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「単利型の仕事」と「複利型の仕事」を把握しろ byキンコン西野

このnoteは2019年11月11日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:川上 拓人さん

おはようございます。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

西野の性欲がすごい

ここ最近ですね、やたらエッチの話をしてるな、と思ったんですね。

事実ですね、最近、性欲がすごいな、と思って。
なんでこんなに性欲が強くなったのかなって。
前に比べて強くなったのは明らかなんですよ。

なんでなのかなって考えたんですが・・

僕は、自分の会社の経営で社長をやっていたんですけど、ちょっと前に会社の社長のポジションを友達にあげちゃって、クリエイティブに専念するっていう風にしたんですよ。

これがけっこうな決断で、会社の経営みたいなことをしていると、売上とか色んな結果があがっていくのを数字で確認できるわけじゃないですか。
そうすると、仕事した気になるんですよ。
「仕事してるなー」とか「頑張ってるなー」っていう気になって、それで安心しちゃうんですね。

実際、(自分がオーナーの)株式会社NISHINOの業績が、どんどん伸びていっていたので、「俺、がんばってるな」っていう安心材料にはなっていたんですけど・・

でも、ちょっと待てよと。

『世界とってる人』を考えたときに、
世界で戦っている人っていうのは、日本で言ったら村上隆さんとか、村上春樹さんとか、草間彌生さんだとか、『ONE PIECE』『NARUTO』『ドラゴンボール』とか・・・
やっぱ『作品作ってる人』だよなぁと思って。

メガヒットさせようと思ったら、やっぱり、自分的には作品だな、会社経営じゃないな、と思ったんですね。
会社経営で世界的に活躍される方もいらっしゃいますが、
自分の肌に合うのはどっちかって言ったら、作品、って方向だなって。

僕が会社経営みたいなことをやっても、そこそこ結果出して、そこそこいい気になって、っていう感じで終わりそうだなぁ、イヤだなぁ、と思って。

いやいやちがう、メガヒット作品を作るんだ
クリエイター、作家に専念するぞ、
と決めてですね。

会社の経営みたいなものを、ぜんぶあげたんですね。

けっこうなことだと思うんですよ。
年間売上がけっこうあったわけですよ。

変な話ね、それをまるっとあげて、僕は役員報酬って形でお給料をいただいて仕事をしてるんですよ。まぁまぁ、それは全然いいんです。

僕はもう余計なことを考えたくなかったんで。
で、ものづくりに専念するんですね。

そうすると、結論なにかと言うとですね、
「おもしろいものを作らなかったら、僕は生きてる価値がない」
ってことです。なにも生み出してないので。

会社経営してる時は、毎日毎日、売上あげていってるし、価値はあったんですけど、今の僕はおもしろいアイデアをださなかったら、生きてる価値がないっていう状況になったんですね。

毎日、朝起きて寝る寸前まで「おもしろいことないかなぁ」ってインプットしつつ、考えるわけですね。

そんなしょっちゅうでてこないですよ、おもしろいこととか。おもしろいストーリーとかって。「あ、今日もダメだった」の連続なんですね。

たまにズバン!とあたってくるんですけど、基本的にはでてこない。

こうなってくると、
僕はうつ病ではないし、病んでるわけではないんですけど、
「死んだほうがラクだな」って思う気持ちが、ちょっと最近になってよくわかって。

「死んでしまったらこの苦しみから逃げれるんだ」
って思ったら、いや、僕は死ぬ気ないですよ。おじいちゃんまで生きる気満々なので。

だけど、死ぬ人の気持ちはちょっとわかるなってなってから、性欲がすっごい増えた。
これ、動物的な感じだと思うんですよね。
死ぬ、みたいなことをよぎってからのほうが、性欲増えたんですよね。
子孫残そうとしてんのか、わかんないけれど。

最近、ものづくりか、エッチのことしか考えてない。

そんな感じで、ついには『僕らの時代』でもセックスの話してたし、『ダウンタウンなう』でもエッチの話してたし、『voicy』でもエッチの話ばっかしてるなぁって。

まぁでも、事情がそういうところにある、っていうのをご理解いただいて、やさしい目でみていただけるとうれしいです。

そもそもはクリエイティブに専念したところからはじまってる
っていう、そういう話でございます。

というわけで、今朝はですね
「『単利型の仕事』と『複利型の仕事』を把握しろ」
というテーマでお話したいと思います。

ギュイイイイーーーン!!

この『単利型の仕事』と『複利型の仕事』。

そもそもこの『単利型の仕事』と『複利型の仕事』って言葉があるのかどうかはわかりませんが、「単利」と「複利」って言葉はあって、

じゃあ「単利」と「複利」って一体なんなんだってことを改めてざっくり説明すると、
銀行とかにお金預けると金利、利子がつくじゃないですか。

金利には「単利」っていうのと「複利」っていうのがあって、

「単利」っていうのははじめの元本に金利が付く仕組みですね。
つまり、元本が100万円で金利1%だとすると、1年後には101万円になっている。2年後には102万円になり、3年後には103万円になる。

金利1%だと、元本100万円に対して、1年で1万円ずつ増えていくっていうのが、「単利」ですね。

じゃあ「複利」っていうのはなんなんだと言うとですね、
元本プラス金利に、金利が付く仕組みです。

たとえば、元本が100万円で複利1%だとすると、
1年後には101万円ですよね。で、2年後には101万円の1%が足されるので、2年後には102万100円くらいになってるんですよ。計算間違ってたらごめんなさい。

で、3年後には102万100円の1%が足されるので、103万301円くらいになってる。

ギュイイイイーーーン!!って増えるってこと。ざっくり言うと。

単利っていうのは、コンスタントに1万円ずつ増えていたんだけど、
複利っていうのは、最初の年は1万円増えたんだけど、次の年には1万100円が増えて、みたいな。
増える額がどんどん大きくなっていくっていうことですね。

グラフで書くと「単利」っていうのは右肩上がりにまっすぐの直線なんだけど、
「複利」っていうのはギュイイイイーーーン!!って途中からすっごい曲線を描いて、上のほうにギュイイイイーーーン!!って伸びる、みたいな。

「単利」っていうのはズドーン!で、
「複利」っていうのはギュイイイイーーーン!!だと把握していただけるといいと思います。

「複利」のほうが伸び方がすごい、ぐらいで捉えておいていただければ、あんまりズレてないと思います。

金利には「単利」っていうものと「複利」っていうものがある、と。

(参考)単利と複利の比較

単利_複利

これ僕は、お仕事にもまったく同じように『単利型の仕事』っていうのと『複利型の仕事』っていうのはあると思っていて。

そもそも自分がやってる仕事が「単利型」なのか「複利型」なのかっていうのを、どっちがいいって話ではなくて、把握しておいたほうがいいなと思ってるんですね。

たとえば、タレントってお仕事あるじゃないですか。

元本は何かと言うと、

自分の1日、24時間、なんですよ。

自分が稼働してようやくお金をいただいているので。

やっぱタレントって自分の体が元本なんで、これはですね、働いても働いても元本って増えないんですよ。1日25時間にはならないし、1日26時間にはならない。今日どれだけ頑張って働いたところで1日はやっぱり24時間のままなんですね。

これをずっと切り売りしていくっていうのがタレントの、基本的なお仕事ですね。

つまり、タレント仕事ってうのは「単利型」であるっていうことですね。元本が増えない。

じゃあ、ビジネス書。僕はビジネス書みたいなのを書くんですけど、ここはちょっと複雑で、売れてるビジネス書は一瞬「複利」的なにおいはするんですけど、5年前とか10年前のビジネス書ってあまり買われていないじゃないですか。

なので、時代を切り取ったマーケティングの本とかは5年前のとかいらないですよね。売れないですよね。

そうするとやっぱ、5年前に一生懸命売ったところで売上が伸びるわけではないので、ビジネス書もどっちかと言ったら「単利」的であるっていうことですね。

じゃあ、絵本はどうなんだっていうところなんですけど、
絵本ってどういう形で買われるかってところを分解して考えるとですね、

絵本って基本ですね、お母さんが絵本買う時ってどうするかっていうとですね、
本屋さんでいちいち並んでる本を吟味なんかしないんですよ。

どういう絵本を買うかっていうと、自分が子供の頃に読んでもらっておもしろかった絵本を自分の子供に買い与えるっていう。自分が経験したものを子供に買うっていう、このループなんですよ。

だから、絵本コーナーにいっていただくとわかりやすいと思うんですけど、
未だに、何十年前の絵本が平積みされてるんですよ。
『はらぺこあおむし』とか『100万回生きたねこ』とか。

こんなのは絵本だけです。
30年前の本が未だに平積みされてる、っていうのはビジネス書でも漫画でもなくアートブックでもなく絵本だけですね。

つまりね、絵本の元本ってなんなんだっていうところになってくる。
ここを整理しなきゃいけないなと思っていて。

絵本の元本って、お母さんが子供の頃に読んでもらって面白いと思ったものを子供に買い与えるわけじゃないですか。

ってことは絵本の元本って「安心安全」なんですね。
ハズレがないっていう信用です。ここなんですよ。

つまるところ、売れれば売れるほど、おもしろかったっていう感想をもつお母さんが増えるわけだから、売れやすくなるってことです。売れれば売れるほど「安全」の割合が増えるから。元本が増えるから。

ということは、絵本は「複利型」である、ということですね。

なので、僕はせっせと絵本を作っているんですけれど、くれぐれも言っておくと、「単利型」の仕事が目先の仕事で、「複利型」の仕事が先をみた仕事、みたいなことを言っているわけではなくて、それぞれに特性はあると思うんですよ。

絵本はスタートダッシュが遅いんで。だけれど、ビジネス書はスタートダッシュが早いんで。一気に10万部とか20万部とか売れるんで。

これを使い分けていくことが非常に重要だな、と思っています。

タレント仕事にしたって、やっぱりスタートダッシュ早いんで。それはいいところもすごくあるっていうことですね。

これは自分の仕事が「単利型」であるのか「複利型」であるのかっていうところを把握した上で、適材適所で使い分けていくっていうのが重要なことだな、と思いました。

というわけで、今朝はですね、
「『単利型の仕事』と『複利型の仕事』を把握しろ」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

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