自分だけの「商品」を探せbyキンコン西野
このnoteは2020年3月20日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供: 谷角 大悟 さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日はですね、
「自分だけの「商品」を探せ」
というテーマでお話したいと思います。
業務連絡をオンラインサロンの記事に投稿してみたら…
まず近況を申し上げますと、来月から始まる『たけしの挑戦状 ビヨンド』という舞台の稽古の日々に励んでいます。
僕は僭越ながら、主演を務めさせていただいているのですが、プロの役者さんに囲まれた環境は本当に勉強の連続で、つくづく、プロってすげーなーと思っています。
あと、舞台を観に来ていただくと感じていただけると思うのですが、今回の作品でも軸となっている『ヨーロッパ企画』さんが醸し出す空気感が本当に素敵で、稽古を重ねるたびに好きになっちゃうんですよね。
本当に素敵なんです。
東京公演は完売してしまいましたが、地方公演のチケットはあると思うので、是非遊びにいらして下さい。
詳しくは『たけしの挑戦状 ビヨンド』の公式ホームページまでお願いします。(新型コロナウイルスの影響で公演中止)
そんなこんなで、今は『たけしの挑戦状 ビヨンド』の稽古場に入り浸っておりまして、なかなか僕の会社が手がけているお仕事の現場には行けてないんですね。
現場は、社員さんやインターン生に丸投げなんです。
丸投げしてるとはいえ、一応プロジェクトの目的や優先順位、気をつけないといけないことぐらいは、先輩として言わなきゃいけないなぁと思っていて。
昨日は後輩への業務連絡をオンラインサロンの1記事として投稿してみたのですが、これがめちゃくちゃ好評だったんですね。
僕が後輩に向けた業務連絡そのままのものですが、むちゃくちゃ好評だったんですよ。
僕のサロンには、経営者も上司も親も先生もいて、そういった方々から「なるほどこういうふうに指示を出せば、自分ごととして取り組んでもらえるんですね」というコメントをたくさん頂戴しました。
僕の狙いとしては、あの公の場、4万人のサロンメンバーが見ている場所で指示を出したら、指示を出されちゃった後輩のファンが増えるだろうなぁと思って。
後輩のファンが増えた方がいいじゃないですか。
後輩が先々活動するときに、彼らの応援者がいたほうが、彼らもいろんなことができるから。
後輩のファンを増やそうと思って、ああいう場で業務連絡をしたのですが、それをやってみたところ副産物として「指示の出し方の見本」になっちゃったみたいです。
これ、わかりやすい棚ボタじゃないですか。
僕だって、この指示を別に売り物にしようと思ってなかったのに、結果的に「その指示の出し方いいね」みたいになっちゃったという。
キミしか持っていない売り物は何だ?
そんなこんなで、ここからが今日のお話です。
僕らは、自分が持っている価値を理解していないなぁと思う機会が結構あって。
今回のこと、普通に考えたらわかるじゃないですか。
僕は『キングコング』という漫才コンビの運営、絵本、国内外での個展、映画、ブロードウェイのミュージカル、美術館、海外に学校を建てる、スラム街の支援、webサービスの開発運営、4万人のオンラインサロン運営、あと最近はテレビcmなんかも手掛けていたりするんですね。
そこにはそれぞれスタッフさんがいて、そのスタッフさんたちがモチベーション高く仕事に臨んでくれるように毎日指示を出させてもらっているんですね。
今現在、仕事がうまく回っているということは、スタッフさんの頑張りによるものがもちろん大きいし、それがほぼ全てなのですが、それを差っ引いて考えても指示を出すのは多分うまいじゃないですか。
どう考えたって、これがまわってるってことは、どうやらキングコング西野は指示を出すのがうまいに決まってるんですよ。
じゃないと、これだけのプロジェクトを同時進行させることは不可能なので。
僕はすごくハチャメチャな奴に思われているかもしれませんが、たぶん、僕は、クソ真面目な上司の教科書的な奴なんだと思います。
ところが西野本人は、西野の指示の出し方が売り物になるということを把握していなかった。
このように、本人が自分しか持っていない売り物に気が付いていないことって、僕に限らず、いろんな人に当てはまることだなぁと思うんですね。
自分が持っている価値に対して無自覚である原因を僕なりに因数分解してみたのですが、
おそらく僕らは「他人が売っているものしか売り物として捉えない傾向がある」ということだと思うんです。
つまり、「後輩への指示」を他に売っている人がいたら、「もしかしたら僕の支持も売れるかも」って考え始めるのですが、基本的に「指示」なんて誰も売ってないですよね。
時々、「部下の動かし方」みたいなノウハウ本は売っていたりしますが、実際の指示や業務連絡を売ってる人なんていないじゃないですか。
なので、僕らはそれが売り物になるか否かすら考えないということですね。
「他人が売っているものしか売り物として捉えない傾向がある」っていうのは、けっこう重く見た方がいいな、気をつけなきゃいけないなーっていうことを思います。
で、次の段階としてハードルとなってくるのは、値段をつけるという作業です。
自分しか売っていないものを売り出したら、必ず批判が起こる。
例えば、一定の支持を集めている人の移動って、売れるはずなんですよ。
変なこと言ってますね。
ご説明しますと、
例えば、ホリエモンがタクシーに乗ってタクシー代を払ってるじゃないですか。でも、「お金を払ってホリエモンを現場まで送りたい人」っているはずなんです。
車中でホリエモンとマンツーマンで話したり、その流れで会社のコンサルみたいなものを受けられるのって、めちゃくちゃ高いはずなんです。
おそらくホリエモンの移動って5万円とか10万円とかで売れると思います。
お金の流れが逆なんですよあれ。
ホリエモンがタクシー運転手さんにお金払うって変なんですよ。ホリエモンの移動は買いたい人がいるから。
ただそれをすると、それができない人や信者から「搾取だ」とか言われたりするので、まあいろいろ面倒なんですね。
でも、「搾取だ」とか言ってる人も「自分の好きなアイドルを車で送れる券」みたいなのが売り出されていたら秒速で買うと思うんです。
多くの人は、「この批判は最終的に自分の首を締めるのでは」っていうところまでは想像できていない。
見たことない商いは脊髄反射的に批判してしまう。
値段がついていないものに値段をつけるっていうのは、それなりのリスクが伴うのですが、ただ「物を売る」事の本質は、誰かを助けるということだから。困っている人を助けるということだから。
もし自分にしか売れない商品があるのならば、ためらわずに値段をつけてみることをおすすめします。
いずれにしても、まずは自分を再検査して、見落としている価値を探してみてください。結構あると思いますよ。
深くは言えないのですが、僕はvoicyで喋った内容をyoutubeにコピペしているんですね。なので、僕のyoutubeは、動画のプラットフォームなのに音声しか発信していないんです。
これによって売れる物っていうのが、最近見つかったんですよ。
それはサロンで喋ってるからここでは喋れないのですが。
誰もそれを売ってないから、売り物としてこれまで気づかなかったのですが、そういえばこれ売り物になるなっていうのが最近見つかったんですね。
そういう感じで自分を再検査すると、けっこう見落としてる価値があるし、なんなら自分が一番わかっていないので。
一度再検査してみてください。
というわけで、
「自分だけの「商品」を探せ」
というテーマでお話させていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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