ルールを守ることに目がいって、目的を忘れる人 byキンコン西野
このnoteは2020年10月21日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:西野さんの綴る言葉に本気で毎日感動している きただのりこ さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「ルールを守ることに目がいって、目的を忘れる人」
というテーマでお話しします。
まずは近況報告からさせてください。
昨日、映画『えんとつ町のプペル』の本予告を公開したのですが、ツイッターのトレンドのTOP3を独占して、YouTubeも急上昇ランキングで1位して……とにかく凄い反響で、スタッフ一同、本当に励みになっています。
自分達が作っているものが望まれていることほど、作り手として嬉しいことはありません。
スタッフを代表して御礼を言わせてください。本当にありがとうございます。
映画『えんとつ町のプペル』の制作は現在、最後の追い込みに入っておりまして、「今年はハッピーエンドで終わらせるぞ」とチームが一丸となっておりますので、お楽しみください。
12月25日。
100年に一度のウイルスに襲われて世界中が涙した年のクリスマスプレゼントに見合うだけの作品を必ず仕上げます。
そんなこんなで今日の本題です。
冒頭の近況報告に繋がる話でもあるのですが、「ルールを守ることに目がいって、目的を忘れる人っているよね」という話をしたいと思います。
自分が守っているルールが何の為に設けられたものなのかを疑わずに、ただ守ってしまう人のことです。
たとえば「情報解禁」なんかが一番分かりやすいのですが、映画の場合だと、昨日の予告編しかり「情報解禁日」が設けられます。「10月20日の7時に情報解禁」といった感じで、時間まで決められる。
これは理解できるんです。
そういうものを設けず、たとえば、先走って、情報を出してしまうと、「窪田正孝君が出るんだ!」とか「芦田愛菜ちゃんが出るんだ!」とか「HYDEさんがオープニング主題歌を担当するんだ〜!」といった感じで情報が出回ってしまい、その問い合わせが、各事務所にいってしまう。
事務所は、スタンバイが整っていない状況で、その対応に追われてしまうので、それは流石にマズイ。
あとは、全員が足並みを揃えて、「せ〜の!」で出すことで、話題をさらう狙いもありますね。
ツイッターのトレンドのTOP3独占とか、YouTubeの急上昇ランキング1位とかは、まさにそれで、全事務所が一斉に情報を出したから、話題が集中して、そういう結果に繋がった。
この「情報解禁」には意味があると思うんですね。
一方で、情報解禁を設けることには「作り手とお客さんの間に線を引いてしまう」という負の側面もあります。
上手くやれればいいですよ?
それこそ情報解禁時間をお客さんと共有して、生配信でカウントダウンして、お客さんと一緒に「せ〜の!」でバズらせにいって、バズらせて「やったー!」とハイタッチできれば、お客さんも作り手側にまわせる。
そんなこともせず、ただただ「情報解禁日」を設けてしまうと、お客さんからすると「自分が関わっていない作品」になってしまうので、拡散力が弱まってしまう。
「情報解禁日」など設けずに、ゼロから(作る段階から)お客さんと共有していれば、作り手とお客さんの境界線が消えて、お客さんも巻き込んだプロモーションが打てるのに、情報解禁日を設けたばっかりに、それができない。
情報解禁日を設けることが「セーフorアウト」という話ではなくて、その時の状況、そのプロジェクトごとに、情報解禁日を設けた方がプラスなのか、設けない方がプラスなのか?を考えるべきだと思います。
絵本『えんとつ町のプペル』に関しては、情報解禁日なんて一切設けなかったんです。
でも、だからこそ、都度都度のクラウドファンディングで支援が集まりました。
多くの人が、この作品を完成させて、届けたいと思ってくれたからです。
絵本『えんとつ町のプペル』に情報解禁日なんかを設けて、一人で完成させていたら、「えんとつ町のプペルを広めたい」というクラウドファンディングに支援なんて絶対に集まらない。「勝手にやって」という話なので。
情報解禁日が何の為に存在しているか何も考えずに、「情報解禁をいつにする?」といった感じで、「まずルールを守ろう」とする人って、圧倒的に損をしているよね、というのが今回のお話です。
昨日、映画『えんとつ町のプペル』のメインビジュアルが公開されたのですが、これが本チャンのポスターになるんですね。
この出来がメチャクチャよくて、僕もスマホの待ち受けにしているのですが、この文字情報を抜いたバージョンのポスターを販売しよう、という話になったんです。
アート作品として部屋や、オフィスに飾れるレベルの絵なので。
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まもなく、12月の個展会場での受け渡しを条件に、クラウドファンデイングで、この文字情報を抜いたバージョンのポスターを予約販売しようとしたら、ウチのマネージャーが商品説明欄に「※こちらのポスターの転売は禁止です」って書いたんです。
これなんて、まさに、ルールを守ることに目がいって目的を忘れる典型的な例で、「なんで、この場合の転売がダメなの?」って話じゃないですか?
チケット転売とは違って、数量限定でもないポスターが転売されることによって、誰にどんな迷惑がかかるの?って、考えたら、誰にも迷惑がかからないどころか、転売されることによって、個展会場に足を運べない人にも届けることができるし、転売されることによって、映画のビジュアルが広まるし、いい事しかない。
こういうエラーは、いろんなところで起きているので、気をつけてみてください。
映画『えんとつ町のプペル』の文字情報が入ったポスターに関しては、少し変わった動きというか、目的に合った動きをしておりまして、ポスターは、一枚でも多く、お店や学校や会社に貼られた方がいいので、昨日、メインビジュアルのポスター、いわゆる本ポスターと呼ばれるもののデータを無料ダウンロード可能にしました。
同時に、ロゴだとか、縦長のやつとか、横長のやつとか、いろんなパターンのバナーもダウンロード可能にしました。
お店や会社の名前が入れられる用のポスターもご用意しましたので、是非、プリントアウトしてください。
映画『えんとつ町のプペル』の公式サイトからダウンロード可能です↓
今日は【ルールを守ることに目がいって、目的を忘れる人】について、お話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
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2020年12月25日公開!
映画『えんとつ町のプペル』
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