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キンコン西野が溜め息をこぼす「残念な行動」

このnoteは2020年7月29日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:愛媛から世界を楽しくする坊さん しゅうはん さん


どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「キンコン西野が溜め息をこぼす『残念な行動』」
というテーマでお話したいと思います。



あ、それをやっちゃったの……

さて今日は、私キングコング西野亮廣個人が、溜め息をこぼしてしまう「残念な行動」を一挙公開したいと思います。

一挙って、どこまで行けるか分からないですが、時間の許す限り公開したいと思います。
あくまでも、人格否定ではなく、すっごく、人自体は本当にすっごく素敵なのに、この行動はちょっと残念だなあという、その行動にフォーカスを当てた話です。

否定することって否定する側にもリスクがあるので、おそらく、身近な人ほどあまり教えてくれないことだったりもするでしょうから、ぜひ参考にしていただきたいです。

くれぐれもこれは、西野個人が勝手に思っているというだけなので、こういうこと思ってる人もいるよという感じで、参考にしていただけると嬉しいです。

というわけで早速ですね、キングコング西野が溜息をこぼす「残念な行動」その1は、
「しつこく差し入れをする」です。

もうこれはね本当に、
何度も言っておりますが、世の中で一番厄介なものとは、誤った正義であると。
これは間違いないんですね。

戦争がそうですね。己の正義を貫いた結果、大量に人を殺してしまうという。
やっぱり、「自分は正しい」と信じて疑っていない人というのは、人の意見を一切聞かない。

まだ犯罪者とかの方が「お前悪いことしたぞ」というと、自覚もありますから、「そうっすよね」みたいな感じになりますが、「自分は正しい」という正義で動いてる人は、人の意見を一斉聞かないんですね。

その典型が、差し入れであるという。差し入れをする人には、「あの人が喜ぶためにやってます」という正義があります。

例えば、差し入れが、友達間や、恋人間、親子間で行われる場合ならば、それでいいと思うんです。それは処理できる量なので。

ところが、少し距離の開いた人に贈る場合になるとそうもいかなくなってしまいます。有名な例では、被災地の千羽鶴問題がありました。善意のはずが、大量のゴミを生んでしまい、そのゴミ処理を被災者にやらせるという問題です。

もう本当にめちゃくちゃ迷惑なのですが、
だからといって、「迷惑ですよ」とは伝えたくないですよね。伝えたくないですが、伝えなければ被害がどんどん大きくなってしまいますね。

そこでやむなく「迷惑ですよ」と伝えると、「お前たちのためにやってるんだぞー」と。

差し入れする側が、贈り物をする側が、暴走してしまうというのがあるじゃないですか。

僕は子供の頃に、「食べ物を粗末にしちゃダメ」と厳しく育てられてきたものですから、劇場のゴミ箱に大量に捨てられてある、ファンの方からの差し入れを見るのが、嫌で嫌で仕方がないんですね。

当然、捨てる方はもっと嫌だと思いますよ。
だって、絶対捨てたくないじゃないですか。

劇場に出られている方や、スタッフさん、ライブハウスに出られているアーティストさんは、作り手の気持ちがわかるんです。

職人さんはこうして捨てられるためにこのモノを作ったわけではないということも知っているんです。

しかしながら、もしそれがなまものだったら、処理もしきれないので、仕方がないですね。

そういうことが本当に嫌なので、あらかじめ「差し入れは要りません」ということをお伝えするわけですが、
逆に、「何だったら嬉しいですか」と聞いてくる人もいます。

もうこれ、会話ができないレベルじゃないですか。
これが正義の厄介なところですね。

中には、「要らなかったら誰かにあげてください」と言う人もいるんですよ。
自分が要らないものをもらってくれる人を自分が探さなければならない。

この一連の行動で気持ちよくなってるのって誰かというと、
差し入れしている人なんですよ。その人しか得してないんですよ。

人にミスマッチなものを渡すことは、相手の両腕と時間を乱暴に奪う罪深い行為です。

どれだけ酷い事をしてるかというと、別のもので置き換えると想像しやすいかもしれないね。
例えば、犬とか猫がゴミ箱に捨てられてたらどう思いますか?

おそらく、生き物をなんだと思ってるんだってぶちギレると思うんですね。
相手が処理しきれない食べ物を渡すということは、そういうことですね。

相手を喜ばせるという気持ちはすごく素敵だと思うのですが、その方法を誤ってはいけない。

お坊さんみたいなこと言いますが、生き物を殺した時は感謝して食べなければならないし、食べることができない生き物を殺しちゃダメだということですね。

過去、それに対して自覚がなかった自分がいたのであれば、ここは本当に反省された方が
いいんじゃないかなということを思います。

続きます。既に5分位しゃべってしまったので、2つぐらいしか紹介できなさそうですね。

というわけで、「残念な行動」その2ですね。
その2は、「自我を保つために知識量で負けている人をイジる」です。

これは、難しい言葉ですが、おそらく多くの方がもう気付いていることです。
お恥ずかしい話、今この光景が一番見られるのは、テレビなんですね。

イジるという行為を否定しているわけではないのです。イジって面白くなるのであれば、
イジって欲しいんですよ。

僕はもう『ゴッドタン』で肛門までいじられているので。それで面白くなるなら、いいじゃないですか。ただ、そこにはやはり上品・下品の線引きはあると思っています。

例えば、それこそ『ゴッドタン』では、テレビでうまく立ち回れないという感じで、『東京03』さんをたまにイジったりするのですが、

そこには『東京03』さんのコントに対するリスペクトがめちゃくちゃあって。

「一応、バラエティーショーだからこんな扱いをさせてもらってるけど、とはいえ『東京03』のコントには勝てないよな」という、制作陣の心の声がもう画面から聞こえてくるんです。そこはほんとにスカッとしていて、男子校っぽくて、めちゃくちゃ気持ちいいんですね。

当時、有吉さんがあだ名で流行っていた時に、和田アキ子さんに、「リズム&暴力」という、「R&B」に掛けたあだ名を名付けられたのですが、
あの感じはもう本当に素敵で、「一流の歌手ですよね」というリスペクトが見えるじゃないですか。

裏側で手を握ってる感じが、すごく気持ちよくて、そこさえあれば、技をかけられる側も、煮るなり焼くなりしてくださいと思える。

そしてその関係性が画面越しに伝わってくるので、見ているほうも、湿っぽさが全然なくていいんですね。

それで、最近テレビを見ていて痛々しいなと思うのが、例えば、『フワちゃん』のレベルに着いていけていないのに、『フワちゃん』よりも下ということを認めたくないテレビマンが、『フワちゃん』を変な人としてイジることで自我を保とうとしている瞬間。

今は例えで『フワちゃん』を出しましたが、それこそ、ネットでワーって盛り上がっている人がテレビに出た時に、テレビマンの処理能力が追いついてない場面って、最近増えて
きたなぁと思っています。

それに対して、「わかんない」って言ってくれたらめちゃくちゃ素敵なのに、なんか全部わかった風に腕脚を固めてるのに、何も決まってないという状態があって。

それがもうね、痛々しくて見てられないんですよ。これ、20代の子が見たら完全にバカにしてるだろうなということがもう、見えるので。

ここをそろそろ言語化した方がいいなと思っています。僕はテレビが超好きなんですね。
ただ、今表現活動をされている方々のテレビの出方は、昔とちょっと違っていると思います。

自分の youtube チャンネルの宣伝で出るとか、自分のInstagramの宣伝で出るという感じになってきています。俳優さんが、映画やドラマの宣伝でバラエティや情報番組に出るような感じですね。

当然、俳優さんは映画やドラマを見る気が失せるような扱いをされる番組には出ないわけ
じゃないですか。当然、番組側はそれを理解し、 WIN-WIN になるように、企画構成をします。

ところが、Youtuber になった途端、上下関係を作って、「頭のおかしいやつ」みたいな扱いをしようとする番組制作者がいて、そうなると、その Youtuber さんからすると、その番組に出る理由が一個もないんですね。

じゃあおじさん同士で勝手にやってくださいという話になるので。
こうなるとテレビは才能のプラットフォームにはなり得ない。

そう考えると、『ダウンタウン』さんとか本当にすごくて、「へー」とか「なるほど」とか「ちょっとそこ詳しく聞かせて」とか、一通り全部受けた後に、一言で落とされるので、誰も傷つけていないんですね。

結論、「ダウンタウンが好き」という話になってしまうのですが、なんか、テレビが好きなだけに、イジる知識のない一部のテレビマンが自我を保つためにイジってる現場を見るたびに、辛い気持ちになってしまうのです。
やっぱりね、みんなで面白い方向に向かいたいなーということを思います。

ワーワー言ってるあいだにお時間が来てしまいましたね。
なんだかんだで今日は2つしか紹介できなかったので、また日を改めて続編をお届けしたいと思います。
  
というわけで今日は、
「キンコン西野が溜め息をこぼす『残念な行動』」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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