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【教えてキンコン西野さん】貯金って必要?

このnoteは2020年3月12日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:三口 誠 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今朝はですね
【教えてキンコン西野さん】貯金って必要?
というテーマでお話したいと思います。

財産が減る瞬間を明確にしよう

Voicyのコメント欄に質問が来ていたので、このご質問にお答えする形でお話していきたいと思います。

だうえドラゴンさん、コメントありがとうございます。

こんにちは、質問です。

例えば、急に大きなお金が必要になった場合、貯金がなかったらどう対応しますか?

今回、そして過去の放送で貯金をする=正しいは既成概念ということは納得しました。

しかし自分が病気になって働けなくなったり、親の手術費が必要になったりして大きなお金が急に必要になる場合もあります。

その場合、『信用があれば』では済まないような気がします。
これを綺麗に言語化して説明したくてもできません。

西野さんならどう言語化しますか?

というご質問です。良い質問ですね。

以前お話しした「みんな何も考えずに貯金してるけど」っていう話を受けて僕が喋ったことがあります。

「とはいえ、まとまったお金が急に必要になる場合もあるじゃん。その場合はどうするの?」っていう話が今回だと思います。

余談ですが、「貯金」っていうのはゆうちょ銀行とか、JAバンクにお金を預けることを指していて、銀行にお金を預ける時って「預金」っていう言い方をしたりします。

預ける機関によって呼び方が変わるんですけれども、この辺はどうだっていいことなので今回は話を分かりやすくするために、「お金を預ける」とか、「貯める」っていう行為全般を「貯金」という言葉で統一させてください。

僕なりの結論を先に申し上げますと、

貯金が必要な人もいれば、貯金が必要じゃない人もいるよ

っていうところです。

具体的に話していくと、要するに、お金に両替できる財産を持ってるか否かっていうところです。

自分の話をしたほうが説得力が出ると思うので、お話しますね。

僕、お金の管理は税理士さんに任せているんですが、当然支払わなきゃいけない税金は、銀行の口座に残しているんですね。まもなく税金の支払いがあると思うんですけども。

ちなみに、その税金を払ったら僕の銀行口座の残高はほぼほぼ無くなります。

なくなるんです。そうなんです。

「なんか西野キレイ事言ってるけど、とはいえお前貯金してんだろう」って
思われてる方もいるかもしれないですが、本当にしてないんです。

貯金していないどころか、僕は自分の会社である株式会社NISHINOで働いているんですが、何となく自分が出した売り上げってあるじゃないですか。

例えば、オンラインサロンなどがすごく分かりやすいと思うのですが、お店を出しているわけではないので土地代はいらないし、原価もかからない。

基本僕が、毎朝2000〜3000文字の記事を投稿するだけなんです。

となってくると、オンラインサロンを運営する上でかかってくる費用、つまり運転資金というのはカード決済の手数料と入退会の手続きをしてくださるスタッフさんのお給料ぐらいです。

ほとんど利益っていう状態なんですが、僕の収入は会社からの役員報酬と固定給の形をとっていて、そこでいただいているのは自分が出した売り上げの1/50程度です。

嘘だと思われるかもしれませんが、本当です。

100万円稼いだとしたら受け取っているのは2万円っていう状態ですね。

では、残りのお金を何に使ってるかというと、サロンメンバーさんが面白がれるようなエンタメとか、社会に還元しています。

分業制で本を作って世に出したりだとか。
エッフェル塔で入場無料の個展を開催して楽しんでいただいたりだとか。
海外に小学校作ってプレゼントしたりだとか。
大きな挑戦をするサロンメンバーさんにベーシックインカムっていう形で毎月活動資金や生活資金を援助したりだとか。

自分が稼いだお金を何かしらに置き換えているんです。

ここは、僕と一般的な親世代との認識がズレるところなんですが、僕の父ちゃんとか母ちゃんとかって「1000円使ったら1000円が減る」って考えちゃうんですよ。

もっというと、1000円分の資産、財産が減るって考えちゃうんです。

でも違うんです。基本はトレードオフです。

1000円を使ったら、1000円分の何かが手元に入ってきています。

それが情報なのか、土地なのか、1万人に感謝されるっていうことなのか。

何に使うか変わってきますが、いずれにせよお金を使っても、基本自分の財産というのは減らない。ここが基本です。

でも、減る場合があるんです。

じゃあ、どのタイミングで自分の財産が減るかというと、以下の3つですね。

(1)1000円で500円のものを買った瞬間
(2)手持ちのお金を減らし続けるもの(負債)を買った瞬間
(3)何も買わなかった瞬間

物価というものは上がり続けてます。

今はりんご10個が1000円で買えたとしても、10年後にはりんご10個が1万円になってしまうかもしれません。

じゃあ今りんご10個を買わずに1000円を10年間銀行に入れていたら、10年後にはりんご一個しか買えなくなってしまうでしょう。この瞬間財産が減っているのです。

自分が持っている資産が減っています。
ここは気をつけておいた方がいいと思います。

では僕が1000円を使って10人の人をめいっぱい楽しませたとするじゃないですか。10人を楽しませることに1000円を使ったとする。

その僕がいつか、お腹ペコペコになったとします。
でももう1000円を使っちゃったから、僕は手持ちがないんです。

銀行の口座には1円もない状況です。
これがご質問にあったような急用の場合だと思います。

じゃあキングコング西野はそこで飢えるかというと、多分飢えないでしょう。

その10人のうちの誰かが、あの時のお礼ということでご飯をご馳走してくれるかもしれません。

場合によっては、3日続けてご馳走してもらうかもしれず、そうなると合計1000円以上のものをいただいていて、むしろ財産は増えていることになります。

これは、病気の場合にも当てはまります。

例えば、僕が今大きな病気にかかったとします。だけど、手術費用は1円もないと仮定して、そこでクラウドファンディングをしたら多分手術費用ぐらいは集まるかもしれません。

それがまさに、社会に還元することで、これまで貯めた信用というものが
お金に両替される瞬間なのです。

説明を簡単にするために、税金とか金利など細かいことは端折って喋っておりますが、厳密にいうとちょっと違うところもありますね。

要するに、お金を使っても手持ちの財産は減らないということをざっくり覚えておいた方がいいと思います。

ただし、さっき申し上げたとおり、減る場合もあるので、この辺は押さえておくといいと思います。


また、貯金が必要な人もいるというお話をさせて頂きましたが、先ほど紹介した3つを通して、なぜ貯金が必要な人がいるか見てみましょう。

(1)1000円で500円のものを買った場合
(2)負債を買った場合
(3)何も買わなかった場合

この減り方は、それぞれ大大小なんです。

1000円で500円のものを買った場合はお金がドンと減ります。

そして負債を買った場合、例えば、新国立競技場みたいなのを買ってしまったら、お金がドンと減るわけです。

何も買わなかった場合ももちろん減りますが、ちょっとしか減らないのです。

銀行に預けたら、減りはするけどちょっとしか減りません。

貯金がなぜ必要かというと、貯金をしなかった場合、負債を買っちゃったり、1000円で500円のものを買っちゃったりするからです。

つまり大きく怪我するのであれば、小さい怪我でおさめておこうっていう延命処置ですね、貯金というのは。

そこの判断がつかない人は貯金しておいた方がいいという、そういうお話でした。

というわけで
【教えてキンコン西野さん】貯金って必要?
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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