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「成功」と「失敗」【キンコン西野】

このnoteは2023年6月24日の『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。

 
 

2020年コロナ禍、観測ロケット「MOMO5号機」打ち上げ延期要請が入った時...

 
2020年、新型コロナウイルスが世界を襲った。
 
正しい恐れ方を知らない一部の人々は、正義感をこじらせ、時に不条理な自粛を他人にも求めた。
 
相手は未知のウイルスだ。
 
そうなるのも仕方がない。
 
ロケットの開発や製造、打ち上げを手がける宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」も、その憂き目にあった。
 
観測ロケット「MOMO5号機」の打ち上げを同年5月に予定していたが、打ち上げ直前になって、町から打ち上げ延期要請が入った。
 
ウイルス対策は万全だったが、町民の安心の獲得は難しかったようだ。
 
ロケットは、とにかくお金がかかる。
 
すぐに、打ち上げ延期による損失を補填するクラウドファンディングが立ち上がった。
 
インターステラテクノロジズの創業者である堀江貴文さんが、自身のYouTubeチャンネルで、支援を呼びかけた。
 
彼とは長い付き合いになるが、あんなに悔しそうな顔を見たのは初めてだ。
 
ご存知、あの性格だ。
 
打ち上げ延期要請に対して、本当は言いたいこともあっただろう。
 
だけど、町の協力無しにロケットは飛ばせない。
 
気持ちを押し殺し、言葉を選び、「力を貸してください」と頭を下げていた。
 
ここで支援が集まらなければ、彼らがずっと続けてきた挑戦が途絶えてしまう。
 
 
僕は、すぐに1000万円の支援を決めた。
 
それはオンラインサロンの売り上げで、使うアテのあるお金だったが、また稼げばいい。
 
100年に一度のウイルスに襲われ、世界中が下を向いている。
 
そんな中、ロケットが飛べば、物理的に皆の顔が上を向くじゃないか。
 
その為に使うのなら、1000万円なんて安いもんだ。
 
そして、この判断にNOを出したサロンメンバーは一人もいなかった。皆、明るいニュースを求めていた。
 
 

「失敗」とは「データが取れなかった状態」つまり挑戦を選ばなかった時

 
2020年6月14日、5時15分。
 
「MOMO5号機」が打ち上げられた。

宇宙に向かって飛んで行った機体は、発射から約1分後に姿勢を崩し、エンジンは緊急停止され、海上に落下。
 
ロケットは、宇宙空間には到達しなかった。
 
すぐにニュースは「打ち上げ失敗」と報じた。
 
SNSのタイムラインにも、「失敗」の文字が並んだ。
 
 
ここで「成功」と「失敗」について明確に定義しておきたい。
 
すべての挑戦において「失敗」とは「データが取れなかった状態」を指す。
 
つまり、挑戦を選ばなかった時だ。
 
打ち上げを見届けた帰り道、機体のバランスが崩れた原因を堀江さんが丁寧に教えてくれた。
 
今回の結果を踏まえた、次の打ち手についても。
 
これは「失敗」とは呼ばない。
 
今回の挑戦によって新しいデータが手に入り、ロケット開発は打ち上げ前よりも、前に進んだ。
 
宇宙までの距離がまた一歩近づいたのだ。
 
果てしなく続くこの改善作業の名前を「成功」と呼ぶ。
 
キミの毎日はどうだ?
 
 

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