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人間は100%死ぬ byキンコン西野

このnoteは2020年8月18日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:ジャニーズじゃない方の嵐 えんどうあらし さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「人間は100%死ぬ」
というテーマでお話しします。

最近は、すっかり減ったのですが、当時はよく「炎上商法」とか「逆張り」とか、言われたんですね。
これに関して少し手厳しいことを言わせていただくと…


大衆はクラウドファンディングを「炎上商法」と言って、
ひな段に出ない芸人を「逆張り」と言ったわけで。
…つまるところ、
「炎上」に関しては「大衆の理解が追いついていないだけ」というのと、
「逆張り」に関しては「大衆が時代から遅れをとりすぎた結果、大衆が時代の逆側になってしまっただけ」
というのが当時の僕の本音です。

今、クラウドファンディングをやったり、YouTubeを主戦場にしている芸人に対して、「炎上商法」とか「逆張り」とか言わないですよね? 
まぁ、そういうことです。

これはウチのサロンメンバーさんなら痛いほど知っていると思うのですが、「炎上商法」とか「逆張り」とかって、キングコング西野が最も避ける打ち手なんです。

よく言われるのですが、僕は「お前、血が通ってんのか?」というぐらいロジックの人で、今いる地点から、目的地までの道筋を綺麗に描くことに興奮を覚えているサイコパス気味のヤツです。

そのアプローチが結果的に誰かの感情を逆撫で出ることはあるのですが、
逆撫でしに行くことは絶対になくて、
なので、
たとえば10万人から「わ〜」と怒られても、全て理論立てて御説明することができます。


もともとボードゲームと数学が好きなんです。
あれって、感情でやるものじゃないじゃないですか。


まぁ、なんとなく、そういうヤツだと言うことを踏まえいただいた上で、今日の雑談にお付き合いください。

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先日、「数字の読み方・使い方」というテーマでお話ししたところ、これが大変好評だったんです。

メディアが報じている新型コロナウイルスの数字の出し方の歪さと、そういう数字を出さざるをえない背景と、それに伴う「しっぺ返し」について喋ったんです。


※詳しくはアーカイブをお聴きください。

新型コロナウイルスに関しては、よく「正しく恐れろ」と言われたりしますが、やっぱり今、結構な方がパニックに陥っていると思うんですね。

僕は冒頭申し上げたとおり、性格上、すぐに「数字」で見てしまうので、恐れている量も、やっぱり「数字」に由来しているんですね。

そうすると、個人的な感想としては「厄介なものであることは間違いないんだけども…」というのが正直なところです。
「こと日本においては」という言葉を付け足しておきます。


あくまでこれは個人的な感想で「そうじゃない!」と怒られたところで、「僕がそう思ってしまっている」ということなので、思ってしまっていることが覆ることはないですね。

覆ることがあるとするのであれば、覆るに値する「数字」が出た時です。

じゃあ、キンコン西野は「新型コロナウイルスの、どの部分の数字を見ているのか?」という話なんですけども……まずは、メディアが連日報じている「数字」を見ます。


たとえば「死亡率」に絞って、最近、メディアが報じた「数字」を見ると……

50歳代以下の死亡率は0.5%にとどまっていて、
80歳代になると30.2%、
90歳代になると33.9%の方が亡くなられています。

100歳以上だと75%という数字が出ています。4人中3人です。

 
ザックリとしたグラフですが、コロナ感染者の死亡率は70代あたりから急激に上がっているんです。

そして、基礎疾患の有無が確認できた198人のうち、疾患がなかった方は4人。
つまり、『ほぼほぼ全員が基礎疾患を持っていた』ということです。

まぁ、このことを覚えておいてください。


んでもって……


メディアでは、こういった数字が報じられるわけですが、ぶっちゃけこの数字だけ見ても、何の意味もないです。


経営者さんなら当たり前に持っている感覚なんですけども、「ABテスト」といって、「Aパターン」と「Bパターン」の両方の数字を出して比較してみないと、「Aパターン」の効用・効能って分からないんですよ。


これと同じように、「新型コロナウイルスの効き目」を調べる為には、「新型コロナウイルスが流行していなかった時」と比べないと割り出せないですよね。

なので、もう一個の「新型コロナウイルスが流行っていない時の数字」を見なきゃいけないんですけども、ここに関しては厚生労働省が「簡易生命表」というのを出しています。


ここには、基礎疾患を持っていない方も含む年齢別の死亡数・死亡率というのが出ているんですけども、令和元年の「簡易生命表」を見ると、70代あたりから急激に死亡率が上がっているんです。

90代の方の「数字」を見ると、死亡率はだいたい「30%」です。
あくまでこれは「基礎疾患」を持っていない(健康な)方も含めた数字です。

一方、基礎疾患を持っていて、くわえて新型コロナウイルスに感染された90代の方の死亡率は「33.9%」です。

で、この3.9%の差って、「新型コロナウイルス」が原因なのか、「基礎疾患」が原因なのか、分からない。

ちなみに、100歳以上のコロナ感染者の死亡率が75%とありましたが、令和元年の「簡易生命表」を見ると、「100歳以上」という括りにしてしまうと、結構な方がお亡くなりになられていて……105歳以上の方の死亡率に関しては【100%】です。

男性が103人中103人亡くなっていて、女性が長生きされているのですが、729人中729人亡くなっている。

つまり、今後、105歳以上のコロナ感染者が出た場合、メディアでは「105歳以上のコロナ感染者の死亡率は100%」と報じられるわけですが、それを言い出したら、

「105歳以上の牛乳を飲んでいる人の死亡率は100%!」

と言えちゃうし、

「105歳以上のクマモンのぬいぐるみを部屋に置いている人の死亡率は100%!」

と言えちゃう。

もう、皆さんが喉まで出かかっている言葉を代弁させてもらいますが……「寿命」ですよね。

「コロナに感染した高齢者の死亡率は高い」じゃなくて、「高齢者の死亡率は高い」という話。

高齢者の方が風邪を引かれたら、さらに死亡率は高くなるし、高齢者の方が夏場にマスクをしたら、死亡率はグンと上がる。

なんかこの、「人間って、ある程度の時期がきたら基本、死ぬよね」という大前提がゴッソリ抜けた状態で、コロナの報道がされて、経済が止まりまくっているのは、なかなか辛いなぁと思っています。


ただ、だからといって、「マスクエチケットなんて、どうだっていい!」という話ではないのですが、一応、コロナを恐れる時は「ABテスト」をした上で恐れた方がいいんじゃないかなぁというのが僕の感想です。

というわけで、
「同じ話をすることを恐れるな」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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