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どこで汗を流すか? どう流すか?【キンコン西野】

このnoteは2024年8月6日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。


 
 

今月18日『ポートタワービール』でアルバイトさせていただきます

 
今日の話は100人中100人が分かっていることなので、本来はワザワザ時間をとって話すべきではない内容なのですが、自分があらためてこの事実を目の当たりにして少し心が動いたので、その気持ちに従ってお話ししたいと思います。
 
Voicyでも過去に何度かご案内させていただきましたが、今月18日に京都のポートタワーのふもとで開催する『ポートタワービール』というビアガーデンで、アルバイトをさせていただくんです。
 
これはもう僕の趣味で、わざわざ新幹線に乗ってアルバイトに行くので、僕個人の収支で言うとマイナスが確定しているわけですが、「お客さんと触れ合う機会」を作りたかったし、「いらっしゃいませ〜。冷えたビールはいかがっすか〜」とか言うのが単純に楽しそうだったので夏の思い出にアルバイトをすることにしました。
 
 

ビール単体では、そこまで利益が出るものじゃない

 
さて。
 
自分がアルバイトで入るからには、ビールの売り子だけじゃなくて、ビアガーデン全体の収支も見させていただくわけですが、ビールって、在庫もあれば、「注ぐ時間」なんかもありますから、売れる杯数には必ず天井があるじゃないですか?
 
かつ、「メチャクチャ利益率が高い」というわけでもない。
 
よく、街中の居酒屋さんで「生ビール一杯、190円!」といったノボリが出ていると思うのですが、普通のビールを樽で購入した場合、生ビール一杯の原価って160円〜170円ぐらいなんです。
 
つまり、一杯190円の生ビールの利益は、「一杯売って、20〜30円」といったところです。
 
全然、利益が出ていないんですね。
 
それでも190円のビールを販売する理由は、お客さんを店に呼び込む為で、「余計なところに広告費をかけるぐらいなら、店の前を通るお客さんに利益度外視のビールのノボリを見せて、店に入ってもらう方が安いよね」という判断だったりします。
 
これがクラフトビールになってくると、また原価も上がってきて…いずれにせよ、ビールって、単体では、そこまで利益が出るものじゃないんですね。
 
なので、ビアガーデン単体だと「たくさん汗を流して販売しても…」みたいなところは否めない。
 
 

一工夫を入れないと「働いても働いても、生活がラクにならない」のループから抜け出せない

 
一方で僕は普段、オンラインで作品や商品を色々と販売したり、アート作品を販売したり、サブスクのサービスをいくつか回していたり、コンサルや講演会をやったり、時にはシャンパンも販売しています。
 
つまり、高単価のものか、あるいは、単価はそこまで高くないけれど、同じ労力でたくさんの人に届けられる作品・商品・サービスを取り扱っています。
 
それこそビアガーデン終わりはニューヨークに飛んで、「ブロードウェイの投資家さんからウン千万円〜ウン億円を引っ張ってくる」という仕事が入っています。
 
そんな中でビアガーデンのアルバイトをして収支を計算していると、やっぱり「これだけ稼働して、利益はこれぐらいか」と思わざるをえなくて、職業に上下は決してないんだけれど、「どこで汗を流すか?」や「汗の流し方」については、キチンと考えた方がいいと思いました。
 
たとえばビアガーデンをするにしても、「スポンサーをつける」とか、以前、お話しした「ファストパス」を販売するとか、あとは何だろ?‥「運転代行サービス」を抱き合わせるとか?
 
そういった一工夫を入れていかないと、「働いても働いても、生活がラクにならない」というループから抜け出せないなぁと改めて感じました。
 
これはもう数億回言われていることですが、ことビジネスの現場では「頑張っている」という言葉は持ち出すべきではないと思っていて、やっぱり「価値を提供できているか否か」しかないのですが、日本だと「頑張っている」が美徳となってしまっていて、「頑張っているだけで働いた気になれちゃう」という問題が起きがち。
 
まさかビアガーデンのアルバイトが、こんなことを改めて考えるキッカケになるとは思ってもみなかったですが、でも、「どこで汗を流すか?」「どのように汗を流すか?」は、どのみち流す汗を安売りしない為に、もっと自問自答していいと思っています。
 
僕の場合はビアガーデンで汗を流すことは決めたので、あとは「ビアガーデンで、どのように汗を流すか?」を考える必要があります。
 
18日までは、まだ少しだけ時間があるので、ちょっと色々と考えてみたいと思います。
 
 

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