キンコン西野から20代のキミへ
このnoteは2019年12月7日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:東京から香川まで走ったべぇくん
おはようございます。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「キンコン西野から20代のキミへ」
というテーマでお話したいと思います。
技に溺れるな
来年には発表されると思いますが、
いま『革命家からの手紙』というビジネス書を書いてます。
(オンラインサロンメンバーには原稿を公開中)
本の内容は、
ひとりひとりが経営脳をもたなきゃいけない時代におくるリーダー論。
個人でも、チームでも発信していかなきゃいけない時代に入ったから、
ひとりひとりがリーダーの脳みそを持っておかなきゃいけない。
ってことで。
どうやって人を巻き込むのか?どうやって個性を束ねていくのか?
というリーダー論について、3万人(放送当時。2020年4月現在は4万8000人)をこえるメンバーがいるオンラインサロンを運営していく中で学んだことってすごく多かったんです。
なので、学んだことをみなさんに共有したくて、本を書き始めました。
ビジネス書っていうのは「自分が読者に何をかけあわせるか?」という話なので、どうしても「こういうときはこうしたらいいよ」っていうノウハウ、テクニック、裏ワザ、抜け道みたいな部分がフィーチャーされがちですよね。
(書籍の売り方、オンラインサロンの運営方法、クラウドファンディングの勝ち方、これからの時代のポジションの取り方など)
これについて「体」と「技」という言葉を使って説明すると、ビジネス書で教えてるのって基本的には「技」のほうなんですね。ちなみに「体」は努力量のことです。
僕は、「体」と「技」のかけ算で、その人が出せるパフォーマンスが決まると思うんですね。
なので、「体」が0であれば、100かけても0なんです。
ビジネス書を1000冊読んだところで、かけられる数=「体」が0であれば何も身につかない。努力をしていないと何を与えてもダメなんです。
オンラインサロンで大学生のメンバーと議論をする機会あるんですね。
この歳になって高校生とか大学生と長々と喋る機会ってあんまりなくて、サロンのおかげでそういう機会にめぐまれて、いろいろお話させていただくんですけど。
かける数でいうと、大学生のほうが僕よりとっくに優秀なんです。
まあ、当たり前っちゃ当たり前なんですよ。
僕世代を教師および反面教師にしているので、
いいところは盗んで、ダメなところは切っているから。
どう考えたって僕ら世代より「技」の精度が高くなってる。
年下のほうが圧倒的に優秀だと思ってるんですね。
だけど、優秀であるがゆえに「技」に溺れてしまって「体」づくりを手を抜いてしまうって人がけっこう多い。つまり、努力不足ですね。
いまの若い人がってことではなくて、どの時代でも絶対そうだったはずなんですね。どの時代もやっぱり「技」が潤えば潤うほど「体」づくりの手を抜いちゃう人が増える。
大学生と喋っていても、
「技」もあるし「体」づくりがんばってるな、って人もいれば、
「技」はすごいけど「体」づくりサボってるな、って人もいるんですね。
働き方改革が問われてる時代にそぐわない発言かもしれませんが、真理だと思うので言わせていただくと、労働時間が短いやつは話にならねぇって思うんですよ。
どれだけ「技」を覚えたとしても、「体」ができていないと。
労働時間=努力の時間が短い人は、使いものにならない。
けっこう恐ろしいところなんですが、こういう真実はある。
きれいごとじゃ乗り切れないんですね。
僕は19歳のときにこの世界に入ったんですが、
20代の頃の平均労働時間って20時間くらいなんですね。
いまはもう少しおさえて18時間とか19時間くらいですが。
つまり、朝起きてから寝るまで、ずっと働いているんです。
ま、エッチのときははぶきますよ。長いときは1時間くらいしちゃうんで。それはちょっとイレギュラーなのではぶいて。
でもいまは世の中が「残業しちゃダメ!」みたいな雰囲気になってて、会社としても「もっと働け!」は絶対に言えなくなってるじゃないですか。
それでも、僕の友達の名の通った経営者や起業家は平気で20時間ぶっ続けで働いたりするんですね。下の世代の労働時間に制限がかかってる中。
最近、蜷川実花さんとよく一緒にいるんだけど、
「何時からスタートして何時まで働くの?」って思うくらいずっとやってるもん。朝の3時とか4時であろうがラインしたら返ってくるし。働くことに対して時間の概念がない。
幻冬舎の箕輪さんにね、
「ホリエさんとか、西野さんとか、前田さんとか、落合さんを近くでみてると、とても憧れない」って言われたことがあったんです。
「そんな努力してるのに、こんな結果かよ。コスパ悪すぎる。それくらいやらなきゃいけないんだったら、僕はそっちの世界に行きたくない」って。
けっこう真理突いてておもしろいなと思いました。
結論、みんなめちゃくちゃやってるんですよ。
労働基準法なんかあったもんじゃない。
ってことで、
労働時間に制限をかけられると差は開く一方で、
それはとても「技」では埋められないものなんです。
この真実を踏まえた上で20代のキミに言いたいことはひとつで、
会社ではそれ以上働けないから、法の目をかいくぐって努力してください
ってことですね。
じゃないと、キミは勝てない。
けっこうマッチョな結論ですが、これが真理だと思う。
勝ちたければ、がんばらなきゃいけないですよ。
無理しない程度に無理してください。
というわけで、西野亮廣でした。
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