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「お金の知識不足」が招いた悲しい展開【キンコン西野】

このnoteは2023年4月22日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。

 
 

「このことを、もっと早く知っておけば…」が『夢と金』読者の一番多い感想

 
この番組のリスナーさんなら御存知かとは思いますが、4月19日に『夢と金』という本が出まして、本当にありがたいことに「発売初日に10万部突破!」という大変な反響をいただいております。
 
特に、お金で(お金の知識不足で)苦労されているお父さんお母さんからの「子供に読ませたい」という声が本当に多くて、べつに本は前面に出さなくてもいいですが、この本に書かれている内容は義務教育に入れて欲しいと心から思っています。
 
『夢と金』の読者の方の一番多い感想は「このことを、もっと早く知っておけば…」なんです。
 
なので、子供達、そして、挑戦する人に一日でも早く、この本に書かれていることが共有されると嬉しいです。
 
そんなこんなで『夢と金』の発売を記念して、今日からしばらくは(気が向いた日に)『夢と金』の内容を解説する回を設けたいと思います。
 
 

お金が回らなくなったら自殺するし、犯罪におよぶ

 
第一回の今日は、『夢と金』の第1章「富裕層の生態系」より、「知識不足で命を落とすな」というページからネタを抜粋して、さらに深堀りします。
 
最新刊『夢と金』では、冒頭から「命」の話をしてます。
 
日本の自殺率が世界8位であること。先進国で見ると、自殺死亡率ランキングでは日本がブッちぎりの1位であること。
 
そして、その自殺の動機の上位に「生活の困窮」が来ていること。
 
犯罪の動機の上位にも「生活の困窮」が来ていること。
 
ここで言いたいことは、「『お金が回らなくなったら自殺するし、犯罪におよぶ』というデータが出ているのにも関わらず、子供達にお金の勉強を教えない親や学校の先生方は、どういう了見でしょうか?」ということ。
 
「子供のことを本当に愛しているのであれば、子供と一緒にキチンとお金の勉強をして、お金が回らなくなる確率を下げて、自殺率・犯罪率を下げた方がいいと僕は思うのですが、それをやらない理由は何ですか?」と、いきなり耳の痛い内容から始まっています。
 
 

日本人にはクラウドファンディングのリテラシーが無い

 
その後に知床観光沈没事故の話をしているんです。
 
メディアでは「杜撰な運行や船の整備不良をそのままにしていた運行会社の社長はヒドイ野郎だ!」の一点張りでしたが(それに関しては擁護するつもりはありませんが)、色々と調べてみると、知床観光船はコロナで大打撃を受けていて、2020年7月にクラファンをやってるんですね。
 
これ絶対にサイトが消されると思ったので、あの事故が起きた直後に魚拓をとっていたんですが、クラファンを立ち上げたのは「知床小型観光船協議会」。
 
あの「(有)知床遊覧船」を含む4社で結成されたグループですね。
 
ちなみに、この会の代表が、あの「桂田精一」さんです。
 
で、このクラウドファンディングのプロジェクトページには、キチンと「集まった支援の使い道」が明記されていて、その一番上にきているのが「船舶の維持管理費」なんです。
 
他は事務所の家賃やスタッフの人件費。
 
つまり、このクラウドファンディングで、たくさんの支援が集まれば船舶の“維持管理”にお金をかけることができたわけですが、見てみると、目標金額が「500万円」で、最終の支援総額が「622万800円」なんですね。
 
一見、集まっているように見えますが、返礼品(リターン)を見てみると、原価の高いものだらけで、これだと実際に使える金額はかなり少ない。
 
『夢と金』では、「クラウドファンディングの知識があまりにも無さすぎる」ということと、「クラウドファンディングのコミュニティーが作られていない」ということを指摘しています。
 
なんか返礼品で「オリジナルTシャツ」とかを作っちゃってるんですけど、予算を集めることを目的とするのであれば「オリジナルTシャツ」って、コスパ悪いんです。
 
ちょっと突っ込んだ話をすると、2020年9月16日に「15日に知床小型観光船協議会のスタッフが集結し、リターン品の梱包業務を行い、先ほど発送して参りました」と活動報告をされているのですが、そこに貼られた写真を見ると、オリジナルTシャツの隣に「赤色のレターパック」が積んである。
 
これは「レターパックプラス」と呼ばれるもので、「厚さ制限は無し」で、「追跡機能」もついていて、「対面でお届け」なので、確実にお届けできるのですが、ただ一枚「520円」するんです。
 
もし仮にこれを使っていたとしたら(たぶん使っている)、「オリジナルTシャツ」という返礼品を用意する為に「デザイン費」「制作費」「人件費」そして「配送費(520円)」がかかっちゃうわけで、「残るお金はいくらよ?」という話になる。
 
これ、Tシャツがメチャクチャ売れないとワリに合わないんです。
 
で、さらに言うと、返礼品(リターン)の中に「観光船6年間乗り放題チケット」というのがある。
 
これ自体は、その後の集客に使える(友達や家族を連れてきてもらったら売上に繋がる)のでイイと思うんですが、ここにですね、「観光船乗り放題チケットをご購入の皆様へ」というメッセージが付け加えられていて、見ると、「プロジェクト終了後に抽選を行い、当選者には下記の商品をお届けします」とあって、特賞で10名様に「船長が釣り上げた秋鮭」が用意されているんです。
 
こんなの絶対にやっちゃダメで、このクラウドファンディングが広まれば広まるほど自分の当選確率が下がるわけですから、特賞の秋鮭が欲しい人は、このクラウドファンディングをシェアしないですよね。
 
たくさんの人に見つかったら(たくさんの人が支援したら)自分が損をするんだもん。
 
凡ミスもいいとこで、こんなのクラウドファンディングの教科書の1ページ目に書かれているような内容なのに、クラウドファンディングを長らく詐欺扱いしていた日本人には、ここのリテラシーが無い。
 
そして、それによって自分の挑戦が苦しめられていることに気がついていない。
 
自分の夢を自分で終わらせにいっていることに気がついていない。
 
西野亮廣の最新刊『夢と金』は一人3冊買って、近所の子供や、大切な人に贈ってください。
 
机上論は1文字もありません。
 
僕が現場で獲得した情報を加工せずに載せております。
 
知識不足で終わらされる夢や命が一つでも無くなることを願っています。
 

 
 
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