いつまで論破に時間を使ってんの?byキンコン西野
このnoteは2020年7月22日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:失敗だらけのかずき さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「いつまで論破に時間を使ってんの?」
というテーマでお話しします。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、僕は、大小たくさんのプロジェクトを同時に進めています。
スタッフは、年齢も性別も国籍もバラバラなので、文化が全然違うんです。
ある人はそれを良しとしても、別の人がNGであることなんて日常茶飯事で、特に自分は狭間の世代で、僕より上は権利がガチゴチの「所有」の世代で、僕より下は「シェアしましょうよ」という「共有」の世代です。
お互いが住んでいる世界のルールが全然違う中、それをまとめあげないといけない。
大きなプロジェクトになればなるほど、そこには、様々な文化・思惑が絡まってきますから、まとめ上げるのは一苦労です。
だけど、当然ですが、まとめあげないと、プロジェクトが前に進まない。
そこで、様々な議論がおこなわれるわけですが、一つだけ絶対にやちゃいけないことがあるんです。
それは、「論破」です。
たとえ、自分の方が知識があって、自分の解決方法の方が正しかったとしても、相手が乗り気になってくれないと、その問題を解決できるだけのエネルギーが生まれないんです。
なので、納得してもらわなきゃいけないのですが、人は感情の生き物ですから、知識でマウントをとってしまうと、言いくるめることはできても、その後の行動が伴わない。
ここ、メチャクチャ大事なんです。
大切なのは、「西野が言っていることを実現したい」と思ってもらわなきゃいけない。
その為の手順は、「論破」じゃないんです。
「論破」は相手のヤル気を削いで、手足を止めてしまう作業なので、目的を達成する為のアプローチとしては、一番やっちゃいけないんです。
自分の胸に手を当てて聞いていただきたいのですが、ツイッター村に出入りしている人って、ずっと論破合戦を繰り返しているじゃないですか?
それによって、何か解決しました?
結局、着地は「アイツ、ムカつくな」になってません?
論破によって得をしているのは「ひろゆきサン」だけだと思います(笑)
あの人は、「論破する」というキャラなんで。それが仕事になっている。
こんなことを言うと、怒られるのかな?
ひろゆきサンの場合は、もう何だっていいんですよ。
たとえば、ご本人がそんなことを思っていなかったとしても「『牛乳は身体に悪い』というスタンスで、相手を論破してください」という課題が出れば、「牛乳は身体に良い」という言い分の人を、ニヤニヤしながらタコ殴りにするのが、ひろゆきサンです。
怒られるかな。
いや、好きですよ、僕は。ひろゆきサンのこと。
でも、そういう人……というか、そういう「ショーマン」です。
だから、テレビでは重宝される。
でも、「論破」で得をしているのは本当に、ひろゆきサンぐらいで、
Twitter村の論破合戦は、まったく不毛です。
論破できたところで、話が、一つも前に進まないんで。
せいぜい、フォロワーに良いカッコできるぐらい。
目の前の問題を解決する時の一番の方法は、相手を言いくるめることじゃないです。
そして、「話し合い」はメチャクチャ大事ですが、それも一番の方法ではないです。
一番の方法は、自分が圧倒的に強くなることです。
強烈な力さえ手に入れれば、右に傾いているものを、左に傾けることができるし、左に傾いているものを右に傾けることができる。
なので、論破に充てている時間を、自分に使った方がいいと思います。
「業界を盛り上げたい」「その為にはこうするべきだ」「いやいや、こうするべきだ」…関係ない。
お前が圧倒的に強くなれば、業界は盛り上がるから。
そこから逃げちゃダメです。
というわけで、
「いつまで論破に時間を使ってんの?」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
興味がある方はコチラ↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?