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『子供向け』と『子供だまし』の違い【キンコン西野】

このnoteは2023年2月3日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。

 
 

「この仕事に命を賭けていない」というのは1秒で分かる
 

なんかキングコング西野って最近あんまり見かけないと思うんですけども、実は裏では結構頑張っておりまして、Voicyとかサロンとか講演会とかサイン本屋さんといったルーティンワーク以外に、今進めているプロジェクトでいうと…
 
『映画 えんとつ町のプペル』の続編、
そして、これも二年ぐらいかけて進めていて年内完成予定のショートアニメーション作品、
そして舞台『テイラーバートン』、
そして今月いよいよニューヨークでクリエイティブ合宿が始まるファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のニューヨーク版、
あとは最新刊『夢と金』の執筆と、
あとはキングコングの映像作品、
そして意外と時間を費やしている『バンドザウルス』。
 
NFTまわりのこととか、あとはホテルや別荘やアパートの建設なんかは、僕以外にも動いてくださる方がいるので、そこは「ポイントポイントで参加する」という感じなんですけども、上にあげた作品まわりのお仕事に関しては、基本はベタ付きです。
 
そして、詳しくはウチのクリエイティブスタッフさんに聞いていただきたいのですが、作品って、どこまでいっても「人」で、人以上には大きくならないんですね。
 
なので、「スタッフを口説く」「キャストを口説く」というのが凄く大切で、一度書いた脚本であっても、「もし、お請けいただけるなら、この脚本はこうなります」という感じで、その方に合わせた「あて書き」の脚本をイチから書き直すんです。
 
脚本を使い回したりしないんです。
強い仲間を迎え入れられるなら、そんなの安いもんなので。
 
それもあって、もう朝から晩まで、ずっとアトリエの机にベタ付きで、それぞれのプロジェクトのスタッフさんと時間を割って、アレコレさせていただいています。
 
そして、それだけじゃなくて、未来の種蒔きもしなきゃいけない。
  
仕事で海外に行かせていただくようになってから、「こういうことをやろうと思っているのですが、ちょっと一度、企画書を書いてもらえませんか?」とか言われたりするんです。
 
要するにプレゼン資料の制作ですね。
建築士さんがコンペに参加したりするじゃないですか?
あれです。
 
その企画が通らなかったら、当然、何もありませんし、通れば「制作費ウン十億円」というプロジェクトになってくるので、「企画書をどれだけ魅力的にするか?」という勝負なんですね。
 
これは日本中の企業さんがやっていることだと思うのですが、それを僕もエンタメシーンでやっています。
 
「食うか、食われるか?」という血の匂いしかしない仕事です(笑)。
 
そんなことを1年365日、四六時中やっているもんですから、たとえばデザイナーさんが手を抜いてきた時とかって一瞬で分かるんです。
 
「あー、やってんなー」「流してきたなー」みたいな感じで(笑)
 
本人はバレないと思ってやっていますが、まぁ、「この仕事に命を賭けていない」というのは1秒で分かるんですね。
 
「まぁ、これぐらいでいいでしょ」という感じで出されたものに対して、「何か注文があれば何なりと」と言われても、もちろん、こちらもデザイナーさんの介護事業をやっているわけじゃないので、「ありがとうございます!」と言って、サヨナラしています。
 
少し残酷なようですが、エンタメはクリエイティブファースト、お客さんファーストなので仕方ない。
 
これは逆もそうなので。
 
僕が何かにチャレンジする時は、基本、チャンスは一回です。
その一回に命を賭けて、その一回一回をモノにしていくしか無いんですね。
 
 

「こんなんが良いんでしょ?」が刺さった歴史なんてない
 

で、今日は、多くの人が搭載している「これぐらいでいいでしょ」という謎の自信についてお話ししたいんですけども、
 
結論から言うと、
 
「お前の『これぐらいでいいでしょ』なんて誰にも刺さらないので、今日で終わらせろ」というところなんですけども…昨日、スタッフと喋ってて、『子供向け』と『子供だまし』の話になったんです。
 
「『子供向け』と『子供だまし』違いは何か?」という。
 
これに関しては、以前、コロコロコミックの編集者さんがお話されていて、それが答えなんですけども、ちょっと手元にあるので、一部抜粋して読み上げますね。
 
 
「子供向けのコンテンツとは、『大人の自分が本当にかっこいいと思っていることを、分かりやすく伝えているコンテンツ』です。
『これは絶対に子供だってかっこいいと思うはず!でもちょっと難しい(分かりづらい)かもだから、分かりやすくしよう!』…これが子供向け。
当然、自分がおもしろいと思わないものは、子供にだっておもしろくありません。
熱も伝わりません。
逆に『子供だまし』とは、『大人の自分はあんまり好みじゃないけど、たぶん子供はこういうのが好きなんだろうと思って作られているコンテンツ』です」
 
もう見事すぎる答えだと思います。
 
ここでは『子供向け』と『子供だまし』について語られていますが、これはそのまま全てサービスに言えることで、『お客向け』と『お客だまし』とも言い換えられる。
 
「こんなんが良いんでしょ?」が刺さった歴史なんてないのに、多くの人はそれをやってしまう。あれは何でしょうね?
 
地獄的に愚かだなぁと思う一方で、多くの人がそれをやるのだから、チャンスとも言える。
 
まとめとしては、「目の前の仕事に命を賭けろ」という昭和マッチョなアドバイスになってしまうのですが、まぁ、あなたの「これぐらいでいいでしょ?」は全部見抜かれているので『お客だまし』は今日で辞めた方が得策だと思います。
 
 

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