今、「地域コミュニティー」が熱いbyキンコン西野
このnoteは2020年9月5日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:voicyパーソナリティ全盲メンタリストおっちーこと おちあいひろし さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「今、「地域コミュニティー」が熱い」
というテーマでお話しします。
今日は「県人会が想像以上に機能している」というお話をしたいのですが、オンラインサロンメンバーさん以外からすると「県人会とは何ぞや?」という状態だと思うので、あらためて御説明させていただきます。
今年の2月頃に、ダイヤモンドプリンセス号で新型コロナウイルスの集団感染があったじゃないですか?
あの時の政府とメディアの対応を見て、新型コロナウイルスが日本中に蔓延することは分かったので、先に手を打っておこうと思ったのが始まりです。
というのも、ウイルスが蔓延してしまうと「移動」が制限されてしまう。
僕のオンラインサロンの中には、実店舗を出されている方も結構いて、僕はやっぱり彼らのことを守らなくちゃいけない。
お店に来てもらってナンボなので、実店舗の経営者さんからすると、移動を制限されるとかなり厳しい。
そこで、ダイヤモンドプリンセス号のニュースを見て、すぐに、エンジニアさんにお願いして、飲食店を経営しているサロンメンバーさんのお店のデリバリー&テイクアウトマップを作ってもらったんです。
ポチっとボタンを押すと、地図上に、デリバリー&テイクアウトをしているサロンメンバーさんの店が出てくるやつです。
僕もそうですが、サロンメンバーさんの多くは、「どうせお金を落とすのならサロンメンバーさんの店で」と考えるので、それだったら、サロンメンバーさんの店でデリバリーを注文できるようにしようと思って、こんなことをしてみました。
ほんの僅かですが、売り上げの貢献できたらいいな、と思って。
そのあたり(今年の3〜4月)あたりから西野の中で「サロンメンバー全員を助けるモード」に入ります。
次に手を打っておかなくちゃいけないと思ったのが地震や台風といった「自然災害」でした。
政府・行政が、ここの備えを何もしていませんでしたが、3密を禁止されているコロナ禍で、もし、大きな自然災害が起きてしまったら、かなりマズイ。
「避難所に集まるのはどうなんだ?」という問題もあるし、かと言って、自然災害ともなると一人の力で乗り切れるものでもない。
くわえて、今の時代だとフェイクニュースや、誤った情報のシェアなどで、被災地の情報は錯綜するだろうから、ここをなんとかしなくちゃいけない。
となってくると近所の人(物理的距離が近い人)同士で助け合うしかないのですが、近年、近所付き合いなんてありません。
この状態で自然災害に見舞われたら終わると思ったので、6万人のサロンメンバーさんを各都道府県ごとに区切って、ご近所のサロンメンバーさん同士で繋がれるようにしたのが「県人会」です。
兵庫には兵庫在住のサロンメンバーさんが集まる「県人会」があって、熊本には熊本在住のサロンメンバーさんが集まる「県人会」があります。
で、「県人会」を作った2〜3ヶ月後に九州豪雨がありました。
あの日は、警報が出てすぐに「熊本県人会」で安否確認をおこない、警報から数時間後には熊本のサロンメンバーさんを応援するクラウドファンディングを立ち上げて、で、「熊本県人会」内で被害状況を確認し、救援物資と災害ボランティアの調整を行いました。
読み通り、復旧作業にはコロナが大きく影響していて、ボランティアさんですら簡単に集まれない状況となりました。「熊本県民以外のボランティアは受け付けません」みたいな。
なので、熊本の県人会内で、やりくりしました。
日本は自然災害大国ですから、今後も日本のどこかで同様の事態が起こりうることは確定しています。
なので、ご近所さん同士で助け合える仕組みを持っておかないといけないのですが、現代はその「互助」の設計がとことん弱い。
なので、そこを強化してみました。
こんな話をすると、「西野さん、政治家になってくださいよ」と言われるのですが、政治家ではこれはできないんです。
だって、オンラインを介して、ご近所同士で繋がろうと思ったら、普段から共有できるエンタメ(緊急度の低いネタ)を投下し続けなきゃいけないんだもの。
そこで、同じ趣味で集まった人達が、天災によって苦しめられるから、「あの人を助けよう」という動きが生まれる。
緊急度の低いネタを投下し続けるなんて、そんな暇なことができるのは、西野ぐらいです(笑)
#誰か仕事をください
そういった経緯で生まれた「県人会」ですが、ここ最近の動きがすっごくイイです。
ご近所のサロンメンバーさん同士が繋がることで、「今度はあの人の店に行こう」という話で盛り上がったりして、店の売り上げに少し貢献させてもらっています。
まぁ、この辺りまでの展開は僕も見越せていたのですが…実はここ最近、「映画『えんとつ町のプペル』を子供達にプレゼントしたい」というクラウドファンディングをしているんですね。
そこでは、各地域の子供施設(サッカースクールや児童養護施など)に「映画『えんとつ前のプペル』をプレゼントできる権」をリターンで出しているんですけども、クラウドファンディングのページを見たことがある方はイメージつくと思うのですが、リターンの選択肢がたくさんあると、お目当てのリターンを探せない。
欲しいリターンが見つからない可能性があるのに、いちいちスクロールする気が起こらないんです。
なのでリターンがたくさんあるクラウドファンディングを全体に投げても、あまり見てもらえません。
そんな中、たとえば「札幌のカルチャースクールに映画『えんとつ町のプペル』をプレゼントできる権」がリターンで出たら、そのリターンだけを切り取って、「今、こういうリターンが出ています」と、北海道の県人会に投げる。
そうすると、「おお、これ、ウチの近所にある教室じゃん。応援します」となる。
これ、全体に投げていたら、こうはなってなかったと思うんです。
県人会に投げたことで、見つかった。
情報を投げる先を絞ったことで、パイは小さくなっているのですが、マッチング率が異常に高い。
この、「しかるべき地域に、しかるべき情報を投げる」というのは、今回のクラウドファンディングに限らず、全然、横展開できると思っていて、ここは可能性の宝庫だなぁと思っています。
気になる方は一度のぞいて見てください。
オンライラインサロンはInstagramとFacebookとnoteでそれぞれやっていますが、「繋がり」を求めるのであれば、Facebookがオススメです。
というわけで、
「今、「地域コミュニティー」が熱い」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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