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そろそろSNSの「分断」が始まる by キンコン西野

このnoteは2020年6月1日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:気さくな旅人愛されドクター 野村花江さん


どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「そろそろSNSの『分断』が始まる」
というテーマでお話しします。

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僕は現在6万2000人のオンラインサロンを運営しています(※ 2020年7月時点は、6万8000人)。
この「6万2000人のオンラインサロン」と「SNS(YouTube)のフォロワーが6万2000人」の違いは「コミュニティーである」という点です。

コミュニティーというのは、「そこに属している者同士が交流を取ろうと思えば取れる状態」を指します。

たとえば、カジサックのYouTubeチャンネルを登録しても、カジサックのYouTubeチャンネルを登録している人同士で、会ったりすることは“基本的には”ありません。

カジサックが「オフ会をしよう!」と声をかけて、カジサックという待ち合わせ場所に集まった者同士で「あ、どうもどうも」的なことはあっても、カジサック抜きに会うことって、あんまり無いですよね。

オンラインサロンというのは「コミュニティー」なので、(もちろん全員が全員じゃ無いですが)サロンメンバー同士の交流があったりします。

「サロンメンバーがやっている店にサロンメンバーが行く」みたいなことです。

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サロンメンバー同士の飲み会もあるし、今だと「お仕事のマッチング」とかもしているので、「サロンメンバーの会社で、サロンメンバーが働く」ということもあります。
そこに人と人との交流があるわけですから、サロンメンバー同士で付き合うことも、結婚することもある。
ちなみに僕はサロンメンバー同士の結婚式に遊びに行ったことがあります(笑)

もちろん、メルマガとして利用していただいている人もいて、そういう人は「メンバー同士の交流」を求めていません。

僕自身、いくつかのサロンに入らせてもらっていますが、基本的には「読み物」として楽しんでいて、そこでメンバーさんと交流したりはしていませんが、交流しようと思ったら、交流できる環境にはあります。
「コミュ二ティー」って、そういうことです。

コミュニティーオーナーの仕事

僕たちは、たった数名の家族でも揉めることがあるし、夫婦・恋人という「たった二人」という単位でも揉めることがあります。

これが6万2000人となると、当然、そのリスクは高くなります。

「そこをどう防ぐか?」というのがサロンオーナーの腕の見せ所です。
そんな中、僕が6万2000人のコミュニティーを運営する上で、最も気をつけていることは、「責任を人に押し付けない」ということですね。

たとえば誰かが問題を起こした時に、「問題を起こしたヤツが悪い」という結論に持っていかないんです。
「何故、その人に問題を起こさせてしまったのか?」という感じで、「問題を起こさせた環境に問題がある」と考えるんですね。

「人に問題がある」としてしまうと、その瞬間、リスクが6万2000個になってしまうので、とても対応しきれないからです。
なので、人に問題を起こさせてしまう環境に問題があるとして、環境の改善を務めるんです。

「ヒューマンエラー」は無い。あるのは「システムエラー」だと。
まぁ、そういう風に考えています。

「混ぜるなキケン」のSNS

その観点から見ると、ネットの誹謗中傷に対して、「誹謗中傷するなー!」という声を上げ続けることは(無駄とは言いたくありませんが)問題解決を目的とするのであれば、少しコスパが悪い作業だなぁと思ったりしています。

くれぐれも言っておきますが、僕は、10年間ぐらいですかね、日本で一番誹謗中傷を受けてきたタレントなので、気持ちは超わかるんですよ。
「死ね」とか「消えろ」とかいうコメントが、10年間、毎日100件〜200件届くんですね。

それを煽っているのが「メディア」というのも分かる。

▼「あの頃のキングコング西野」

やっぱり、テレビでタレントさんが「西野って痛いよなぁ。ケケケ」みたいなことをすると、「西野はそういう感じで叩いていいんだ」「西野には石を投げるのが正解なんだ」となって、もう毎日すっごい量の批判が届くんですね。

月並みですが、石を投げている側は一個しか投げてないから、そこまで重くは受け止めていないかもしれませんが、そこはやっぱ「塵も積もれば山となる」で、自分のタイムラインが「消えろ」とかで埋まると、それなりにダメージは受けます。

僕の場合は、まだ僕が強くいれたから、ラジオ等で、そういうことを面白がって(結果的に扇動して)いたナイナイ岡村さんとかに対して「テメェ、こら」的なことを言ったりしましたが、普通、そういうの無理じゃないですか。
岡村さんは僕の10年先輩です(笑)

この件は「めちゃイケ」で面白い感じにしてもらえたので、本当に感謝しているのですが、当時は、オールナイトニッポンに乗り込んで、岡村さんをタコ殴りにしてやろうと本気で思ってました(笑)。
今は、岡村さんのことが大好きですし、メチャクチャ尊敬しています。
今お話しているのは当時の話です。

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ちなみに、僕が挑戦する人を徹底的に応援するのは、そういった背景が色濃く影響していると思います。
挑戦する人が背負う痛みを、僕は身をもって知っているので。

そんな日が10年ぐらい続いたある日、「でも、ちょっと待てよ」と思うわけです。

たとえば、岡村さんにしたって、「西野の人生をグチャグチャにしてやれ」と思って発言されていたわけじゃない。
ポロっと転がした発言が、数万人に伝わって、「そうだそうだ!」となって、雪だるま式的に大きくなって、僕に直撃したと。
んでもって、「そうだそうだ!」といっている人達も、まさか、そんな巨大な雪だるま作りに加担しているとは思わずに、発言している。

ここで、「巨大な雪だるまを転がすキッカケを作った奴が悪い!成敗しろ!」としてしまうと、もう、誰も何も言えなくなります。

…こんなこと言うのはアレですけど、東野さんが僕のことをバカにするの、面白いじゃないですか。

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僕、東野さんからタコ殴りにされている時、メチャクチャ恥ずかしい(正論だからグウの音も出ない)けど、毎回笑っちゃうもん。

僕、アレは無くなって欲しくないんですね。

僕自身は天然でカッコつけているのですが、結果的に「東野さんとゴッドタンに処刑される為にカッコつけてる」みたいなところがあって、そこの食物連鎖は上手く回っています。

そして、東野さんやゴッドタンを面白がっているファンの方々が、「西野さん、カッコいいですねww」「さすが新世界の創造主ww」とバカにしてくる感じって、全然イイんですよね。
#メチャクチャ恥ずかしいけども

それは「こういう感じで面白がりましょうね」と……右手で殴っているのですが、左手はコタツの中で握手している感じがあるんです。

事態を悪化させているのは、握手していることを知らずに「殴っていいんだぁ、わ〜」と殴ってくる人達で、でも、その人達すると、僕が急に「殴ってくるな!」とキレたら、「え? あかんの?」「殴っていい、みたいな雰囲気出してんじゃん」みたいな感じだと思うんです。

ビックリすると思うんですね。
「だって、お前、東野さんに殴られてる時、ヨダレ出てたじゃん」みたいな(笑)

要するに、「ルールが違う人(ルールを知らない人)」が混ざっている環境が問題だと思うんですね。

で、結論なんですけど、ここ、まもなく世間は気づくと思います。
「混ざっていることが問題なんだ」と。
そして、その方向に進むと思います。

文化ごとにSNSは分断される

少し前まで、みんな結構バカにしていたんだけど、多くのタレントがオンラインサロンを始めて、文化ごとの鍵垢を始めると思います。

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▼ピエール中さんのTwitterは鍵垢

昔は、こういった「文化の分断」を深夜ラジオが担っていたのですが、今、深夜ラジオはネットニュースのネタ元になっているので、ちょっと難しい。

今、サロン限定アカウントでツイッターをやっているんですが、朝とか「おはよう」でタイムラインが埋まるんです。
どうですか?
このラジオをお聴きの皆さんのツイッターのタイムライン、どんな内容で埋まっていますか?
ちょっと、疲れる内容でしょ?

多くの人が、そこに見切りをつける頃だなぁと思っています。

昨日は、サロンメンバーさんから、ZOOMで英会話のレッスンを受けて、それをサロン内限定で配信しました。

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それは、皆が一斉に英語を勉強する時間で、そこには横槍が一つもないんですね。

まもなく、各文化が、この世界を求め始めると思います。
コロナによるストレスが後押しした印象があります。


というわけで、
「そろそろSNSの『分断』が始まる」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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