競合商品との比較(のプロモーション)は黄信号【キンコン西野】
このnoteは2021年6月20日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は日曜日なので、サロンメンバーさんからのご相談・ご質問に答えていきたいと思うのですが、その前に、ご報告です。
今朝、世界最大のアニメーション映画祭『アヌシー国際アニメーション映画祭』のグランプリの発表があったのですが、グランプリには、アフガニスタン難民のサバイバルストーリーを描いた『FLEE』という作品が選ばれました。
『映画 えんとつ町のプペル』も最終11組に残っていたので、ぶっちゃけ、「デビュー作でグランプリ……」というのをチョット狙っていたのですが、まぁまぁ、デビュー作でこうして世界の檜舞台に立てたし、「お楽しみは次!」といったところです。
廣田監督からも「また選ばれるように頑張ります」というお言葉を頂戴しています。
応援してくださった皆様、ありがとうございます。
そして、『FLEE』を作られたスタッフの皆様、おめでとうございます。
アヌシー国際アニメーション映画祭の結果を受けての今の心境は、今日のオンラインサロンで書かせていただきます。
先に言っておくと、結構、清々しい気持ちです。
そして、お知らせです。
僕の絵本最新作『みにくいマルコ 〜えんとつ町に咲いた花〜』が発売となりました。
(※こちら↓)
今回の物語は『映画 えんとつ町のプペル』から3年後の「えんとつ町」が舞台です。
時代が大きく変わって、職を失った主人公のマルコが、次の仕事場に選んだのが見世物小屋なのですが、そこで、ある女性と出会い、これがもう、大変なことになっちゃいます。
恋物語がベースになっていますが、今の僕の気持ちを反映させていて、ラストシーンは僕の本音でもあります。
その辺りの事情も踏まえて読んでいただけると嬉しいです。
是非、手にとって読んでみてください。
そして、こちらの作品はサイン本のご予約も承っておりまして、お求めの方は『キンコン西野のサイン本屋さん』で検索してみてください。
コチラのオンラインショップでは『みにくいマルコ』以外のサイン本も並べているのですが、僕が本当に毎朝、サインをせっせと入れて、梱包して、配送に励んでおります。もう内職中の内職です。
(※こちら↓)
よろしくお願いします。
そして、お知らせがもう一つあります。
月に2度、僕の友達を僕の自宅に招いて、呑みながら語り明かす『スナック西野』という月額590円のYouTubeのメンバーシップをやっております。
ただ呑んでるだけっちゃあ、呑んでるだけなのですが、お越しになられるのが各業界のトップランナーの方々で、そういう人達は、呑みの席の話が一番面白いんです。
なぜなら、まだ世に出していないプロジェクトだったり、世に出しているプロジェクトの裏話だったりするので、早いし、本質的なんですね。
今週のゲストは堀江貴文さんで、昨日、配信があったのですが、ご覧になられましたでしょうか?
10分の無料版は「お久しぶりで〜す」といった感じで、ゆるく始まったのですが、本編が始まってからは、「ITの寵児たる堀江貴文が何故、和牛に力を入れているか?」みたいな話をメインにグイグイ進んでいきます。
これが、メチャクチャ面白かったし、後半は二人とも酔っ払っているので、是非、ご覧ください。
参加される方は、僕の公式YouTubeチャンネル『西野亮廣エンタメ研究所』の画面下にある「メンバーになる」をクリックしてみてください。
「スナック西野」は隔週土曜日放送です。
(※コチラ↓)
そんなこんなで、本題です。
#前置きが長くなってすみません
今日はオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所」に届いたご質問に答えていきたいと思います。
ランダムに3つほど選ばせていただくので、選ばれなくても恨みっこナシでお願いします。
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【Q】なかたサン
お笑いのBtoCコンテンツでビジネス的に成功(利益とユーザーが一定数以上)するためのヒントをください!
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【A】
「Bto C」というのは、企業が直接お客さん(消費者)にサービスを提供するビジネスモデルのことですね。
芸人の場合だと、テレビのような広告費で回すモデルじゃなくて、お客さんからのダイレクト課金で回すモデルになります。
その「お笑いのBtoCコンテンツでビジネス的に成功する為には?」というのが今回のご相談ですね。
まぁ、「詳しくは4年前に出した『革命のファンファーレ』という本を読んでください。そこに全部書いてます」といったところなのですが、それだと答えにならないので、それなりの返事をさせていただきますと、めちゃくちゃリアルな答えを言うと、重要なのは「お客さんの教育」ですね。
くれぐれも、「芸人としての力量」だとか、「お客さんの届ける作品・サービス」のクオリティーが一定レベルと超えているのが大前提です。
そこを超えていないのであれば、話にならないので。まずはクオリティー。その上で、大事なのが「お客さんの教育」という話です。
「教育」って何の教育?と思われていると思うので、ご説明します。
これは、本当によく言ってますが…今から8年前、僕がクラウドファンディングをした時に、まわりの人達は何と言ったか?
「詐欺師」「ネット乞食」「信者ビジネス」です。
で、「クラウドファンディングをした」という理由で炎上しました。
他にも、今から、たった2年前。
YouTuberの水溜りボンドさんとか、東海オンエアさんとか、フィッシャーズさんとかが大炎上したんですけど、炎上した理由、知ってますか?
「メンバーシップ(有料チャンネル)を導入したから」です。
「なんで、金をとってんだよ!」という批判が相次いだんです。
今だと考えられないでしょ?
すごくないですか?
サービスを提供して、お金を取ろうとしたら、「なんでお金をとろうとしてんだよ!」ですよ(笑)
少なくとも僕の場合は、ファンの方というよりも、その周りにいる「クラウドファンディングなんて聞いたことがないけど、なんか怪しいやつだろ!」という認識でいる人達が批判したんですけども、場合によっては、ファンの方がその認識でいることがある。
昔、僕の後輩の「ニューヨーク」というコンビが、僕がやっているクラウドファンディングを指して「それって、新手の詐欺ですよね?」と冗談半分でイジってたことがあったのですが、それをやっちゃうと、ニューヨークのファンの方(一部のファンの方)は「クラウドファンディング=詐欺」とインプットしちゃうわけじゃないですか?
そうするとニューヨークがクラウドファンディングをする時に、やっぱり苦戦しちゃう。
自分達で作った誤解を、自分たちで解かないといけないから、余分に労力がかかる。
Noteで文章を売ろうものなら「情報商材を売ってやがる」と言っちゃう人って今でも一定数いて、それが自分のお客さんがだったら、BtoCもヘッタクレもないですか?
そんな彼らが許容できるのは、オンラインショップで売られる「フィジカルな商品」だけで、クラウドファンディングのリターンでフィジカルな商品を出しても「詐欺師」と批判する場合がある。
それだけだと厳しいので、まずは、お客さんに、そういった類のものを「正しく知ってもらう」というのが大事だと思います。
頑張ってください。応援しています。
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【Q】慎太郎さん。
あきひろさん!
いつもVoicyとサロン記事ありがとうございます。
私はただのサラリーマンなのですが、何の商品を作る事にしたらいいと思いますか?
ちなみに私は、現在なんのスキルも持ち合わせておりません!
こんなの作ってくれる人いたら面白いなぁっていう物があったら教えてください!
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【A】
丸投げ~(笑)
「私は何の商品を売ったらいいですか? ちなみに何のスキルも持ち合わせてません」という相談ですね。
これは「副業」ということなのか、それとも、「今の会社を辞めたとして、次にどうしていったらいいか?」ということなのか、ちょっと分からないのですが…えっと、、
会社というのは、基本、突出したスキルを持ち合わせているわけでもない人でも仕事ができるように体系化しているんですね。
で、仮に慎太郎さんに何のスキルもなかったとする。
そうなってくると、慎太郎さんが商品を売る相手というのは、「消費者」じゃなくて、「会社」の方がいいと思います。
会社に慎太郎さんの商品を売るんです。
「いやいや、慎太郎さんの商品って何よ?」という話になるわけですが、答えは「慎太郎さんの時間」です。
「時間」は慎太郎さんが持っている商品の中で、最も売れる商品です。
なので、今は、会社員になるか、副業でアルバイトをするのが一番良いと思います。
そして空き時間を使って、何かのスキルを身につけるのがイイ。
特別なスキルがあれば話は別ですが、何も持っていないのであれば基本的には、起業家に憧れて、起業したりしない方がいいと思います。
応援しています。頑張ってください。
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【Q】誠さん
上手に比較するにはどのように考えればよいですか?例えば映画えんとつ町のプペルの良さを友達に伝える時に、良さをうまく伝えるための比較とか。
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【A】
白状すると、一対何を訊かれているのか把握できていないのですが、頑張ります!!
まず初めに、「比較」する際のマナーみたいなものを押さえておいた方が良いと思います。
比較というものは「違い」を浮き彫りにするものであって、「良し/悪し」を決めるものではないということですね。
たとえば「Aの映画館よりも、Bの映画館の方が音が大きかった」という比較。
僕は大きな音の映画館が好きなのですが、小さい子供をお連れのお母さんは、「大きな音のは子供がビックリするから、ちょっと…」となる。
「音が大きい」は、僕にとっては「良し」でも、子連れのお母さんにとっては「悪し」なわけで、人によって違うんですね。
ただ、「違い」を伝える為だけのツールであるのに、そこに自分の主観を織り込んでしまって、「良し/悪し」を決めるツールとして使っちゃってる場合があるので、そこは気をつけた方がいいのかなぁと思います。
んでもって、「上手に比較する為には」という話なのですが……それは本当に時と場合によるので「こうやったら上手くいくよ」という話よりも、「これをやっちゃったら結構マズイよ」という話をしたいと思います。
多くの人が踏んじゃっている地雷です。
それというのは、自分の商品を売る時に、「自分の商品と他社の商品を比較して、他社の商品を落とすような宣伝」です。
「アチラの商品よりも、ウチの商品の方がいいよ」みたいな。
これ、結構、皆やってるんだけど(まぁ、もしかしたら僕も無意識のうちにやっちゃってるかもしれないんだけど)、これはあまり得策じゃない。
「何かと比較して獲得した顧客は、何かと比較して離れていくから」です。
つまり、「ウチの商品の方がB社の商品よりも10円安いですよ」という売り文句で顧客をつかまえても、ウチの商品よりも更に10円安い値段で提供しているC社の商品が出た時に、そっちに流れちゃうんです。
そうすると、「最終的にC社に流れる顧客」をせっせと獲得しにいったことになる。
「小ジワなんて一切受け入れない、『いついかなる時も若い女にしか目がない男』を口説くのに、時間を費やした」みたいな感じです。
「比較」での集客って、諸刃の剣なんです。
なので、もし自分の商品やサービスの良さを伝えるのであれば、他者と比較せず、自分がこの商品やサービスにどれだけの愛情を注いでいるかを伝えることの方が、遥かに効率的だと思います。
そうすると、比較しない人が顧客になるので。
「西野さんのお店は他のお店よりも10円高いのね。へぇ〜」で終わる。
なので、もう一度おさらいすると、「比較で獲得した顧客は、比較で離れていく」です。
覚えておいてくださ〜い。
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