになると思っていて。「未来は知らないことだらけなのに、未来をいったん受け入れない」っていうことだから。そうなると、周囲から圧倒的に遅れをとってしまいますね。

「こいつは叩き上げたら面白くなるな」と思っていた後輩がとある文化を批判していて、「批判するのは構わないけど、きちんと調べ上げて全体を把握した上で批判しているか?」と聞いてみたんです。

もしもまだよく知らないうちに批判しているのであれば、君の人生は負けに向かって歩み始めているぞ、っていうことです。

あまり他人の人生に口を挟むことはしないんですが、僕に近寄ってきてくれた子だし、うまくやれば面白く成長しそうな後輩なので、少し踏み込んだ話をしました。

一旦全体像を理解して、是非を問うのはそれからだ。ってことですね。

最近は随分と減りましたが、オンラインサロンも以前は「宗教だ」とか「搾取だ」とかよく批判されてたんですね。今でも実際にいかがわしいサロンはあると思うんですけど、いかがわしいサロンと、オンラインサロン文化の是非は別問題なんですね。

あるフランス人が殺人を犯した時に、フランス人は人殺しって言ってるようなもので、個人と国籍が混同しちゃってる。

良心的なお店があれば、ぼったくるお店があるように、オンラインサロンだって、いいものと悪いものがあるってだけの話です。

ただひとつ確かなことは、オンラインサロンを批判することは構わないけど、批判するのならばきちんと知った上で批判した方がいいと思います。

なので、10日に1回ほどサロンに投稿している記事を公にだしています。

知らずに批判している人があまりにも多くて、その人たちをそのまま放置しておくことは、時代を前に進める!って言ってる自分と矛盾しているんですね。なので、きちんと判断材料を提示して、西野のサロンに関しては「こんな感じの記事が毎日読めるメルマガみたいなものですけど、どうですか?」という感じで判断を委ねています。

ずっと10日に一度のペースで出していたんですけど、ここのところバタバタしていて1ヶ月近く間が空いてしまいましたが、今朝、ブログのほうにサロンの記事を公開しました。

2、3日前に投稿したばかりの記事です。

この記事をいまのタイミングで出すのが重要だなと思って、「メインコンテンツは売れない」という内容です。詳しくは読んでみてください。

概要をザックリお伝えすると、メインコンテンツは無料で、特典が有料になるんじゃないかなって内容です。

僕の場合だと、絵本は無料で読めて、絵本を作るまでの過程を知りたい方からお代を頂戴する。

これはすでに実践していて、僕の絵本はインスタで全ページ読めるようにしています。その絵本の制作の裏側を、オンラインサロンで有料公開している。

収益はメインコンテンツではなく、メイキングで発生しているわけです。

この形で上がった収益と、これまでどおりメインコンテンツで上がった収益、どっちのほうが大きいかなっていう問うと、少なくとも僕の場合はすでに結果が出ていて、

メインコンテンツを無料にして、メイキングであるオンラインサロンを有料にしたほうが、より大きな収益がでています。

世の中のすべてのクリエイターさんに問われている課題で、メインコンテンツは販売することを今一度疑う必要があると思っています。

感覚でいうと、ちょっとむずかしいはず。ずっと自分が作った作品を売ることで生計を立ててきた人からすると、自分が作った作品をある日突然無料でださなきゃいけない時代に変わったら、そこに対するビックリ感って絶対あると思うんですよ。

こういうことをすると必ず、脊髄反射的に批判しちゃう人が出てくるんですが、

たとえば、その人がふだんやっているスマホゲームの世界では、メインコンテンツ=無料っていうのは当たり前の様に行われている。

スマホゲームは基本誰でも無料で始められて、特典がほしい人が課金するモデルになっている。これと同じことがものづくりの現場でも起きてくるんじゃないかなと思っています。

「漫画は無料で読めます。ただ、描いているところの配信を観たい方は有料です」みたいな。

これは大きな時代の転換期であることは間違いなくて、このシフトチェンジが遅れた人から痛い目に合うんじゃないかな。

単純な話、メイキングで収益化できれば、メインコンテンツの制作にまとまった予算をつぎこめて、まとまった予算をつぎこまれたメインコンテンツが無料となったら、予算をつぎこめないメインコンテンツを無料で発信してしまっている人には勝ち目がない。

クリエイターとしてはごまかしが効かない勝負だと思うのが、メインコンテンツのクオリティがぶっちぎっていないと、メイキングが売れない点です。

収益ポイントが変わっただけで、結局、実力勝負なんですよ。

卵が先か、鶏が先かの話になってくるんですけど、メインコンテンツが強い人のメイキングが売れるのもありますが、メイキングが売れる人のメインコンテンツが強くなるっていうのもある。

つまり、裏側をのぞきたくなるようなキャラクターを持っているクリエイターの作品のクオリティが上がるっていうことが起きてくる。これ、かなり面白い実験だと思います。

試しにYouTubeのメンバーシップを有料で、僕が2週に一度、自宅にゲストをお招きして宅飲みしながらものづくりを語る『スナック西野』をスタートさせようと思っています。

ふだん飲む時は、噂話とか、愚痴とか、そういったことには一秒も時間を使わず、ずっと仕事の話をしているんですね。友達の仕事の相談に乗ったり、次に仕掛けようと思っていることの話をしたり。

その様子を買ってでも観たい人がそこそこいるんじゃないかなと思って、取り急ぎ、いつも飲んでいる蜷川実花さん、SHOWROOM前田さん、幻冬舎箕輪さんに声をかけて、ゲストで順次来てもらう様にお願いしました。

当然、ゲストの方のギャラと、スタッフさんのギャラはお支払いしますが、それ以外の収益に関しては全額寄付します。

僕の目的は、メインコンテンツ無料、メイキング有料っていうモデルがどこまで通用するかを知ることなので、とりあえず一旦やってみます。

興味がある方は、YouTubeの『西野亮廣エンタメ研究所チャンネル』のメンバーシップを覗いてみてください。

というわけで今日は、
「メインコンテンツが無料化する時代」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
興味がある方はコチラ↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?