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モノには『指示』が含まれている byキンコン西野

このnoteは2019年10月15日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:松田ゆりこさん

どうもこんばんは。
キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をやったり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」の運営をしたりしております。

今日は「モノには『指示』が含まれている」
というテーマで、お話ししたいと思います。

アフォーダンス

ぼくなんとなくですね、ビジネス書を書くのも、もう飽きちゃってるんですけども。

オンラインサロンを運営することで学んだことがあまりにも多すぎたので、
来年とかにまとめて1冊の本にしようかな、と思ってるんです。

『リーダーの歩き方』っていうタイトルが一番しっくりきているので、
今のところ、仮で『リーダーの歩き方』としているんですけれども。

この本の結構最初の方にですね、
「モノには『指示』が含まれている」
というお話をさせていただいています。

どういうことかというと、

例えば、部屋に入るに「ドア」があるじゃないですか。

あれって、そのドアにドアノブがあれば、それをひねる。
ドアノブをひねって、この扉を奥に押すか手前に引くかっていう「指示」がドアノブには含まれてるじゃないですか。

ドアノブの横には「ひねってください」なんて書かれてないし、
横に説明書きはされてないですよね。

「ドアノブ」っていうデザインのおかげで「ひねればいいんだ」っていうのはわかるし、
扉を奥に押すのか、手前に引くのか、っていうのは、
デザインですべて説明がなされている、と。

一方例えば、
ドアノブじゃなくて、ドアに手を引っ掛けるところがあれば、
「横にガラガラと動かしてくださいね」
っていう指示が含まれている。

この、
「デザインでもって、人の動きをデザインする」、
「モノのデザインでもって、人の動きを決めてしまう」というものを、
デザインの用語で「アフォーダンス」というんです。

有名なところでいうと、
ドアのトイレの小便器に的のシールを貼ると、みんなそこを狙っちゃう。

「おしっこを飛び散らすさないで下さい」

って、注意するのではなくて、
トイレの便器のど真ん中に的のシールを貼るだけでよかった、っていう。

リーダーっていうのは、こういうのを使わなきゃいけない。

なぜかというと、

リーダーって考えなきゃいけないこと一杯あるんですけど
そのうちの一つでやっぱり「お金の問題」があるんです。

予算の問題ですね。

例えば、イベントひとつとっても「人件費」がかかってきたりします。

その時に、
「静かにしてください!」って叫び続けるスタッフさんを1日雇うのって、
10人雇ってしまえば、それだけで10万円かかってしまうし
100人雇ったら、100万円かかってしまいますよね。

じゃあこの「静かにしてください!」と叫ぶだけの人を立たせるのがいいのか、

そうではなくて、

「静かにしなきゃいけないんだ」っていう指示が含まれている「モノ」を配置すれば、
その人件費って、ごっそりカットできるわけです。

例えば、廊下のライトをすべてろうそくにするとか。

ろうそくには「明かりを灯す」という意味・役割があるんですけど、
その裏に、なんとなくですけど
「静かにしましょうね」っていう指示が含まれている。

モノにはそれぞれそういった「指示」が含まれている。

ろうそくは「静かにしましょうね。」
一方で、ビカビカのLEDみたいなライトには「騒いでいいですよ」っていう指示が含まれている。

そういうふうに、
「指示が含まれているものを配置して、人件費を削る」
っていう方法が、あるんです。

べつに、リーダーや会社の社長だけではなくても、
例えば、ご家庭のお母さんもそうですよね。

「テレビを見るな!」じゃなくて、
テレビを見えないように、家をデザインしていく。

家を設計するとき、引越しして新築とか住むときに、
自分たちどこからリビングを設計していくかっていうと、まず「テレビの位置」を決めちゃう。

テレビの位置を決めて、
その前に目の前に向かうようにソファーをおいて、
その間にローテーブルをおいて、
その横にちっちゃめのテーブルを置いて、
その横にエアコンのリモコンだとか、テレビのリモコンだとか、置いちゃう。

そうすると、
家に帰ってきて一番居心地のいい場所は、そのソファーになってしまいますね。

ソファーに座ったら横にリモコンがあって、目の前にテレビあるから、
「自然とテレビをつけてしまう」
ということですね。

これ、どういうことかというと、
「テレビを見るようにアフォーダンスが仕上がっている」ということです。

テレビを見るように家を設計しているのにも関わらず、
「テレビを見るな!」
っていうのは、けっこう無駄骨で。

子どもに勉強させるために本当にやらなきゃいけないのは、
「テレビを見ずに勉強させるように、家を設計する」必要があるっていうことですね。

ここで、無駄なコストを割くことができます。

「勉強しなさい!」とか「テレビ見るな!」とか言う
コストを割くことができるので。

まとめ

リーダーっていうのは、
そういうアフォーダンスをちゃんと設計していく、

つまり、
「ものには指示が含まれている」ということを把握して、
モノを配置していく。
これは、重要なリーダーの要素だと思います。

というわけで、今夜は、
「モノには『指示』が含まれている」
というテーマで話させていただきました。

わたし、twitter 等でみなさんの感想を見てはニヤニヤしているので、
感想をつぶやいていただけると嬉しいです。

今日は、こんなところで終わりたいと思います。
素敵な夜をお過ごしください!

西野亮廣でした。

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